78 / 152
第4章 ギルド拡充
第71話 新居
しおりを挟む「引っ越しの日だぜー!」
「いえ~い!」
事務所やその他施設はまだ工事中だが、とうとう居住区は完成したと『地震に負けない』の芦田さんから連絡があった。
昨日の夜はワクワクして、テンションが上がりまくって桜さんと何Rしたかも思い出せないぐらいだ。
「あー楽しみ。俺の引きこもりハウス」
「でもだんちょ~昨日3級落札してたよね?」
「お金欲しいの。自家用ジェットに新しく社宅も立てるってなると、色々と入り用になるだろ? 都合良く東京に狭間が出現したし、落札しちゃいました」
今現在、日本は攻略ブームが湧きに湧いている。
上位ギルドはこぞって3級を攻略してるし、近々『暁の明星』が2級を真剣に攻略しに行くらしい。
そんな中で俺が3級を落札して申し訳ない気持ちもあるんだけどね。
こちらも生活があるんです。主に贅沢がしたいって理由なんだけどさ。
「そうだ。今度の3級は桜がメインで攻略してみようか。なんだかんだ、指導してから戦ってないし、桜も腕試ししてみたいだろ?」
「そうだね~。ちょっと頑張ってみようかな~」
よし。そうしよう。
俺は撮影係を頑張るよ。
視聴者さんや他の一般人も桜の実力は気になってると思うんだ。
ここらで、唯の牛丼好きじゃないって事を教えてやろうじゃん。
「やってきました。マイホーム」
「ポテちゃんついたよ~」
「にゃーお」
ホテルから車で約30分。
都内某所の立派な20階建てのビル。
ここが俺の事務所兼自宅になる。
「お待ちしておりました」
地下駐車場に車を停めると、芦田さんが出迎えてくれた。
駐車場には既に俺が他に買った車が置いてあり、ピカピカな状態で保管されてある。
「後で試運転もしておくか」
「あたしもスープラちゃんに乗りた~い」
乗るのは良いけどかっ飛ばすのはやめてね?
そういうのはサーキットに行ってからのお楽しみにしてほしい。
「まずはこちらを」
渡されたのはカードキー。
エレベーターに翳すとロックが解除される。
これがないと俺の居住区には行けない設定になっめいる。
19階と20階が俺の家になっていて、フロアをぶち抜いて二階建ての家みたいな感じに仕上がってると思う。
「居住区に住む人が増えた場合は、またカードキーを発行しますので、セキュリティ会社に連絡をお願い致します」
「分かりました」
「は~い」
後もう少しで眷属ガチャをするから、二人増える予定なんだよね。多分ここに住むと思う。
後で早速お願いしておこうか。
カードキーを使って19階へ。
エレベーターから出ると、いきなりエントランスホール。なんかおしゃれな絵とかが飾ってあって、セレブリティ満載な感じになっている。
正面と右側に大きな扉があり、右側の扉はシューズボックスになっている。
「天魔さんが強く希望した為、土足厳禁となっております。ここでスリッパに履き替えて下さい」
海外風で靴のまま入る事も考えたんだけどね。
ホテル暮らしの時もそうだったけど、落ち着かないんだよな。
なんか靴で歩いたところを素足で歩いたりするのに抵抗がある。
「シューズボックスが一つの部屋みたいになっとるな」
ここだけで何畳あるんだよってぐらい大きい。
俺、靴なんて未だに今履いてるのともう一足だけなんだけど。
「あたし達って服とかに無頓着だよね~。今度買い物に行こうよ~」
「だな。いつまでもだらしない格好はなしだよな。学校巡りする前に、一通り揃えるか」
まともな服なんて面接の時用に拵えたスーツぐらいしかない。流石に無頓着すぎたか。
桜さんはアクセサリーやらピアスやらジャラジャラしてるけど、これはガチャから出てきたのそのままだからな。
服はたまにネットでポチってるらしいが。
真ん前の扉を開けると広い空間に高級ソファやテーブルを置いたラウンジの様になっている。
俺は家ではあんまりお酒は飲まないが、バーカウンターの様になっており、各種お酒を取り揃えてある。
客や友達を招く時はここで対応する感じだな。
友達…。出来るかな。天魔君心配です。
「うひょー! 大理石!」
「高級感満載だよね~!」
床は全面大理石にしてある。
カーペットやら絨毯を敷いてる場所もあるが、高級感を出すなら大理石でしょと浅はかで子供染みた考えからお願いして作ってもらった。
「簡単なキッチンも置いてあるから日中はカフェ気分も味わえるよね~」
「コーヒーとか紅茶とかも揃えたからな」
招く予定の客が居ないのに、入った瞬間からからかなり気合いが入ってる構造になっている。
セレブの家に憧れてたんだから仕方ないよね。
