37 / 70
彼と彼女の過去……
第36話彼らの合唱コン……
しおりを挟む
「では皆さん、長い連休も明けて二週間後には合唱コンクールです。今日から早速練習に取り掛かるので、放課後は残ってください」
短いようで短かかったゴールデンウィークは、一瞬で終わってしまった……。
結局家でずっとゲームをしているだけだった……。
まあ夏休みもゴールデンウィークも、毎年こんなもんなので、今更何も思わない。
それよりも、合唱コンクールとかいうめんどくさいイベントが待っているのを忘れていた……。
「それじゃあ毎日3時40分までは残るので、皆さん机を後ろに下げてください」
担任が指示を出し、生徒が机を後ろに下げ始める……。
はぁ……やだやだ。
合唱コンクールなんて、男子はやる気ないけど、女子は無駄にやる気があるから、意見が食い違って衝突するんだよな……。
それで女子の誰かが泣いて教室から出ていって、みんなで追いかける……。
あほらしい……。
何でそういう女子ってすぐ泣くの?
どうせやる気もたいしてないくせに、『大丈夫?』って同情して欲しいだけだろ……。
なんて、心の中で愚痴をこぼす……。
「じゃあ早速各パートに分かれて練習しますが、それでいいですか?」
早速仕切り始めたのは、パートリーダー兼伴奏の花だった……。
「では男子は教室で、女子のアルトは隣の501号室、ソプラノは502号室で練習を開始してください」
てきぱきと指示を出していく花を見て、流石と言わざるを得ない……。
「では後は各パートリーダーの指示にしたがってください」
花の指示出しが終わり、合唱の練習が始まった……。
「それじゃあとりあえず、このラジカセで歌を聞くから、しっかりと聞いといて……」
学級委員の男子が、ラジカセのボタンを押して、曲が流れ始める……。
曲の一番が終わったところで、男子のパートリーダが曲を止める。
「じゃあまず今流したところまでやるから……」
ラジカセから流れる歌に合わせて俺達も歌いだすが、最初だからというのもあるかもしれないが、すごく酷かった……。
男子はみんなやる気がないからほとんど歌ってないし、歌おうと思っていた俺も初めて聞く曲なのでテンポがよくわからなかった……。
「えーと、まだみんなこの曲の歌詞とかテンポとか分からなさそうだから、今日は歌わずに聞くだけにしたいと思います……」
男子の学級委員がそう言っているが、ほとんどの生徒は聞いていない……。
曲が流れ始めても、喋っているか、携帯をいじっているかのどっちかだった……。
結局何もせずに、初日の練習は終わった……。
「それじゃあ今日は号令なしで解散にします」
担任はそういってすぐさま教室を出ていった……。
俺は施錠という呪いにかけられているから、すぐには帰れない……。
クラスメイトが出ていくのを待っているが、陽キャの女子達が会話をしている……。
盗み聞きをするつもりはなかったが、女子達の会話が聞こえてくる……。
「でも本当に合唱コンとかだるくない? この行事ってなんか意味あんの?」
「ほんとそれな! 一年の中でこのイベントが一番いらないよね!」
女子達の合唱コンの愚痴が聞こえる……。
普通女子ってみんな合唱コンやる気あるもんじゃないの?
女子も男子もやる気ないって、もうやる意味あんのか?
そんなことを思いながら、5分ほどしてクラスから人がいなくなる。
すぐに施錠をして、職員室に届けようとすると……。
「遅かったわね」
「うわぁ!」
後ろから急に声をかけられ、驚いてしまった……。
「なんだ花、まだいたのか?」
「なんだとは失礼ね。せっかく待っててあげたのに……」
「そうなのか……。じゃあ俺職員室よるから、先に下で待っててくれ……」
俺はすぐに職員室にいる担任にカギを渡し、下駄箱へ向かう……。
「それじゃあ行きましょうか……」
「あぁ……」
俺達は靴を履き、校門を出て家に向かう……。
「ところで、合唱コンの練習どうだった?」
男子の練習が酷かったので、女子の方も気になり質問する……。
「どうもこうもひどい有様よ……。歌は歌わないし、ずっと喋ってるし……」
女子の方も男子と同じ様子っぽかった……。
「みんなこんな行事なんて興味ないのよね……。このクラスで合唱をやるのは、最初で最後なのに……」
そういった花の横顔は、酷く寂しそうだった……。
最初で最後か……。
彼女が何故こんなにも合唱コンにやる気なのか、俺には少し分かった気がする……。
短いようで短かかったゴールデンウィークは、一瞬で終わってしまった……。
結局家でずっとゲームをしているだけだった……。
まあ夏休みもゴールデンウィークも、毎年こんなもんなので、今更何も思わない。
それよりも、合唱コンクールとかいうめんどくさいイベントが待っているのを忘れていた……。
「それじゃあ毎日3時40分までは残るので、皆さん机を後ろに下げてください」
担任が指示を出し、生徒が机を後ろに下げ始める……。
はぁ……やだやだ。
合唱コンクールなんて、男子はやる気ないけど、女子は無駄にやる気があるから、意見が食い違って衝突するんだよな……。
それで女子の誰かが泣いて教室から出ていって、みんなで追いかける……。
あほらしい……。
何でそういう女子ってすぐ泣くの?
