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溢れる魔力

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ドアの修理が終わり、ユリウス様は職人達がいなくなったのを確認すると、私をベッドに戻した。

窓の外を見ると職人達が帰って行く。
そして、入れ違いで誰かがやってきた。

馬車から降りてきた男は魔法師団の制服だ。

どうやらユリウス様を迎えに来たようだった。

「イーディス、少し行ってくる。すぐに戻るから待っていてくれ。」

そう言うとユリウス様は行ってしまった。

フワフワと浮かんだまま自分の寝顔を見ていると、何だか子憎たらしくなってきた。

はぁー、どうやったら起きるのかしら。

ユリウス様が行ってしまい部屋には誰もいない。

直したドアは前より豪華になっているし。

誰にも気付いてもらえない。
誰もいない。
こんなに寂しいものかと感じてしまった。

黒髪の彼はどこの誰かもわからない。
でも、彼は私の名前を聞いていたのに会いに来てもくれない。

ユリウス様だけが来てくれていた。

辛いわ…。
きっと私はこのままなのね。

私はまた涙を流してしまった。

私は眠っている体にもたれるように泣いていると、感情が溢れだしたようになった。

部屋の家具が魔力に呼応するように暴れだしたのだ。

幽体離脱したせいかきっと、魔力が元々溢れていたのだろう。

部屋の中は、さながらそれはポルターガイストのようだった。


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