因みに、このラウンジスペースだけでもトイレは二つある。
そのトイレスペースですら住めそうだった。
あまりに広すぎて逆に落ち着かないかもしれん。
「掃除が大変そうだよ~」
「ふっ。馬鹿だな。何の為に魔法があると思ってるんだ。一日一回浄化したらぱーぺきよ」
今、この時の為に浄化の魔法があると言っても過言ではあるまいて。
必死に魔王を倒して良かった。魔王討伐の経験が今ここで活かされるのだ。
「だんちょ~が天使の格好して一部屋ずつ浄化して回るの~? なんだか想像したら滑稽だね~」
ふむ。神々しい天使の格好した家政婦天魔さん。
なるほどなるほど。
「魔道具師の人間雇ったろ? あいつになんかいい感じの浄化の魔道具を作ってもらおうぜ」
想像したら恥ずかしいや。
早急に魔道具を作ってもらおう。
10
お気に入りに追加
746
あなたにおすすめの小説
2度追放された転生元貴族 〜スキル《大喰らい》で美少女たちと幸せなスローライフを目指します〜
フユリカス
ファンタジー
「お前を追放する――」
貴族に転生したアルゼ・グラントは、実家のグラント家からも冒険者パーティーからも追放されてしまった。
それはアルゼの持つ《特殊スキル:大喰らい》というスキルが発動せず、無能という烙印を押されてしまったからだった。
しかし、実は《大喰らい》には『食べた魔物のスキルと経験値を獲得できる』という、とんでもない力を秘めていたのだった。
《大喰らい》からは《派生スキル:追い剥ぎ》も生まれ、スキルを奪う対象は魔物だけでなく人にまで広がり、アルゼは圧倒的な力をつけていく。
アルゼは奴隷商で出会った『メル』という少女と、スキルを駆使しながら最強へと成り上がっていくのだった。
スローライフという夢を目指して――。
どうせ結末は変わらないのだと開き直ってみましたら
風見ゆうみ
恋愛
「もう、無理です!」
伯爵令嬢である私、アンナ・ディストリーは屋根裏部屋で叫びました。
幼い頃から家族に忌み嫌われていた私は、密かに好きな人だった伯爵令息であるエイン様の元に嫁いだその日に、エイン様と実の姉のミルーナに殺されてしまいます。
それからはなぜか、殺されては子どもの頃に巻き戻るを繰り返し、今回で11回目の人生です。
何をやっても同じ結末なら抗うことはやめて、開き直って生きていきましょう。
そう考えた私は、姉の機嫌を損ねないように目立たずに生きていくことをやめ、学園生活を楽しむことに。
学期末のテストで1位になったことで、姉の怒りを買ってしまい、なんと婚約を解消させられることに!
これで死なずにすむのでは!?
ウキウキしていた私の前に元婚約者のエイン様が現れ――
あなたへの愛情なんてとっくに消え去っているんですが?
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
愛されなければお飾りなの?
まるまる⭐️
恋愛
リベリアはお飾り王太子妃だ。
夫には学生時代から恋人がいた。それでも王家には私の実家の力が必要だったのだ。それなのに…。リベリアと婚姻を結ぶと直ぐ、般例を破ってまで彼女を側妃として迎え入れた。余程彼女を愛しているらしい。結婚前は2人を別れさせると約束した陛下は、私が嫁ぐとあっさりそれを認めた。親バカにも程がある。これではまるで詐欺だ。
そして、その彼が愛する側妃、ルルナレッタは伯爵令嬢。側妃どころか正妃にさえ立てる立場の彼女は今、夫の子を宿している。だから私は王宮の中では、愛する2人を引き裂いた邪魔者扱いだ。
ね? 絵に描いた様なお飾り王太子妃でしょう?
今のところは…だけどね。
結構テンプレ、設定ゆるゆるです。ん?と思う所は大きな心で受け止めて頂けると嬉しいです。
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
最凶の悪役令嬢になりますわ 〜処刑される未来を回避するために、敵国に逃げました〜
鬱沢色素
恋愛
伯爵家の令嬢であるエルナは、第一王子のレナルドの婚約者だ。
しかしレナルドはエルナを軽んじ、平民のアイリスと仲睦まじくしていた。
さらにあらぬ疑いをかけられ、エルナは『悪役令嬢』として処刑されてしまう。
だが、エルナが目を覚ますと、レナルドに婚約の一時停止を告げられた翌日に死に戻っていた。
破滅は一年後。
いずれ滅ぶ祖国を見捨て、エルナは敵国の王子殿下の元へ向かうが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる