上 下
73 / 152
第4章 ギルド拡充

第66話 二度目の配信

しおりを挟む

 
 「はいはーい。皆さんお久しぶりでーす。『シークレット』のギルド長織田天魔です」

 「八重桜だよ~」

コメント
・うおー!
・待ってました!
・んほー! 使徒様! 俺と結婚してくれーい!
・使徒様はどんな男性がタイプなんですかー?
・桜たーん!

 くそっ。なんかおかしな奴らが沸いてやがる。
 これも老害のせいだ。あの野郎、消えても尚、俺を苦しめやがる。

 「はいはい。俺は女性が好きで、至ってノーマルです。男性の方はご遠慮下さい」

 「あははは~!」

 事務所の進捗を確認しに行った翌日。
 俺と桜は、ホテルで配信をしていた。
 桜さんが配信したいって事で、見に行ったついでに配信機材を持ってきたんだよね。
 初配信してから何もしてなかったし、今は比較的暇を持て余してるからちょうど良かった。

 「今日は面接が終わったよーって報告とこれからの予定についてだな」

 「みんな沢山の応募ありがとうね~」

コメント
・書類選考落ち
・同じく
・拙者も
・某も
・俺は受かったぜー! 今から『シークレット』で働くのが楽しみ!
・私も事務員として合格したわ!

 「おぉ。受かってるって人もちらほらと。みんなと一緒に働けるのを楽しみにしてまーす」

 「昨日事務所を見に行ったけど~結構完成してたよね~」

 「『地震に負けない』が総動員でやってくれてるからな。最高の仕上がりになる事間違い無しだぜ」

コメント
・建築関係ならあそこが一番
・なお、地震との勝敗は五分五分な模様
・どれだけ発展しても自然災害には勝てないよ…
・それでも一昔前よりは耐久性も断然上がってるんだけどなぁ

 ふむ。やっぱり『地震に負けない』はやっぱり有名だな。これは期待値が爆上がりですわ。
 早く家で引きこもりたい。

 「事務所とか家が完成したら配信でまた紹介するから楽しみに待っててくださーい」

 「んふふ~。あたし達の欲望をこれでもかってぐらい詰めたからね~。今から完成が待ち遠しいよ~」

 俺と桜による引きこもりの為の家。
 これは事務所が完成する前にしっかり貯金して、引きこもりライフを満喫せねば。
 引きこもりたいのに、お金がなくて働かないといけないなんてなったら最悪だからな。

コメント
・どんな家なんだろう
・普通に気になる
・金持ちの家って見るだけでワクワクするよな
・使徒様と桜たんの愛の巣ですか…
・けしからん!

 「さーて、早速報告の方にもいこうかなと思ったけど、質問も結構あるし。何個か答えていこうかな」

 「あたしが適当に選ぶからね~」

 前回配信から間が空いてるしな。こういう交流もしておくべきだろう。
 ファンは大切にしないとね。

 「ん? これ美味いな」

 「あ~! それあたしが買ったやつ~!」

 桜さんが質問を選んでいる間に暇だったので、テーブルに置いてあった、コンビニスイーツを食べてみる。
 これはLAWS○Nのモチ食感ロールとかいうやつ。普通に美味い。
 桜はおかんむりだけど許しておくれ。

 「むっ。甘いもん食べたらもっと食べたくなってきたな。スイパラとやらに行ってみたくなってきたぞ」

 「あ~。あたしも行きたいな~。配信やめて行っちゃう~?」

 「行っちゃいましょうか!」

コメント
・ちょちょ
・草
・欲望に正直すぎるww
・まだ報告とやらも聞いてないんだが?
・配信終わるまで我慢してくれーwww

 「まぁ、それは流石に冗談。スイパラは明日でも行けるし。今日はコンビニスイーツを楽しもう。中々良いお値段するしな」

 「500円超えるのとか普通にあるよね~」

コメント
・ちょっと狭間行くだけで億稼げるくせに
・庶民感www
・でもコンビニスイーツに500円出すのは勇気いるよな
・使徒様めっちゃ美味そうに食べてるwww
・唐突なテロじゃんwww

 「うまぁ。桜さん、質問はまだかね?」

 このままじゃ俺がスイーツを食べてる動画を垂れ流してるだけになっちゃいますよ。
 そんな需要ありますかね? 

 「ムカつく~! それあたしのなのに~! ムカついたから質問はこれにしちゃうもんね~」

 Q.ぶっちゃけ、松永の事をどう思ってますか? ヤろうと思えばヤれますよね?

