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第二章
90話目 連絡
しおりを挟む翌日
今日はクイナさんとイリスさんがカフェで時間を潰している。
倉敷さん達も一緒にネーアの街に行くらしい。
急ぐ旅でもないし一緒に行くことになった。
それに伴い依頼をこなしたのだが貴族向けの納品がまだ終わってないのだ。
完成しましたと言う報告を商業ギルドに行い、商業ギルドから貴族へ連絡、都合の良い日を指定されその日に商業ギルドの役員と一緒に赴き納品するらしい。
貴族へ納品するにあたって数日待ち時間が発生するとか……貴族らしいね。
と言うことで今日は魔道具作りを見学しに来ていた。
王都の見学よりもレシピ産の魔道具に興味を惹かれた為だ。
相良さんは菅井さんと共に商業ギルドで素材の仕入れに行っている。
今部屋に居るのは倉敷さん、マッヘンさんと私だ。
「今日は試しに通信の魔道具を作る」
「携帯電話ですか? 作れるんですか? と言うか今までなかったの?」
「大型のは有るのう。値が張るから貴族や金が有る大きな領のギルドには設置されとる筈じゃ」
マッヘンさんが説明してくれた。
確かにSランクの冒険者の処分について結論出たの早かったもんね。
「レシピはあったが魔力が足らなかった。 桜が出してくれたアレで回復したから作れる様になったんだ」
「そうなんですか」
「魔道具を作るのか!」
マッヘンさんはこれからレシピ産の魔道具漬けの毎日に心を躍らせたみたいで寝れなかったらしい。 遠足前の小学生か。
「材料は魔石以外何一つとして無いが魔力でごり押しする」
「おー!」
レシピの用紙の上に魔石を置き魔力を流す。
錬成陣が浮き出て中から繊細な装飾が施された二対のイヤーカーフが出てきた。
「ほい」
「はい?」
「1銭」
「あ……! はい」
倉敷さんにイヤーカーフを渡されお金を催促された。
マッヘンさんはソワソワしてる。
お金を渡すと魔法を使いを出して倉敷さんに渡した。
「これ作るのに魔力650万使用したから使ってみるか」
どうやって使うんだろう?
倉敷さんは一つを耳に着けもう一つをマッヘンさんの耳に着けた。
その足でマッヘンさんを別の部屋に追いやった。
「……どれどれ? 爺さん聞こえるか?」
倉敷さんがそう言った後に扉の向こうから
ひょあ!!
と言うマッヘンさんの野太い奇声が聞こえた。
倉敷さんは耳を押さえた。
「どうしたんですか?」
「……声量デカ過ぎ」
ひょあ!!
また倉敷さんは耳を押さえた。
イヤーカーフを取ると扉の向こうに居るマッヘンさんの元へと歩いて行った。
「ジジイ!! 鼓膜破る気か!!」
「こそばゆくてのう……すまんすまん」
マッヘンさんも耳からイヤーカーフを取り外し倉敷さんへ渡した。
「声量調整が必要だな……爺さん改良出来るか?」
「よしきた! 任せんしゃい」
魔法でイヤーカーフを出しマッヘンさんに渡した。
受け取ったマッヘンさんは小躍りしそうな足取りで早速解析を始めた。
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