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第三章

175話目

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「情報料? 通信費だけですよ」

「通信費?」

「情報の伝達料金です」

「今フルーツビールの作り方を検索? しましたが、その作り方を見たら開発者に料金が支払われるのですか?」

「これの開発者ではなく、この端末の回線の運営会社に支払われます」

「回線の運営会社?」

「はい。 回線会社じゃなく通信会社ですね、言葉を間違えました。 失礼致しました」

「それはどちらでも……仕組みがいまいち理解できません。 通信と回線は違うんですか?」

「えーっとですね……」

私もそこらへん良く分からないよ、だって通信料でお金払ってるんだもん。

「私も仕組みを理解してません、申し訳ありません」

「ふむ……製作者の秘密なんですね」

なんかイーノス様都合よく解釈してくれた?
あ、あっちでいう魔道具のレシピとかそういうのと混同して考えてくれたのかな? もしかして。
もういいや、そう言う事にしておこう。

「お役に立てず申し訳ありません」

「分かりました、ありがとうございます」

私とイーノス様の問答が落ち着いたら今度はオリヴィア様から続きの質問が来た。

「フルーツビールの作り方見てもいいかしら」

「はい、良いですよ」

オリヴィア様に見せたページには作り方が載っている。
私も良く知らなかったので一緒に学んでいった。

まずは種類、ビールの発酵後に果汁を入れて作る物とビールの発酵前に果実を入れる物がある。
前者はビールを果汁で割る感じで、カクテルとかサワーとかそんな感じなのかな? あ、ビアカクテルって書いてあった。
後者はビールのベース麦汁に果物を加える。
後者の説明を見るとなんだか美味しくなさそう……。 後者だとホップの苦みと加えた果物の苦みが足され、麦汁の糖度と果物の糖分が足され、そんでもって果物の酸味が足されるみたい。
ナニコレ、なんだかドリンクバーの全部混ぜみたい……。
その分美味しいものが出来た時の感動はひとしおだとか。 あっちの世界には時間経過の魔道具があるし、こっちの世界にない果物があるし、時間があるとき試してみても楽しそうかも。

それは置いておいて、オリヴィア様には前者の方が良いかもしれないなと思った。

「エールの作り方はこうなっているんですね。 私存じ上げません、とても勉強になりますね」

一緒に画面を覗き込んでいたオリヴィア様からそう感想が漏れた。

「……この知識の中にはウィスキーもあるのか?」

「ありますよ」

「……なるほどな」

アルフォート様からそう質問されたので返しておいた。 ウィスキーって確かオーフェンさんが作るって言ってたやつだよね。 やっぱり興味惹かれてたんだね。

そこから先はまたイーノス様からの怒涛の質問攻めにあい、それは深夜にまで及んだ。


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