どうせやる気もたいしてないくせに、『大丈夫?』って同情して欲しいだけだろ……。
なんて、心の中で愚痴をこぼす……。
「じゃあ早速各パートに分かれて練習しますが、それでいいですか?」
早速仕切り始めたのは、パートリーダー兼伴奏の花だった……。
「では男子は教室で、女子のアルトは隣の501号室、ソプラノは502号室で練習を開始してください」
てきぱきと指示を出していく花を見て、流石と言わざるを得ない……。
「では後は各パートリーダーの指示にしたがってください」
花の指示出しが終わり、合唱の練習が始まった……。
「それじゃあとりあえず、このラジカセで歌を聞くから、しっかりと聞いといて……」
学級委員の男子が、ラジカセのボタンを押して、曲が流れ始める……。
曲の一番が終わったところで、男子のパートリーダが曲を止める。
「じゃあまず今流したところまでやるから……」
ラジカセから流れる歌に合わせて俺達も歌いだすが、最初だからというのもあるかもしれないが、すごく酷かった……。
男子はみんなやる気がないからほとんど歌ってないし、歌おうと思っていた俺も初めて聞く曲なのでテンポがよくわからなかった……。
「えーと、まだみんなこの曲の歌詞とかテンポとか分からなさそうだから、今日は歌わずに聞くだけにしたいと思います……」
男子の学級委員がそう言っているが、ほとんどの生徒は聞いていない……。
曲が流れ始めても、喋っているか、携帯をいじっているかのどっちかだった……。
結局何もせずに、初日の練習は終わった……。
「それじゃあ今日は号令なしで解散にします」
担任はそういってすぐさま教室を出ていった……。
俺は施錠という呪いにかけられているから、すぐには帰れない……。
クラスメイトが出ていくのを待っているが、陽キャの女子達が会話をしている……。
盗み聞きをするつもりはなかったが、女子達の会話が聞こえてくる……。
「でも本当に合唱コンとかだるくない? この行事ってなんか意味あんの?」
「ほんとそれな! 一年の中でこのイベントが一番いらないよね!」
女子達の合唱コンの愚痴が聞こえる……。
普通女子ってみんな合唱コンやる気あるもんじゃないの?
女子も男子もやる気ないって、もうやる意味あんのか?
そんなことを思いながら、5分ほどしてクラスから人がいなくなる。
すぐに施錠をして、職員室に届けようとすると……。
「遅かったわね」
「うわぁ!」
後ろから急に声をかけられ、驚いてしまった……。
「なんだ花、まだいたのか?」
「なんだとは失礼ね。せっかく待っててあげたのに……」
「そうなのか……。じゃあ俺職員室よるから、先に下で待っててくれ……」
俺はすぐに職員室にいる担任にカギを渡し、下駄箱へ向かう……。
「それじゃあ行きましょうか……」
「あぁ……」
俺達は靴を履き、校門を出て家に向かう……。
「ところで、合唱コンの練習どうだった?」
男子の練習が酷かったので、女子の方も気になり質問する……。
「どうもこうもひどい有様よ……。歌は歌わないし、ずっと喋ってるし……」
女子の方も男子と同じ様子っぽかった……。
「みんなこんな行事なんて興味ないのよね……。このクラスで合唱をやるのは、最初で最後なのに……」
そういった花の横顔は、酷く寂しそうだった……。
最初で最後か……。
彼女が何故こんなにも合唱コンにやる気なのか、俺には少し分かった気がする……。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
優しく微笑んでくれる婚約者を手放した後悔
しゃーりん
恋愛
エルネストは12歳の時、2歳年下のオリビアと婚約した。
彼女は大人しく、エルネストの話をニコニコと聞いて相槌をうってくれる優しい子だった。
そんな彼女との穏やかな時間が好きだった。
なのに、学園に入ってからの俺は周りに影響されてしまったり、令嬢と親しくなってしまった。
その令嬢と結婚するためにオリビアとの婚約を解消してしまったことを後悔する男のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる