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第4章 王宮生活<大祭準備編>
45、正式なお茶会<中>
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王妃様から「歓迎」という言葉を頂いた僕は、詰めていた息を少しだけ吐き出し、簡潔に自己紹介を行った。
「シルヴィス妃レンヤードと申します。
王妃様の寛大な御心に感謝いたします。
至らぬ点は多々あるとは思いますが、本日はどうかよろしくお願いいたします」
僕はそう言い終えると、改めて礼を取った。
「丁寧な挨拶をありがとう、レンヤード。
レイラ様もいらっしゃるし、ここで立ち話もなんだから、席へ案内するわ」
王妃様がそう言われると、控えていた侍女たちが一斉に出てきて、席に案内される。
室内だけでも結構な侍女の数だ。
どうりでレイラ様が、シルヴィス宮を訪れて驚かれる訳だ。
僕は、胃がキリキリしてきたが、ここで顔を顰めることはできない。
頬が少しピクピクしてきたが、なるべく笑顔を保つように努めた。
そんな中で、王妃様のお茶会は粛々と進行していく。
席次は、主賓となるレイラ様を囲む形で、レイラ様の左隣が王妃様、右隣が僕、王妃様の左隣が顔立ちがハッキリとした、華やかな印象の美女、僕の右隣は、多分僕より年下であろう、非常に可愛らしい印象の美少女が着席した。
「今回の茶会は、もうすぐ行われる神祭の進捗状況の確認を行うわ。
既に役割分担を振り終え、準備も終盤に差し掛かっているとはいえ、今後のことを考えたら、レンヤードもこの準備にぜひ参加してもらいたいと私は思っているの。
2人ともそれでいいかしら?」
開始早々、レイラ様から忠告されていたことが、さっそく起こった。
僕はレイラ様の慧眼に深く感謝する。
そうでなければ、僕はみっともなく動揺を露わにして……自分の立場を顧みず、王妃様の申し出を固辞していたからだ。
王妃様より問われたお2人は、揃って返事をされる。
「「はい、王妃様」」
「2人とも同意してくれてありがとう。
あら、私ったら!
レンヤードに、まだ2人の紹介をしていなかったわ。
では、ローサからお願いできるかしら?」
はい、と返事して、王妃様の左隣に座っていた、華やかな印象の美女が挨拶のため、席を立った。
「レンヤード様、初めまして。
シルヴィス様のすぐ下の弟君にあたり、かつて第8王子であったナラヴィスの妃、ローサと申します。
以後お見知りおきを」
そう挨拶されると、ローサ様はお手本のような礼をされた。
ローサ様といえば、サラの主人だよな……さすがだ
立ち振る舞いはもちろん、サラが絶賛したように、流行に疎い僕でさえ、頭の先から足元に至るまで、洗練された装いであると感じられる。
確かに……僕とは別格だ
そう心で呟いたせいであろうか、僕はつい頭を深くさげながら、こちらこそよろしくお願いします、と返してしまった。
「レンヤード、そなたのほうが、ローサより立場が上なのだ。
そんなに簡単に頭を下げるではない」
すかさず、隣のレイラ様から僕に指導が入り、室内から細波のようにクスクスと笑い声が起こった。
「そうですよ、レンヤード様、私よりレンヤード様のほうが立場が上なのです。
名も呼び捨てて構いません。
私のほうこそ、ご指導願いますわ」
完璧な礼を解きながら、ローサは皆と同じようにクスッと笑いながら、僕にそう言った。
「不慣れで申し訳ない……これからもよろしく頼むよ、ローサ」
顔を上げて改めて僕は告げると、ローサは笑みを深くして返事をしてくれた。
「かしこまりました、レンヤード様」
冴えざえとした目で僕を見つめ返しながら。
「シルヴィス妃レンヤードと申します。
王妃様の寛大な御心に感謝いたします。
至らぬ点は多々あるとは思いますが、本日はどうかよろしくお願いいたします」
僕はそう言い終えると、改めて礼を取った。
「丁寧な挨拶をありがとう、レンヤード。
レイラ様もいらっしゃるし、ここで立ち話もなんだから、席へ案内するわ」
王妃様がそう言われると、控えていた侍女たちが一斉に出てきて、席に案内される。
室内だけでも結構な侍女の数だ。
どうりでレイラ様が、シルヴィス宮を訪れて驚かれる訳だ。
僕は、胃がキリキリしてきたが、ここで顔を顰めることはできない。
頬が少しピクピクしてきたが、なるべく笑顔を保つように努めた。
そんな中で、王妃様のお茶会は粛々と進行していく。
席次は、主賓となるレイラ様を囲む形で、レイラ様の左隣が王妃様、右隣が僕、王妃様の左隣が顔立ちがハッキリとした、華やかな印象の美女、僕の右隣は、多分僕より年下であろう、非常に可愛らしい印象の美少女が着席した。
「今回の茶会は、もうすぐ行われる神祭の進捗状況の確認を行うわ。
既に役割分担を振り終え、準備も終盤に差し掛かっているとはいえ、今後のことを考えたら、レンヤードもこの準備にぜひ参加してもらいたいと私は思っているの。
2人ともそれでいいかしら?」
開始早々、レイラ様から忠告されていたことが、さっそく起こった。
僕はレイラ様の慧眼に深く感謝する。
そうでなければ、僕はみっともなく動揺を露わにして……自分の立場を顧みず、王妃様の申し出を固辞していたからだ。
王妃様より問われたお2人は、揃って返事をされる。
「「はい、王妃様」」
「2人とも同意してくれてありがとう。
あら、私ったら!
レンヤードに、まだ2人の紹介をしていなかったわ。
では、ローサからお願いできるかしら?」
はい、と返事して、王妃様の左隣に座っていた、華やかな印象の美女が挨拶のため、席を立った。
「レンヤード様、初めまして。
シルヴィス様のすぐ下の弟君にあたり、かつて第8王子であったナラヴィスの妃、ローサと申します。
以後お見知りおきを」
そう挨拶されると、ローサ様はお手本のような礼をされた。
ローサ様といえば、サラの主人だよな……さすがだ
立ち振る舞いはもちろん、サラが絶賛したように、流行に疎い僕でさえ、頭の先から足元に至るまで、洗練された装いであると感じられる。
確かに……僕とは別格だ
そう心で呟いたせいであろうか、僕はつい頭を深くさげながら、こちらこそよろしくお願いします、と返してしまった。
「レンヤード、そなたのほうが、ローサより立場が上なのだ。
そんなに簡単に頭を下げるではない」
すかさず、隣のレイラ様から僕に指導が入り、室内から細波のようにクスクスと笑い声が起こった。
「そうですよ、レンヤード様、私よりレンヤード様のほうが立場が上なのです。
名も呼び捨てて構いません。
私のほうこそ、ご指導願いますわ」
完璧な礼を解きながら、ローサは皆と同じようにクスッと笑いながら、僕にそう言った。
「不慣れで申し訳ない……これからもよろしく頼むよ、ローサ」
顔を上げて改めて僕は告げると、ローサは笑みを深くして返事をしてくれた。
「かしこまりました、レンヤード様」
冴えざえとした目で僕を見つめ返しながら。
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