先生、わがまま聞いて

＜六＞ 甘い夜

18 恍惚 ※

　
　
　
　
　　　　　18　恍惚　※
　
　
　
　
　持ち主の匂いがするベッドの上で、再びその人を抱いた。
　先生は何度も「電気消して」と言ったが、瑛斗はけっして聞かなかった。
　先生がちゃんと瑛斗を見て、ちゃんと瑛斗に抱かれていることを認識していてほしかった。
　二度目であっても、先生はやはりとても感じやすかったし、とても可愛かった。
　体同士が触れ合うごとに、自分がこの人の声、表情、肌の質感、唇や舌に触れる甘い感触、何もかもにますます夢中になっていくことを瑛斗は実感していた。
　必死にしがみつきながら名前を呼んでくれるたびに、先生も同じように瑛斗に夢中になってくれているのだと思うことができた。
　この時間が永遠に続けばいいのに。
　汗ばむ肌を抱き寄せながら瑛斗は何度もそう願った。
　ふたりを飲み込んだ恍惚の波が引くと、先生は今度もまた寝息を立て始めた。その様子がおかしいのと、寝顔が可愛いのとで、瑛斗はすぐに我慢が利かなくなった。
　眠る人を間近から見つめながら、肌に指を滑らせ、キスを落とした。
　半ば目を覚ましたところで、瑛斗はまた中に入った。「もうやだ」と声を上げるのを見下ろしながら、幾度も先生を突き上げた。
　どれだけ体を繋げても、どれだけ声を聞いても少しも満足できなくて、先生が本気で嫌がるまで、馬鹿になったみたいに欲望のまま何度も何度も求め続けた。