101 / 148
第二章 レオンハルト編
番外編(バレンタインをしましょう 1 )
しおりを挟む
朝からオズワルド様に買い物に行けと追い出されるように馬車に乗せられた。
馬車の中で隣はマリオンが座り、向かいにはリンクスとウィルが座っている。
「リディア様、今日は何を買いますか?ブラッドフォードの店ならいつでも貸し切りに出来ますよ。」
リンクスが貸し切りは当然のように言ってきた。
「貸し切りはいいです。普通に買い物をします。」
別に私が行きたいと言ったわけじゃないし。
「オズワルド様は今日は何かあるのですか?」
「…少し用事をされるだけです。」
いつもなら買い物はオズワルド様が一緒なのに、今日は大事なご用なのかと思った。
街につくと、今日は人が多い。
あちこちから甘い焼き菓子やチョコレートの匂いがする。
周りを見るとバレンタイン一色で店では女の方々が楽しそうに買い物をしている。
そういえば、今日はバレンタインだったわ。
今まで殿方にバレンタインなんかしたことなく、街人の様子で実感した。
マリオンも楽しそうに見ている。
「マリオンはバレンタインをしたいの?」
「い、いえ、リディア様はオズワルド様にお買いにならないのですか?」
「オズワルド様はあんまりお菓子を食べているのを見たことないわ。」
オズワルド様は筋肉質ってわけじゃないけど、綺麗に引き締まった体だった。
間食もあまりしないし、コーヒーもブラックだ。
お菓子は食べないと思う。
しかし、バレンタインか。
オズワルド様ならあげたら喜ぶかもしれない。
初のバレンタインくらいしてもいいかもしれない。
「リンクスとウィルは待っててくれる?マリオンと行って来るわ。」
そして、マリオンと高級チョコレート菓子店に入った。
リンクスとウィルは店先で立っている。
店に入る人達はリンクス二人を見ながら入って来る。
私は要人じゃないんだけど!
そう思いながら、チョコレートを選んでいた。
マリオンも何故か選んでいる。
「マリオンは誰かにあげるの?」
一体誰に?
こんな乙女のマリオンは初めて見た。
「…じ、実はですね。…ウィルなんです。」
「…ウィル?」
いつの間に!?
「いつから!?」
「リディア様が行方不明になった後、ブラッドフォード邸に帰る前からお付き合いをっ…」
知らなかった。いつの間にか、マリオンにも相手がいたなんて!
しかもマリオン、可愛いわ。
「マリオン!買いましょう!チョコレートを沢山買いましょう!」
「一つでいいですよ!」
「今日は夜は私のことはいいわよ!ウィルとゆっくりして!」
「支度はします!」
私のことなんか今日くらいいいのに、と思うとマリオンは真っ赤な顔で何物考えているんですか。と困った顔になった。
「マリオン、」
「何でしょうか?」
「結婚しても私の侍女のままでいてね。」
「はい、勿論です。」
そして、チョコレートをそれぞれ買い店を出ると、リンクスが楽しそうでしたね、と言ってきた。
どうやら、店先で店内の私達の様子をずっと見ていたようだった。
馬車の中で隣はマリオンが座り、向かいにはリンクスとウィルが座っている。
「リディア様、今日は何を買いますか?ブラッドフォードの店ならいつでも貸し切りに出来ますよ。」
リンクスが貸し切りは当然のように言ってきた。
「貸し切りはいいです。普通に買い物をします。」
別に私が行きたいと言ったわけじゃないし。
「オズワルド様は今日は何かあるのですか?」
「…少し用事をされるだけです。」
いつもなら買い物はオズワルド様が一緒なのに、今日は大事なご用なのかと思った。
街につくと、今日は人が多い。
あちこちから甘い焼き菓子やチョコレートの匂いがする。
周りを見るとバレンタイン一色で店では女の方々が楽しそうに買い物をしている。
そういえば、今日はバレンタインだったわ。
今まで殿方にバレンタインなんかしたことなく、街人の様子で実感した。
マリオンも楽しそうに見ている。
「マリオンはバレンタインをしたいの?」
「い、いえ、リディア様はオズワルド様にお買いにならないのですか?」
「オズワルド様はあんまりお菓子を食べているのを見たことないわ。」
オズワルド様は筋肉質ってわけじゃないけど、綺麗に引き締まった体だった。
間食もあまりしないし、コーヒーもブラックだ。
お菓子は食べないと思う。
しかし、バレンタインか。
オズワルド様ならあげたら喜ぶかもしれない。
初のバレンタインくらいしてもいいかもしれない。
「リンクスとウィルは待っててくれる?マリオンと行って来るわ。」
そして、マリオンと高級チョコレート菓子店に入った。
リンクスとウィルは店先で立っている。
店に入る人達はリンクス二人を見ながら入って来る。
私は要人じゃないんだけど!
