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26 恋人が紳士的過ぎる件 (※R18描写あり)

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人はいい匂いだと思う相手とは遺伝子レベルで相性が良いのだと聞いた事がある。
その最たる例がαとΩの関係性なんだろうとは容易に考えが行き着いたが、となれば俺は真田だけでなく名城とも間違いなく相性が良いって事なんだろう。





名城の胡座に乗せられて岩風呂に浸かる。
はっきり言って、もう温泉を楽しむどころではないんだが。それは名城も同じ筈だ。
その証拠に、俺の尻には屹立した名城のペニスが当たっているし、後ろから耳元に不規則な息遣いが聞こえる。
これ、かなり抑えてるんだろうな、という感じの。

首の後ろから肩、肩甲骨と名城の唇が吸い付く。
それにいちいちビクついて感じてしまうのは仕方ない。
今の俺は全身が性感帯になりかけていて、自分の前だって、何か刺激でも与えられようものなら瞬時に気をやってしまいそうなのだ。

名城の手が俺の腹と胸に回っていて、長い指が乳首を掠める。その度に息を詰めたり、吐息混じりに喘いでしまう。名城め。偶然なのか故意なのか…。

「咲太さん、流してもどんどん匂い、溢れて来てるよ。」

「そ、んな事、言ったって…あ…、」

首筋を食まれた。
甘噛みが痺れる程の快感だ。

だめ、イきそう…。

噛まれた場所に鬱血痕を付けるように強く吸われて、その刺激だけで俺はカチカチに昂っていたペニスを解放してしまった。触りもせずに。

湯の中に散ってそれぞれに凝固する白濁に一気に羞恥心が高まる。
それを手で捕らえようとする名城の意図がわからない。
いやほんとに何で?空気読んで。
本人は楽しそうだけど、排出した側からすると、やめて欲しい。

射精した後から、徐々に後ろも濡れて来てる感覚がある。
Ωとしての受け入れ準備なんだろうか。

ぐたり、脱力して名城に寄りかかると、名城は俺を抱き上げてザバッと湯から立ち上がった。

「…そろそろあがりましょう。」

「……ん。」

助かった。あのままだとのぼせそうだった。

名城は俺を背もたれのある椅子に座らせて、バスタオルで髪や体を拭いてくれる。
その合間に頬や唇にキスを降らせてくるので、 擽ったくて仕方ない。
だから俺もやり返したのに、名城が本気のキスをしてきた。
名城だって湯にも浸かったのにすごい匂いだ。
どんどん甘く濃くなっていく。溺れそう。

ベッドに運ばれて、早々に濃厚なキスをされる。

首筋に、鎖骨に、乳首に、名城の唇は吸い付いてくる。 
舌の滑りに勃ち上がる胸の突起。

「……ぁ…、」

「我慢しないで。どうせ誰もいない。」

そんな事言われたって、名城はいるじゃん…。

そう思うのに、俺達以外には誰もいないという事が俺を大胆にさせる。
だってこんなに気持ち良い。


「あ、あっ、そこ、すき……」

「どこ?ここ?」

名城の弾力のあるあたたかい唇に乳首を吸われて、腰が浮く。

「あ!あ、ん…ッ」

堪らない気持ちになって腰をうねらせると、名城の喉が上下した。

「…咲太さん、やらしい…。」

名城は俺の膝を割り、脚の間に入って胸を弄り出した。
長い指が両方の突起をくりくりと摘む。捻る、押し潰すように。

「や、あぁッ!!同時、やだって…、」

「嘘。ちょっと痛いくらいの方が気持ち良い癖に。」

名城はそう言って薄く笑いながら、硬度を取り戻しかけている俺のペニスに目をやる。
早くも知られている、俺がどうしたら感じるのか。

もっと気持ち良くされたい。
もっと気持ち良くなりたい。

そればかりに頭が支配され出す。きっと名城の匂いのせいだ。
この、鼻と頭を犯す匂いが俺を雌にしていくんだ。
だから俺は悪くない。
どんなに淫らになったって、悪くないんだ。


「…はやく、おねがい、はやく…」

口調が舌っ足らずになっているのがわかる。これじゃ甘えてるみたいじゃないか、大の男のこんな痴態に、名城は引いてないだろうか。

「……咲太さん、咲太さん、可愛い…。」

熱に浮かされたように俺の内股に吸い付いている名城を見て、どうやらその心配は無さそうだと安心する。
そうなってくると、今度はますますもどかしくなってくる。
だって俺の後ろはもう……


「……あ!!」

「濡れてる…。」

何時の間にか俺の両足は名城の肩に抱え上げられて、俺のアナルにはその熱い息がかかって、堪らない気持ちになる。もどかしい。

「小さい…挿入るかな、俺の。」

そう言いながら肛門に舌を這わされ、小さく悲鳴を上げてしまう。
何これ、何だよこれ…。
うねうねとアナルを舐める熱い舌が、中に差し込まれてくる。堪らない。
ひくっ、と喉が反った。

「中から出てくるよ、たくさん。美味しい。」

「な、ん……っ」

そうか、交合の為の潤滑液が分泌されているから、名城はそれを舐めているんだ。
濡れている、から。

恥ずかしい。

俺の体は完全にΩになっているんだから、当たり前なのに今更ながら恥ずかしい。
恥ずかしいのに、気持ち良いって何だ。

指が差し入れられる。それは俺の反応を見ながら徐々に増やされた。
自分だって我慢できないほどペニスを張りつめさせてる癖に、名城は何処迄も俺優先だ。

「なしろ、なしろ…おねがい、イキたい、いれて、いれて……」

だから俺は、ぎこちなく強請る。

早くお前と、ひとつになりたくて。


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