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第三章 人間の街

第34話 続・図書館

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 魔物についてはこんなもんでいいか。
 ってか、この本欲しいな。
 パクって行ったらダメかな~。
 スタンピードで街が滅んだりしたら、かっぱらって行こう。
 流石に騎士団がスタンピードを防ぐだろうけど。

 「アインドルト創世記ね。この世界の名前かな」

 ふむふむ?
 この世界には二柱の神がいて?
 昼と夜を見守っていると。
 テムテン様とアイシュ様か。
 ほほー。夫婦神なのか。
 俺の事を転生してくれたり、名前くれたりしたのはどちらかなのかな?
 今度、教会に行ってお祈りしてみよう。

 「テムテン様とアイシュ様が力を合わせて陸と海を作り、人間種を創造したと。魔物は?」

 魔物を作ったとかはどこにも書かれてませんねぇ。
 魔物は神様産ではないのか。
 それとも都合が悪いから抹消してるのか。
 宗教関係はめんどくさいからなー。

 唯一神様に認められてる国が、シュルペニア神聖王国と。
 なんと、創世紀から存在してるらしい。
 本当かどうかわからんけど。
 シュルペニア神聖王国監修って書いてるし。

 「あー神託があるからでかい顔してんのか」

 まーそれなら納得しない事もない。
 多分ユニークスキルなんだろな。
 代々教皇に受け継がれてきて、教皇が亡くなると次の教皇に神託が頭の中に告げられるらしい。
 って事は本当かもね。
 実際魔王の誕生はバレてたし。

 「ふぅー。久々に本を読んで思った事が一つ。なんで俺は字が読めてるのか」

 今の今まで不思議に思わなかったけど、言葉も通じてる。
 言語理解的なのを付与されてるのか?
 俺限定で? 魔物は実はみんな読めたり、話を理解してたりするんだろうか?

 「妖狐妖狐。ちょっと出てきて、これ読んでみて」

 俺は周りを見渡し、バレない様に妖狐を頭だけ出して本を見せる。

 「キュン? キュン…キュン?」

 むむ。
 読めてないっぽいな。
 でも多分俺の言葉は理解してるんだよね。
 この差はなんなのか。
 転生者特典ってやつ?

 「まあ考えても分からんからいいか」

 どうもご都合主義をありがとうございます。

 「うーん。他にも読みたい本はいっぱいあるけど今日はこの辺にしとくか。日も暮れてきたし」

 衛兵の所に行って、騎士団が帰って来てるかの確認もしないとな。
 ベッドも見に行こう。




 「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

 俺は図書館からそのまま家具屋に行き、キングサイズのベッドと布団を買った。
 【影魔法】を使って目の前で収納したのには驚かれたけど。
 「収納の魔法をお持ちとは恵まれてますね」なんて言われたけど、そんな魔法があるんだとこっちが驚いた。
 【影魔法】があるから苦労してないけど、習得出来るならしたいな。
 人間ってどうやって魔法覚えるんだろうね。
 魔物は多分進化した時に覚えないと使えないと思う。
 俺の日本人の想像力を働かせても使えなかったし。

 「さーて。衛兵の所に行きますか」

 俺は、串肉を大量購入して影の中に放り込む。
 妖狐と約束してたしね。

 「んー? 付けられてるっぽい?」

 家具屋を出たら辺りから、等間隔で6人組に付けられてる。
 ブラブラ歩きながら、確かめてみたけど多分間違いない。

 「家具屋の店主が収納の魔法に目を眩んだか、お金持ってそうだから付けてきてるのか」

 家具屋が差し金なら店を丸々潰してやろう。
 俺はそんな事を思いながら、さり気なく人通りの少ない道を歩いていくのだった。
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