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一つのベッド

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夜会も終わり早々に部屋に帰り、フィンに話した。

「陛下や王族の方々は皆優しかったですね。」
「叔父上もアルベルト達も皆気さくな感じだな。いつもあの調子だ。」

フィンは上着を脱ぎながら話した。

「エスカ、またドレスを来てくれるか?」
「フィン?」
「凄く綺麗だったからまた着て欲しい。」

フィンは皆に堅物と言われていたのに、全然そんな感じはしなかった。

「私はフィンの姿の方が素敵だと思ったのですが。」

私の言葉にフィンは抱き寄せ、優しくキスをしてきた。

「フィン、恥ずかしいです。」
「誰も見てない。」
「まだ慣れません。」
「エスカが可愛いから離せない。」

フィンの言葉になんて返したらいいかわからず困ってしまった。

「エスカ、一緒にお祈りをして、今日は一緒に寝ないか?」
「いつも一緒ですよ?」
「…一つのベッドで寝たい。」
「ま、まだダメです!」
「…何もしないから、ダメか?」
「…双神様の光がまた降りたら、一緒に寝ます…」

フィンの誘いに顔があげられず、自分なりに精一杯言った。

そしてバルコニーで二人で並んで祈ると二人を包み込むように光が現れた。

祈りの後、フィンを見ると照れているのか少し赤く見えた。

「ベッドにいこう、エスカ。朝まで離したくない気分なんだ。」
「…フィン酔ってます?」
「酔ってないし、双神様の許可も出たと思うが。」

確かにフィンに光が降りた。
双神様は祝福してくださっている。
そう思っているとフィンは手を引き、ベッドに連れていった。

こんな時どうしていいかわからずにフィンに聞いてみた。

「エスカは俺の腕の中にいればいい。」

フィンのたくましい腕に抱かれ、優しい心臓の音を聞きながらすぐに眠りについた。
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