そう思いながら、チョコレートを選んでいた。
マリオンも何故か選んでいる。
「マリオンは誰かにあげるの?」
一体誰に?
こんな乙女のマリオンは初めて見た。
「…じ、実はですね。…ウィルなんです。」
「…ウィル?」
いつの間に!?
「いつから!?」
「リディア様が行方不明になった後、ブラッドフォード邸に帰る前からお付き合いをっ…」
知らなかった。いつの間にか、マリオンにも相手がいたなんて!
しかもマリオン、可愛いわ。
「マリオン!買いましょう!チョコレートを沢山買いましょう!」
「一つでいいですよ!」
「今日は夜は私のことはいいわよ!ウィルとゆっくりして!」
「支度はします!」
私のことなんか今日くらいいいのに、と思うとマリオンは真っ赤な顔で何物考えているんですか。と困った顔になった。
「マリオン、」
「何でしょうか?」
「結婚しても私の侍女のままでいてね。」
「はい、勿論です。」
そして、チョコレートをそれぞれ買い店を出ると、リンクスが楽しそうでしたね、と言ってきた。
どうやら、店先で店内の私達の様子をずっと見ていたようだった。
29
お気に入りに追加
5,842
あなたにおすすめの小説
これは未来に続く婚約破棄
茂栖 もす
恋愛
男爵令嬢ことインチキ令嬢と蔑まれている私、ミリア・ホーレンスと、そこそこ名門のレオナード・ロフィは婚約した。……1ヶ月という期間限定で。
1ヶ月後には、私は大っ嫌いな貴族社会を飛び出して、海外へ移住する。
レオンは、家督を弟に譲り長年片思いしている平民の女性と駆け落ちをする………予定だ。
そう、私達にとって、この婚約期間は、お互いの目的を達成させるための準備期間。
私達の間には、恋も愛もない。
あるのは共犯者という連帯意識と、互いの境遇を励まし合う友情があるだけ。
※別PNで他サイトにも重複投稿しています。
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ
春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。
エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!?
この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて…
しかも婚約を破棄されて毒殺?
わたくし、そんな未来はご免ですわ!
取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。
__________
※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。
読んでくださった皆様のお陰です!
本当にありがとうございました。
※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。
とても励みになっています!
※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。
今更ですか?結構です。
みん
恋愛
完結後に、“置き場”に後日談を投稿しています。
エルダイン辺境伯の長女フェリシティは、自国であるコルネリア王国の第一王子メルヴィルの5人居る婚約者候補の1人である。その婚約者候補5人の中でも幼い頃から仲が良かった為、フェリシティが婚約者になると思われていたが──。
え?今更ですか?誰もがそれを望んでいるとは思わないで下さい──と、フェリシティはニッコリ微笑んだ。
相変わらずのゆるふわ設定なので、優しく見てもらえると助かります。
第一王子は私(醜女姫)と婚姻解消したいらしい
麻竹
恋愛
第一王子は病に倒れた父王の命令で、隣国の第一王女と結婚させられることになっていた。
しかし第一王子には、幼馴染で将来を誓い合った恋人である侯爵令嬢がいた。
しかし父親である国王は、王子に「侯爵令嬢と、どうしても結婚したければ側妃にしろ」と突っぱねられてしまう。
第一王子は渋々この婚姻を承諾するのだが……しかし隣国から来た王女は、そんな王子の決断を後悔させるほどの人物だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる