「運命の番」だと胸を張って言えるまで

黎明まりあ

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第6章 王宮生活<帰還編>

91、貞淑(ていしゅく)の証明<中>※

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 最初にねらわれたのは左胸の突起とっきぶつだった。
 シルヴィス様は大きく口を開け乳輪にゅうりんごと口にふくむと、舌を小刻こきざみに動かして僕の左乳首の表面を刺激する。
 同時に左手の親指と人差し指で、僕の右側の乳首をキュッとつまみ上げた。

「ああっ……んっ」

 どちらか1つを刺激されてもただでさえ敏感びんかんな場所なのに、2つ同時に攻められると声と上半身がね上がる。
 そんな僕の反応を気にもせず、砂漠の真ん中で水を求める旅人のように、シルヴィス様は僕の左乳首を熱心に吸い上げ、右乳首は強弱の緩急かんきゅうをつけ、摘み続けた。

「ううっ……うんっ」

 さざなみだった快感が乳首を吸い上げられる度に、段々と大きなうねりになる。
 僕にはそんなつもりはなかったが、はたから見ると、快楽の波に合わせて 強請ねだるように、胸をき出していた。
 シルヴィス様が左胸から顔を上げられる気配けはいがしたので、僕は荒い息をきながらも、そちらに視線を向けると、やっと甘い攻めから解放された左乳首が真っ赤にれ、ぬらりと湿しめって立ち上がっているのが目に入る。

そそるな……」

 シルヴィス様もどうやら同じ場所を見てたみたいで、ボソッとそうつぶやかれた。

 次の標的は左のようにれてはいないが、ずっと摘まれていた紅色に染まった右乳首で、シルヴィス様は舌中央の広い面積部分で、何度もベロリとめ上げる。
 その後は舌先で時計回りに僕の右乳首を舐め回し、最後にチュッと吸い上げた……その間れそぼった左乳首は、シルヴィス様の右人差し指で、ほんの少し爪があたるようにカリカリとかれ続けた。
 新たな刺激に体温は急激に上がり、たまらず僕は声を上げた。

「わゎっわぁ……ん」

 おそいかかる快感を何とかのがそうと僕は首を小さく左右に振るが、右乳首はさらに舌先でレロレロと舐め回され、左乳首を掻く速度はもっと速くなる。
 僕はシルヴィス様に、思わず懇願こんがんした。

「もぅ……ダメぇ……っつ」

「何がダメなんだ?
 まだ始まったばかりだぞ?」

 胸元から顔を上げて、少し笑いを含む声でシルヴィス様はそう言うと、右手で僕のものをいきなり握り締め、少し強めにしごき上げる。

「うわぁ……あぁっ!」

 ただでさえ僕はヒートの最中さなかにいて快楽に弱いのに、シルヴィス様は容赦ようしゃなく、集中的な愛撫あいぶを開始した。
  
 僕のソコはシルヴィス様からの口内と胸での愛撫で、すでに体液であふれかえっている。
 しかしシルヴィス様は躊躇ためらいもなく、むしろそれを利用するかのように、ニュチャ、ジュッチャとわざと音をひびかせて、僕のものを扱く速度を加速させた。

 もうほとんどの意識をヒートに支配されている僕は、シルヴィス様が与えてくれる快楽に対して、恥じらいという抑制よくせいぎ捨て、率直そっちょくな感想を口にする。

「やあァン……うわぁ……ン……気持ち……イイっ」

 そんなき出しの僕を待っていたかのように、シルヴィス様は僕の右耳に唇を寄せると、息をきかけながら、こう言われた。

扇状せんじょう的なこの姿を、アルフにも見せたのか?」

 まさに快楽の階段をけ上がっていた僕は、シルヴィス様のこの問いに、最下位まで引きり下ろされる。
 僕の意識は平常へいじょうに引き戻されつつあるが、シルヴィス様の手は動かし続けたままだったので、僕の身体からだはまだ、快楽の只中ただなか続けた。
 この逆方向の感覚を上手く処理できず混乱が生まれるが、僕の本能は必死に否定の言葉をつむぐ。

「みっ……見せて……ません」

「セリムには?」

 やっと答えたのに、間髪かんぱつ入れずに次の尋問じんもんがなされた。
 だがシルヴィス様は僕の答えを待たずに、舌先をとがらせて、僕の耳穴じけつをネロネロと舐め回す。
 ジュク、ジャックという聴覚ちょうかくからの刺激と、ニュチャ、ネチャッという股間こかんからの重複じゅうふく刺激に僕はもはや声が出せず、首を左右、横へと振るだけだ。

「それだけじゃ、分からない。
 レン、ちゃんとオレの目を見て、言葉にして教えてくれ」

 シルヴィス様は少し上体じょうたいを起こしてそう僕に指示を出すと、ご自身の右手は、まだ僕のものを上下へ規則きそく的にり上げる一方、シーツをつかみ続けている僕の右手を、シルヴィス様は左手でとらえて僕の目の前に持ってくると、見せつけるかのように、僕の右人差し指をゆっくりと口内にくわえこむ。

 追加された視覚しかくによる暴力的快楽に、僕は頭がクラクラしてきた。

 あ~っ、ダメだ、持たないかも!
 絶頂ぜっちょうがすぐソコまでキテる!!

 そんな切羽せっぱまった僕の事情など構うことなく、シルヴィス様は咥え込んだ僕の右人差し指を、これまたゆっくりと口内から引き出すと、順番とばかりに、次は隣の右中指を舌を突き出しながら舐め上げる。

「つっ……うぅう……っん」

 視界が真っ白になり、声もみ込んだ僕を、シルヴィス様は冷静な目で見つめながら、再度回答を催促さいそくした。

「レン、答えは?」

 出口のない快楽をどうにかして欲しくて、僕はかすれ声で簡潔に答える。

「見せ…て…ない……」

「そうか」

 シルヴィス様は静かにそう相槌あいづちを打たれると、相変わらず僕を見つめたまま、僕の右人差し指と中指の付け根の間をチロチロと舌先で舐め続け、同時に僕のものを包んでいる右手を高速で上下に動かした。

「うわぁああぁぁ~っつ」

 容赦ない追撃ついげきに僕は呆気あっけなく陥落かんらくし……四肢ししらせながら、シルヴィス様の右手に快楽のしるしき出した。
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