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24話
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Side 六道
ワタシはいつだって鳥籠の中の人間。
自由なんてとうの昔に無いことを知った。
トップクラスの裏社会の組織『六道』の一人娘に生まれたワタシの運命は生まれる前から決まっていたのかもしれない。
お父様は男の子が欲しかったみたい。
でも、ワタシしか生まれなかった。
だったら後継ぎはワタシ……ではない。
簡単に言うと、お父様が決めた相手が後継ぎらしい。
生まれた瞬間から、半ば刷り込みのように言われてきた言葉。
「お前は六道の発展のために尽力しなければいけない」
この言葉のせいで、ワタシは多くの手に入れるはずだったものを失った。
毎日の厳しい勉強。
習い事に、教養。
更には友達付き合いなども制限された。
当然恋人もだ。
将来のビジョンにそんな浅はかな関係など無駄でしかない。
とお父様は言った。
ワタシはずっとそれに従った。
……でも、それが本当に正しいのか。
そんなことを思い始めたのは中学二年生の頃。
絶えない争い。
暴力や犯罪行為の横行。
こんなことを人間がしていいの? と。
次第にその思いは強くなっていった。
なぜ、どうして、という疑問から始まり、疑問から疑惑、疑惑から否定の感情へと移った。
そうして、ワタシは密かに行動をした。
それは……お父様を当主から引きずり落としてワタシが変えるために。
人間として正しくありたい。
そんな当たり前のことができない腐ったやつらをまとめて粛正するために。
目的のためなら、ワタシは修羅にでもなろう。
そして、ワタシは日々努力を重ねた。
遂にお父様に有用さをアピールしたかいがあり、当主を交代させることができた。
曰く、結婚させることが勿体ないだとか。
人の価値を推し量るな。
だが、どのみち権力を固めるためには、ワタシだけの武器。
女という武器を使って結婚するしか道はない。
最初から相手は決まっていた。
『六道』と双璧を為す、『天笠』だ。
暴力を余り好まないことからワタシは目を付けていた。
そして、当主には孫がいるらしい。
しかも、ワタシの一個下だ。
だからワタシは試すことにした。
当主の代替わりは各当主のみに伝えられ、そこから構成員に伝達される、という特性を使い、先に『天笠』の当主に接近。
条件付きでの和平の提案をし、孫にはワタシが当主だということを伝えるな、と言った。
ワタシが求めたのは、単に許嫁の破棄だけではない。
ワタシに縛り付けられている鎖を取っ払えるような人間。
運命という鎖から脱出できる人が良かった。
結果は大成功。
求める人、いや、それ以上だった。
人を案じ、寄り添え、思考は一般的で正義感が強い。
狭山 渚という男はそういう少年だった。
頭もキレるし、能力的にも申し分はない。
ワタシは試練だったと伝えたあと、冗談のように……半分本気だったが、許嫁の再提案をしたが、やんわり、だが確固たる意思で断られてしまった。
ワタシは益々彼に興味を抱いてしまった。
ワタシは絶対に彼を手に入れる。
ワタシの目的のためには彼が絶対に必要なのだから。
ワタシはいつだって鳥籠の中の人間。
自由なんてとうの昔に無いことを知った。
トップクラスの裏社会の組織『六道』の一人娘に生まれたワタシの運命は生まれる前から決まっていたのかもしれない。
お父様は男の子が欲しかったみたい。
でも、ワタシしか生まれなかった。
だったら後継ぎはワタシ……ではない。
簡単に言うと、お父様が決めた相手が後継ぎらしい。
生まれた瞬間から、半ば刷り込みのように言われてきた言葉。
「お前は六道の発展のために尽力しなければいけない」
この言葉のせいで、ワタシは多くの手に入れるはずだったものを失った。
毎日の厳しい勉強。
習い事に、教養。
更には友達付き合いなども制限された。
当然恋人もだ。
将来のビジョンにそんな浅はかな関係など無駄でしかない。
とお父様は言った。
ワタシはずっとそれに従った。
……でも、それが本当に正しいのか。
そんなことを思い始めたのは中学二年生の頃。
絶えない争い。
暴力や犯罪行為の横行。
こんなことを人間がしていいの? と。
次第にその思いは強くなっていった。
なぜ、どうして、という疑問から始まり、疑問から疑惑、疑惑から否定の感情へと移った。
そうして、ワタシは密かに行動をした。
それは……お父様を当主から引きずり落としてワタシが変えるために。
人間として正しくありたい。
そんな当たり前のことができない腐ったやつらをまとめて粛正するために。
目的のためなら、ワタシは修羅にでもなろう。
そして、ワタシは日々努力を重ねた。
遂にお父様に有用さをアピールしたかいがあり、当主を交代させることができた。
曰く、結婚させることが勿体ないだとか。
人の価値を推し量るな。
だが、どのみち権力を固めるためには、ワタシだけの武器。
女という武器を使って結婚するしか道はない。
最初から相手は決まっていた。
『六道』と双璧を為す、『天笠』だ。
暴力を余り好まないことからワタシは目を付けていた。
そして、当主には孫がいるらしい。
しかも、ワタシの一個下だ。
だからワタシは試すことにした。
当主の代替わりは各当主のみに伝えられ、そこから構成員に伝達される、という特性を使い、先に『天笠』の当主に接近。
条件付きでの和平の提案をし、孫にはワタシが当主だということを伝えるな、と言った。
ワタシが求めたのは、単に許嫁の破棄だけではない。
ワタシに縛り付けられている鎖を取っ払えるような人間。
運命という鎖から脱出できる人が良かった。
結果は大成功。
求める人、いや、それ以上だった。
人を案じ、寄り添え、思考は一般的で正義感が強い。
狭山 渚という男はそういう少年だった。
頭もキレるし、能力的にも申し分はない。
ワタシは試練だったと伝えたあと、冗談のように……半分本気だったが、許嫁の再提案をしたが、やんわり、だが確固たる意思で断られてしまった。
ワタシは益々彼に興味を抱いてしまった。
ワタシは絶対に彼を手に入れる。
ワタシの目的のためには彼が絶対に必要なのだから。
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