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謝罪

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翌日の夜━━━。

クロード様と私の待つ邸へとアーヴィン様が一人でやって来た。

「…ハーヴィ伯爵様は?」
「父上は興奮しすぎで倒れました。すみません、私一人で。」
「だ、大丈夫なんですか?」
「兄は見張りつきでもう邸にいませんから、興奮する理由がありません。大丈夫でしょう。」

ハロルド様…家族会議で一体何をやっていたんですか。
アーヴィン様は微笑むようにケロッとしているし。

「アーヴィン、晩餐を準備している。一緒にどうだ?」

丁度夕食の時間だった為、ハーヴィ伯爵とアーヴィン様を誘うつもりで準備していたのだ。

「ありがとうございます。でも先に謝罪をさせて下さい。私と父上はお二人と敵対するつもりはありませんから。」

謝罪をと言われる為に、晩餐より先に居間に通すと、アーヴィン様は従者に運ばせたケースを出した。

「この度は兄ハロルドが多大なご迷惑をおかけしました。どうか許して頂きたい。こちらはラケル様への慰謝料とお二人への迷惑料です。」

「アーヴィン様が謝罪することでは…」
「兄は父上の後継者から外れました。私が次の爵位を継ぎますので、父上の名代も含め私が謝罪に来ました。」

まぁ、小作人になったのだから、そうだろうな、とは思った。

どんな転落劇だと思うほどだ。
数日前までは、次期伯爵として偉そうにして、高級オートクチュールまで行っていたのに。

「ハーヴィ伯爵家をお許し頂けますか?」
「問題はハロルドだ。伯爵家を潰すつもりはないですから。ハーヴィ伯爵家の謝罪は受け入れます。」

クロード様も私と同じ意見で、そう言ってくれた。

「寛大なお心に感謝致します。」

ハロルド様のことがなければハーヴィ伯爵家はまともだ。
私もよくしてもらっていた。
クロード様も年下のアーヴィン様には丁寧だし、きっと次期伯爵だと見据えているのだろう。

「では、晩餐をしようか。」

そして、三人で和やかな晩餐を楽しんだ。





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