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第二章 高校受験
第21話 購入
しおりを挟む季節は11月に突入。
菊花賞、天皇賞秋で稼いだ甲斐もあって、残金はまた1000万超え。
やっぱりスキルの力は大きすぎるよ。
菊花賞は馬の名前見てもどれが買ったか思い出せなかったからな。
スキルのお陰で1.2着は分かったから、なんとか馬単で買えたけど。
三連単は30万越えてたし、それなりに荒れたものの、しっかり稼げて良かった。
「おっ、ラッキー。今日も早く捕まえられたぞ」
運が仕事してるんだろうか。
毎回競馬帰りのタクシーを早く捕まえられる。
こんな些細な事でも嬉しいもんですな。
いつものカラオケで梓とお金を山分けしてから少し。俺達は赤本を広げて受験対策をしていた。
「過去問は何回やっても問題ないわね。落ちる理由が見当たらないわ」
「国語は解釈次第で何問か落とすかもしれないけど、それぐらいだな」
この時の作者の気持ちを答えよとか言われましてもね。それが本当に作者が思ってたかどうかは分からないじゃん。それで正解を求められるのはおかしいと思うんだよ。
「こういうのって全部満点取ってもいいのかしら?」
「良いだろ。ってか、中学のテストでもそろそろわざと間違う必要はないと思うぞ。俺達が勉強を頑張ってる事は先生達に知れ渡ったし」
「確かにそうね。じゃあ次の期末テストは普通に解いていきましょうか」
受験に向けて本気を出しましたとでも言っておけばいいだろ。
それだけの信頼は積み上げてきたと思ってます。
「なんだかんだ中学生活はあっという間だったわね」
「最初はかなり焦ったけどな。慣れたら楽しかった。まぁ、ずっと精力的に動いてきたから時間が経つのが早く感じたのもあるだろ」
「高校に入ったら更に忙しくなるわね。動画投稿を始める訳だし」
「そうだな。一応ストックはいっぱい作ってるけど。なにせ歌を投稿するなんて初めての事だしな。最初はてんやわんやになりそう」
「その時はスキルに頼りましょう」
ステータスボード神を崇めよ!
ほんと頼りになりますぜ。俺達は全く努力する事を考えてないからな。
勉強は不安だからやってるだけだし。スラスラと問題を解けるのは楽しいしね。
11月も終盤に差し掛かった頃。
俺と梓はタクシーに乗って千葉中を走り回っていた。
本日は土曜日で明日はマイルCSがあるんだが、それはさておき。
エリ女ではブエナビ○タが負けて残念だったのもさておき。
「なんかピンとこないな」
「本当にこのやり方であってるのかしら?」
「分からん。競馬と同じ感じの感覚で教えてもらえるんじゃないかと思ってたんだけど」
俺と梓は宝くじを買おうとしていた。
先日、とうとう年末ジャンボが販売開始されたのだ。
って事で千葉中の宝くじ売り場を探し回ってる訳だ。競馬と同じようにビビッと来ると思ってたんだけど、なんの反応もない。
「千葉に当たりくじがないのかもしれんな」
「どうするの?」
うーむ。一等なんてわがまま言わないから、株始めれる額が欲しい。
パソコンとかも買わないとだし、1000万クラスで良いんだけど。
それだけあれば母さんを説得出来ると思うんだ。
「腹減ったな。飯食うか」
「そうね。あ、あそこにマッ○があるじゃない。久々にジャンクなモノが食べたいわ」
「カラオケで毎回ポテト頼んでるんですが」
「知らないわ」
さいですか。じゃあ俺も知らなかった事にします。グラコ○食べたいです。
マ○クでハンバーガーをもしゃつきながら、外を眺めてると宝くじ売り場を発見した。
「あんな所に宝くじ売り場あったっけ?」
「ちょっと待ってね…。おかしいわね? 見落としてたのかしら。調べた中には書いてないわ」
今日宝くじを買うにあたって、千葉中の宝くじ売り場を調べたんだ。
使いにくいガラケーを使ったから、見落としてた可能性もあるけど。
「これも何かの縁って事であそこで買うか。これで当たらなかったら諦めよう。大人しく高校に入ってからバイトしましたアピールをしてパソコンを買う所から始めよう」
「圭太がそれで良いなら」
って事で○ックでの寛ぎもそこそこに、宝くじ売り場へ。
そこでおばちゃんにバラで3万円分の宝くじを二人分購入する。
「当たればいいなー。楽できるし」
「期待し過ぎずに待ちましょう」
さてさて。今日の予定が終わってしまったけど、どうしようか。
「移動続きで少し疲れたわ」
「ふむん。ホテルにでも行くか?」
「疲れたって言ってるのよ?」
だからホテルかなって。
ほら、御休憩って書いてあるもん。
しっかり休憩出来るんじゃないかと、圭太君は進言します。
「まったく」
「口ではそんな事言っちゃって。乗り気なのを誤魔化せてませんよ?」
「うるさいわ」
「あいたっ」
叩かれました。
運動能力50で背中に平手は立派な暴力だと思います。背中にモミジが出来てたらどうしてくれるんだ。
「あ、あそこで良いんじゃないかしら? 外観も綺麗よ」
「やっぱり乗り気じゃ…あいたっ」
また背中に平手一発。どうして俺は余計な事を言ってしまうのか。
梓の気が変わらないうちに早く行きましょうかね。俺だけ盛った猿扱いされるのはちょっとムカつくけど。
これはどちらが上か教え込んでやらんといけないみたいだな。
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