52 / 79
フィンの悩み
しおりを挟む
朝からフィンは悩んでいた。
何故エスカはすぐに眠るんだ。
今まで一緒の部屋で寝ていたとしても、一緒のベッドは初めてなんだが、いや何もしてないが、顔を赤くし緊張しているのかと思いきやすぐに眠るなんて、おかしくないか?
それとも俺が男と思ってないのか?
安心し過ぎだ。
だが、全く起きなさすぎじゃないか?
フィンは毎晩エスカが眠った後、手を握り眺めていたが今まで全く気付かれなかったのである。
その時、うーんとエスカが目覚めた。
「おはよう、エスカ。」
エスカにおはようと言うと、エスカはきゃあ、と顔を隠した。
さっきまで悩んでいたことを忘れたのか、俺はエスカの仕草が可愛いと思ってしまった。
「エスカ、おはようと言ってくれないのか?顔を出してくれ、」
シーツを少しずらすとエスカの可愛い顔が少しだけ出てきた。
「おはようございます。フィン。」
エスカが俺の腕の中でおはようと言ってくれるなんて、天にも昇る気分だった。
「エスカ、夕べはよく眠れたか?」
「は、はい、ぐっすりといつも通り眠れました。」
「いつも通り?」
「はい、よく眠れました。」
俺はまたさっきのことを考え出した。
エスカはごそごそと起き、すぐにお祈りしますね、と朝の準備を始めた。
祈りの後、朝食時思いきって聞いてみた。
「エスカ、何故すぐに寝るんだ。毎日疲れているのか?」
「…よくわかりません。」
「よくわからない?昔からなのか?」
「多分そうです。祈りが多い日や回復魔法を使った時は特に眠るのが早かった気がします。」
フィンは呆気にとられた。
「それは、聖なる力が関係あるんじゃないか!?」
「どうなんでしょう?」
何故呑気なんだ?このままだとエスカが倒れるかもしれない!?
「エスカ!」
「は、はい、なんでしょう?」
「食べたらすぐにヴィル司祭の元へ行くぞ!」
「何かご用があるんですか?」
エスカの呑気な様子にフィンは気が抜けそうだった。
何故エスカはすぐに眠るんだ。
今まで一緒の部屋で寝ていたとしても、一緒のベッドは初めてなんだが、いや何もしてないが、顔を赤くし緊張しているのかと思いきやすぐに眠るなんて、おかしくないか?
それとも俺が男と思ってないのか?
安心し過ぎだ。
だが、全く起きなさすぎじゃないか?
フィンは毎晩エスカが眠った後、手を握り眺めていたが今まで全く気付かれなかったのである。
その時、うーんとエスカが目覚めた。
「おはよう、エスカ。」
エスカにおはようと言うと、エスカはきゃあ、と顔を隠した。
さっきまで悩んでいたことを忘れたのか、俺はエスカの仕草が可愛いと思ってしまった。
「エスカ、おはようと言ってくれないのか?顔を出してくれ、」
シーツを少しずらすとエスカの可愛い顔が少しだけ出てきた。
「おはようございます。フィン。」
エスカが俺の腕の中でおはようと言ってくれるなんて、天にも昇る気分だった。
「エスカ、夕べはよく眠れたか?」
「は、はい、ぐっすりといつも通り眠れました。」
「いつも通り?」
「はい、よく眠れました。」
俺はまたさっきのことを考え出した。
エスカはごそごそと起き、すぐにお祈りしますね、と朝の準備を始めた。
祈りの後、朝食時思いきって聞いてみた。
「エスカ、何故すぐに寝るんだ。毎日疲れているのか?」
「…よくわかりません。」
「よくわからない?昔からなのか?」
「多分そうです。祈りが多い日や回復魔法を使った時は特に眠るのが早かった気がします。」
フィンは呆気にとられた。
「それは、聖なる力が関係あるんじゃないか!?」
「どうなんでしょう?」
何故呑気なんだ?このままだとエスカが倒れるかもしれない!?
