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フィンはお疲れ
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フィンや騎士団長やヘクトル様達は話し合いの為、会議室に行った。
私とルディとノーグとギルは今日泊まる部屋で休んでいた。
「ルディ、カプリコーン村のあの家はおいくら位するかわかりますか?どれくらい働けば買えますでしょうか?」
ルディは、私の急な話にびっくりしてた。
「あの家が欲しいのか?フィンに言えば買ってくれるぞ。」
「家まで買っていただくのは…。」
「しかも働く?エスカならきちんと祈りをしてるし、国から金が支給されているだろう?」
確かに、聖女認定から務めに対して国からの支給はあるけど、家の相場がわからない。
「支給されたお金だけでは足りないと思うので。」
ルディは笑いだした。
「エスカ、あの家はおそらく高くないよ。使われていなかったようだし、ソフィア様の結婚式でつけてたエスカの宝石の方が高いんじゃないか?」
「あのピンクダイヤは家より高いのですか!?」
ルディは笑いが止まらなかった。
「家なんて欲しいならフィンに買って貰えばいい。喜んで買うぞ。」
「確かに、家の話をした時、庭に建てるかと言ってました。」
「カプリコーンの家はどんな家だったんですか?」
ギルとノーグが興味津々で聞いてきた。
「ボロ家だったな。」
「ボロ家でしたね。」
二人でしみじみ言った。
「最初は家のドアが傾いて開かなかったので家の前で野宿してました。」
「野宿…?家の前で?」
ギルとノーグは目が点になった。
「家の前にベッドマット敷いて寝てたんだと。しかも、エスカの水浴びを覗いたり、エスカに恋人と思われてなかったり、あのフィンが面白かったな。」
「る、ルディ、それくらいにして下さい。私も恥ずかしいですから。」
ギルとノーグは、あのフィン様が?と驚いていた。
「騎士団ではフィンは違いますか?」
「違いましたね、特に偉そうにすることもなく、浮いた噂もない俺達の憧れです。」
「エスカが初恋なんじゃないか?笑えるな。」
「今までいなかったんですか?」
フィンのことをもっと知りたく、ルディの話に興味津々だった。
「周りに言われて、渋々付き合ったことはあるが一度も好きになれなかったみたいだし、続いた女はいないな。」
ルディの話にフィンの気持ちは自分だけのものかと思うと、どこか嬉しくなった。
お茶のおかわりをしながら、ルディやギル、ノーグとカプリコーン村のあの家に行けたらと思っていた。
夜になり、やっとフィンが帰ってきた。
なんだかお疲れのようだった。
「夕食を一緒に出来なくてすまない。」
「ルディ達と食べました。フィン、大丈夫ですか?」
「風呂に入ったら今日はもう寝よう。」
珍しくフィンは服を脱ぎ散らかし、お風呂に行った。
凄く疲れたんだろう。
フィンの脱いだ服を片付け、寝る時に着ているTシャツなどをだし、ドア越しにフィンに声をかけた。
「フィン、着替えこちらに置いときますね。」
「持って来てくれないか?」
「…フィン裸ですよね。」
「もう出る。タオルを巻いているからきてくれ。」
おそるおそる入ると腰にタオルを巻き、濡れているフィンが立っていた。
「エスカ、ありがとう。助かるよ。」
「お疲れ様です。」
着替えを渡すとフィンの髪が水で滴り落ちた。
「エスカ、エスペラで出来る事は終わった。後はヘクトル様達エスペラの方々のするべき事になる。今回の事を忘れろとはいかないが、明日には国に帰り結婚式の話をしよう。」
「…わかりました。」
「悪いようにはならなかったから安心しろ。国ではないがエスペラの名前は残る。」
フィンが悪いようにはならないというならそうなんだろう。
「じゃあ先にベッドで待っていますね。なんだか今日はもう眠いです。」
「すぐに行くよ。」
エスペラで出来る事はもうない。
フィンの言うとおり、私達の結婚式の事を考えよう。
結婚したらフィンのお嫁さんになれる。
これからもずっと一緒にいたい。
そんな事を考えていたら、フィンが来る前に眠っていてしまった。
私とルディとノーグとギルは今日泊まる部屋で休んでいた。
「ルディ、カプリコーン村のあの家はおいくら位するかわかりますか?どれくらい働けば買えますでしょうか?」
ルディは、私の急な話にびっくりしてた。
「あの家が欲しいのか?フィンに言えば買ってくれるぞ。」
「家まで買っていただくのは…。」
「しかも働く?エスカならきちんと祈りをしてるし、国から金が支給されているだろう?」
確かに、聖女認定から務めに対して国からの支給はあるけど、家の相場がわからない。
「支給されたお金だけでは足りないと思うので。」
ルディは笑いだした。
「エスカ、あの家はおそらく高くないよ。使われていなかったようだし、ソフィア様の結婚式でつけてたエスカの宝石の方が高いんじゃないか?」
「あのピンクダイヤは家より高いのですか!?」
ルディは笑いが止まらなかった。
「家なんて欲しいならフィンに買って貰えばいい。喜んで買うぞ。」
「確かに、家の話をした時、庭に建てるかと言ってました。」
「カプリコーンの家はどんな家だったんですか?」
ギルとノーグが興味津々で聞いてきた。
「ボロ家だったな。」
「ボロ家でしたね。」
二人でしみじみ言った。
「最初は家のドアが傾いて開かなかったので家の前で野宿してました。」
「野宿…?家の前で?」
ギルとノーグは目が点になった。
「家の前にベッドマット敷いて寝てたんだと。しかも、エスカの水浴びを覗いたり、エスカに恋人と思われてなかったり、あのフィンが面白かったな。」
「る、ルディ、それくらいにして下さい。私も恥ずかしいですから。」
ギルとノーグは、あのフィン様が?と驚いていた。
「騎士団ではフィンは違いますか?」
「違いましたね、特に偉そうにすることもなく、浮いた噂もない俺達の憧れです。」
「エスカが初恋なんじゃないか?笑えるな。」
「今までいなかったんですか?」
フィンのことをもっと知りたく、ルディの話に興味津々だった。
「周りに言われて、渋々付き合ったことはあるが一度も好きになれなかったみたいだし、続いた女はいないな。」
ルディの話にフィンの気持ちは自分だけのものかと思うと、どこか嬉しくなった。
お茶のおかわりをしながら、ルディやギル、ノーグとカプリコーン村のあの家に行けたらと思っていた。
夜になり、やっとフィンが帰ってきた。
なんだかお疲れのようだった。
「夕食を一緒に出来なくてすまない。」
「ルディ達と食べました。フィン、大丈夫ですか?」
「風呂に入ったら今日はもう寝よう。」
珍しくフィンは服を脱ぎ散らかし、お風呂に行った。
凄く疲れたんだろう。
フィンの脱いだ服を片付け、寝る時に着ているTシャツなどをだし、ドア越しにフィンに声をかけた。
「フィン、着替えこちらに置いときますね。」
「持って来てくれないか?」
「…フィン裸ですよね。」
「もう出る。タオルを巻いているからきてくれ。」
おそるおそる入ると腰にタオルを巻き、濡れているフィンが立っていた。
「エスカ、ありがとう。助かるよ。」
「お疲れ様です。」
着替えを渡すとフィンの髪が水で滴り落ちた。
「エスカ、エスペラで出来る事は終わった。後はヘクトル様達エスペラの方々のするべき事になる。今回の事を忘れろとはいかないが、明日には国に帰り結婚式の話をしよう。」
「…わかりました。」
「悪いようにはならなかったから安心しろ。国ではないがエスペラの名前は残る。」
フィンが悪いようにはならないというならそうなんだろう。
「じゃあ先にベッドで待っていますね。なんだか今日はもう眠いです。」
「すぐに行くよ。」
エスペラで出来る事はもうない。
フィンの言うとおり、私達の結婚式の事を考えよう。
結婚したらフィンのお嫁さんになれる。
これからもずっと一緒にいたい。
そんな事を考えていたら、フィンが来る前に眠っていてしまった。
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