 「ばっきゃろー! ようやく下火になってきたのにこの話題を盛り返すんじゃないの!」

 「あたしのスイーツを食べた罰だよ~! ほらほら~! 早く答えて~!」

コメント
・草
・使徒様に初めて土をつけた男の松永
・将来教科書にのるかもな
・歴史的偉業だもんな
・あいつはヤる時はヤる男だと思ってんだよ

 桜は俺からフォークをぶん捕り、モチ食感ロールをむしゃつく。あなたも滅茶苦茶美味しそうに食べますね。幸せそうです。

 「いいか! はっきり言っておくぞ! 俺はノーマルで女性が好きなんだ! 男とは死んでもヤらん! それが老害なんて以ての外だ!」

 「えぇ~? ほんとに~? この前ドラマの俳優がかっこいいとか言ってなかった~?」

 「お前は火に油を注ぐな! 普通にカッコよかっただけで変な意味はない!」

コメント
・必死www
・この必死さが真実を隠そうとしてるようにも見えるww
・真実とは?
・使徒様は男もいけるって事だよ

 「くっ! 俺は生粋の女好きなんじゃー! 風俗にだって行きたいのに、有名になりすぎて我慢してるんだぞ!」

 「あはははは~!」

 全く。桜さんも余計な事をしてくれちゃって。
 もっとみんなが知りたい情報はいっぱいあるでしょうに。
 こんな話は一体誰得なんだよ。次はもっとまともな質問でお願いしますよ。

 

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

2度追放された転生元貴族 〜スキル《大喰らい》で美少女たちと幸せなスローライフを目指します〜

フユリカス
ファンタジー
「お前を追放する――」  貴族に転生したアルゼ・グラントは、実家のグラント家からも冒険者パーティーからも追放されてしまった。  それはアルゼの持つ《特殊スキル:大喰らい》というスキルが発動せず、無能という烙印を押されてしまったからだった。  しかし、実は《大喰らい》には『食べた魔物のスキルと経験値を獲得できる』という、とんでもない力を秘めていたのだった。  《大喰らい》からは《派生スキル:追い剥ぎ》も生まれ、スキルを奪う対象は魔物だけでなく人にまで広がり、アルゼは圧倒的な力をつけていく。  アルゼは奴隷商で出会った『メル』という少女と、スキルを駆使しながら最強へと成り上がっていくのだった。  スローライフという夢を目指して――。

どうせ結末は変わらないのだと開き直ってみましたら

風見ゆうみ
恋愛
「もう、無理です!」 伯爵令嬢である私、アンナ・ディストリーは屋根裏部屋で叫びました。 幼い頃から家族に忌み嫌われていた私は、密かに好きな人だった伯爵令息であるエイン様の元に嫁いだその日に、エイン様と実の姉のミルーナに殺されてしまいます。 それからはなぜか、殺されては子どもの頃に巻き戻るを繰り返し、今回で11回目の人生です。 何をやっても同じ結末なら抗うことはやめて、開き直って生きていきましょう。 そう考えた私は、姉の機嫌を損ねないように目立たずに生きていくことをやめ、学園生活を楽しむことに。 学期末のテストで1位になったことで、姉の怒りを買ってしまい、なんと婚約を解消させられることに! これで死なずにすむのでは!? ウキウキしていた私の前に元婚約者のエイン様が現れ―― あなたへの愛情なんてとっくに消え去っているんですが?

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです

紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。 公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。 そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。 ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。 そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。 自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。 そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー? 口は悪いが、見た目は母親似の美少女!? ハイスペックな少年が世界を変えていく! 異世界改革ファンタジー! 息抜きに始めた作品です。 みなさんも息抜きにどうぞ◎ 肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。

愛されなければお飾りなの?

まるまる⭐️
恋愛
 リベリアはお飾り王太子妃だ。  夫には学生時代から恋人がいた。それでも王家には私の実家の力が必要だったのだ。それなのに…。リベリアと婚姻を結ぶと直ぐ、般例を破ってまで彼女を側妃として迎え入れた。余程彼女を愛しているらしい。結婚前は2人を別れさせると約束した陛下は、私が嫁ぐとあっさりそれを認めた。親バカにも程がある。これではまるで詐欺だ。 そして、その彼が愛する側妃、ルルナレッタは伯爵令嬢。側妃どころか正妃にさえ立てる立場の彼女は今、夫の子を宿している。だから私は王宮の中では、愛する2人を引き裂いた邪魔者扱いだ。  ね? 絵に描いた様なお飾り王太子妃でしょう?   今のところは…だけどね。  結構テンプレ、設定ゆるゆるです。ん?と思う所は大きな心で受け止めて頂けると嬉しいです。

噂好きのローレッタ

水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。 ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。 ※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです) ※小説家になろうにも掲載しています ◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました (旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)

最凶の悪役令嬢になりますわ 〜処刑される未来を回避するために、敵国に逃げました〜

鬱沢色素
恋愛
伯爵家の令嬢であるエルナは、第一王子のレナルドの婚約者だ。 しかしレナルドはエルナを軽んじ、平民のアイリスと仲睦まじくしていた。 さらにあらぬ疑いをかけられ、エルナは『悪役令嬢』として処刑されてしまう。 だが、エルナが目を覚ますと、レナルドに婚約の一時停止を告げられた翌日に死に戻っていた。 破滅は一年後。 いずれ滅ぶ祖国を見捨て、エルナは敵国の王子殿下の元へ向かうが──

処理中です...