「エスカ!」
「は、はい、なんでしょう?」
「食べたらすぐにヴィル司祭の元へ行くぞ!」
「何かご用があるんですか?」
エスカの呑気な様子にフィンは気が抜けそうだった。
1
お気に入りに追加
561
あなたにおすすめの小説
眼鏡をこよなく愛する人畜無害の貧乏令嬢です。この度、見習い衛生兵となりましたが軍医総監様がインテリ眼鏡なんてけしからんのです。
甘寧
恋愛
「……インテリ眼鏡とかここは天国か……?」
「は?」
シルヴィ・ベルナールの生家である男爵家は首皮一枚で何とか没落を免れている超絶貧乏令嬢だ。
そんなシルヴィが少しでも家の為にと働きに出た先が軍の衛生兵。
実はシルヴィは三度の飯より眼鏡が好きという生粋の眼鏡フェチ。
男女関係なく眼鏡をかけている者がいれば食い入るように眺めるのが日々の楽しみなのだが、この国の眼鏡率は低く人類全てが眼鏡をかければいいと真剣に願うほど信仰している。
そんな折出会ったのが、軍医施設の責任者兼軍医総監を務めるアルベール・ウィルム。
実はこの人、イケメンインテリア眼鏡だったりする。
見習い衛生兵として頑張るシルヴィだが、どうしてもアルベールの尻を追いかけてしまう。
更には色眼鏡の大佐が現れたり、片眼鏡のいけ好かない宰相様まで……
自分の恋心に気づかない総監様と推しは推しとして愛でたいシルヴィの恋の行方は……?
魔力なしと虐げられた令嬢は孤高の騎士団総長に甘やかされる
橋本彩里(Ayari)
恋愛
五歳で魔力なしと判定され魔力があって当たり前の貴族社会では恥ずかしいことだと蔑まれ、使用人のように扱われ物置部屋で生活をしていた伯爵家長女ミザリア。
十六歳になり、魔力なしの役立たずは出て行けと屋敷から追い出された。
途中騎士に助けられ、成り行きで王都騎士団寮、しかも総長のいる黒狼寮での家政婦として雇われることになった。
それぞれ訳ありの二人、総長とミザリアは周囲の助けもあってじわじわ距離が近づいていく。
命を狙われたり互いの事情やそれにまつわる事件が重なり、気づけば総長に過保護なほど甘やかされ溺愛され……。
孤高で寡黙な総長のまっすぐな甘やかしに溺れないようにとミザリアは今日も家政婦業に励みます!
※R15については暴力や血の出る表現が少々含まれますので保険としてつけています。
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
不能と噂される皇帝の後宮に放り込まれた姫は恩返しをする
矢野りと
恋愛
不能と噂される隣国の皇帝の後宮に、牛100頭と交換で送り込まれた貧乏小国の姫。
『なんでですか!せめて牛150頭と交換してほしかったですー』と叫んでいる。
『フンガァッ』と鼻息荒く女達の戦いの場に勢い込んで来てみれば、そこはまったりパラダイスだった…。
『なんか悪いですわね~♪』と三食昼寝付き生活を満喫する姫は自分の特技を活かして皇帝に恩返しすることに。
不能?な皇帝と勘違い姫の恋の行方はどうなるのか。
※設定はゆるいです。
※たくさん笑ってください♪
※お気に入り登録、感想有り難うございます♪執筆の励みにしております!
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
死にたがり令嬢が笑う日まで。
ふまさ
恋愛
「これだけは、覚えておいてほしい。わたしが心から信用するのも、愛しているのも、カイラだけだ。この先、それだけは、変わることはない」
真剣な表情で言い放つアラスターの隣で、肩を抱かれたカイラは、突然のことに驚いてはいたが、同時に、嬉しそうに頬を緩めていた。二人の目の前に立つニアが、はい、と無表情で呟く。
正直、どうでもよかった。
ニアの望みは、物心ついたころから、たった一つだけだったから。もとより、なにも期待などしてない。
──ああ。眠るように、穏やかに死ねたらなあ。
吹き抜けの天井を仰ぐ。お腹が、ぐうっとなった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる