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第三章
132話目
しおりを挟む「っとそう言えばこの間の調査のことも聞きたいんだけど」
灯里の愚痴がひと段落ついたところを見計らって高梨さんが話題を変えた。
「そうそう! それで話があったんだった」
「調査? あぁ、スタンピードの依頼のやつ」
「あの酒場での話を聞いた限り今回の原因って……」
「酒場での話?」
「あぁ……うん。 マーカスさんって研究者の話を聞いたんだ。 魔獣が増える原因について研究してるらしい、その人が言うには魔獣は魔力で生まれるんじゃないかって言う説があるらしい。 ほらこっちに来る時に神様から魔力を持っていってって言われただろ? マーカスさんはあっちとこっちが繋がる時に魔力が流れてその副産物的作用で魔獣が増えるんじゃないかって言われたんだ」
「そうなんだ」
へーと冷たいお茶を飲みながら相槌を打つ灯里。
「それで今回の規模がな……」
そう言いつつこっちをじっと見てきたのでそっと視線を逸らした。
「おそらく……いや、その説だと私のせいかな? と思ったり思わなかったり……いやきっと私のせいです。 ごめんなさい」
「いや……使いまくった俺のせいでもあるんじゃないか?」
「え? なにな……あ!! カタログギフト!!」
「ご名答」
「私もいっぱいあっちに行っちゃった!!」
ことの重大さに気づいて焦る灯里。
「落ち着いて落ち着いて、大丈夫その件は終わったから」
「なんで桜は落ち着いてるの?!」
「それは……領主に自白してきたからさ」
そう告げ思わず遠い目になってしまう。
「「は? ……は??!!」」
いつの間にそんな展開にと驚く二人。
「それで影響を一緒に検証することになったの。 だからしばらくあっちの世界に連れてくことができないんだ……ごめんね」
「い……いやいや、良いよ良いよ! 元々行き来できなかったんだし、行けてラッキーだっただけだし」
「こっちは気にしなくて良いけど……大丈夫だったのか?」
「うん。 とりあえずあっちに強制送還は無さそう? あっちの世界に興味はありそうだったから」
「なら良かった」
私の話を聞いて胸を撫で下ろす二人。
二人とも慌ててたけど巻き込んだのは私だからねと苦笑してしまった。
「ところで」
二人とも飲み物で喉を潤すのを見計らって次の話題に入った。
「そういえば......領主からこの街で円の使用許可貰っちゃった」
「円の使用許可? こっちで?」
「そんなの何に使うんだ?」
二人とも不思議そうにこちらを見ている。
「えへへ……円であっちの物を売ろうかと思いまして」
「こっちのお金じゃ無くあっちのお金で?」
「うん! ……それで商品を一緒に考えて貰えないかな?」
オーフェンさんとの話でアンケートを取るって言ってたけど二人にも協力してもらいたい。
「「!! もちろん!!」」
二人は満面の笑みで了承してくれた。
「ありがとう。 ……それでまず金額は100円に付き金貨1枚って決定してるんだ。 商業ギルドで金貨と円の交換をしてくれることになってる、一日あたりの商業ギルドの円の交換限度と一人あたりの1日の交換限度もありって決めてる、販売場所も商業ギルド。 今決まってるのはこんな所かな? 品物はアンケート取ろうってオーフェンさんと話してたんだ。 二人は何か欲しいものある?」
「「ある!!」」
二人からそろって力強い返事がきた。
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