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第三章
134話目
しおりを挟むお菓子作りでも読めなくて苦労してたもんね。 確かに翻訳してくれる人がいればこれから広める云々にあたってありがたい。 なんせ本は山ほどある。
「翻訳依頼出しちゃう!!」
「私達なら黙ってるけど……本の内容が広まっちゃうかもよ? それはいいの?」
それは考えてなかったな。
「そこら辺はおいおい考えようかな? とりあえずはレシピ本とか広まっても良い物をお願いするよ」
物作り系はオーフェンさんと相談して依頼すればいいかな。
「それなら分かった」
「依頼するにあたって料金はいくらぐらいが良いかな? 翻訳って言っても文字数にバラつきあるし……それと単価もページ数にするか文字数にするか……」
翻訳するといってもどうする? 画像を取り込んでそこに文字を打ち込む? それとも手書き?
画像を取り込むならスキャナーとプリンターもいるよね? 文字を入力するならパソコンも。 あ、電源もどうするか。 それは支給? 家に来てもらって作業してもらう? ってパソコンで入力した文字はこっちの文字になるの? あっちの文字? 写真とかはあった方が見やすいよね、文字だけだと分からないことも多いし。 うーむ……。
そんなことをぼそぼそ呟いていたら……
「なら……ギルドお休みの時に翻訳のための作業しようか? 桜の家にパソコンはある?」
「あるよ? プリンターはないけど……」
「じゃあプリンターを取り寄せてもらって、ネット環境ないから付属のやつでドライバーインストールしてもらって、私がスキャナーで取り込んで文字の所白く加工するよ。 後は手書きで文字を書けばいいんじゃないかな?」
「いいの?!」
「いいよいいよ。 私たちのお仕事のためでもあるもん!」
「ありがとう!! 時給ははずむよ!!」
「やったー!!」
「俺も手伝おうか?」
「高梨さんも手伝ってくれるの?! 感謝!!」
「いや、俺のためでもあるし……」
頭を下げたら高梨さんに苦笑いされた。
それから二人と話を詰めて、本の加工作業はギルドを通さずに仕事をすることになった。
こっちは一つのレシピに付き2000円。
しばらくは二人に来てもらって仕事の流れを共有し、大体流れが出来てきたら仕事用品一式を取り寄せて二人の家に設置することになった。
翻訳作業はギルドを通し、1つのレシピに付き500円になった。 本来の翻訳の仕事に対してだとかなり安くなるが、こっちの基準の金貨1枚で100円と考えるとこれくらいが妥当かなと話が付いた。 というか高くし過ぎるとこの仕事が出来ない他の人たちからやっかみが凄そうだ。
ギルドを通さずに仕事を出してもいいけど、それだと他の渡り人に対して仕事をお願いするときいちいち私が管理しなきゃいけなくて大変だ。
ギルドで依頼を出したら灯里が受け渡しとチェックをしてくれるらしい。
灯里に感謝したら逆に感謝された。
「いつも貰ってばっかりだったから恩返しできてうれしい」
それから文房具について話に花を咲かせ、夕方帰宅してから気づいた。
身体強化の方法聞くの忘れてた。
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