命の糸

「私は生きていていいんだと、教えてください」

私はなんで生きてるんだろう。
生きることが、こんなにも苦しいなんて。

だけど、たった一人だけ。
私を救ってくれるかもしれない人がいる。
いつか、あの人が。
雨雲のように暗く重い闇に包まれたこの日常から、私を逃してくれるかもしれない。



少女が向き合う絶望に彩られた現実と、祈りにも似た微かな希望。

梅雨の明けた、真夏日の午後。
儚い命の糸は、紡がれるその時を静かに待っていた。



イラスト:まかろんK様(@macaronk1120)
24h.ポイント 0pt
1
小説 192,184 位 / 192,184件 現代文学 8,166 位 / 8,166件

あなたにおすすめの小説

John Doe
現代文学
狭い世界での自分語り、多分貴方もこんな者… 不定期更新です

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

荒んだ心を慰める

小春かぜね
現代文学
ほっこりやじんわりする様な短編集です。 1話タイプの読み切り型です。

冬の水葬

束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。 凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。 高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。 美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた―― けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。 ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。

冬木シオリ・アジタート -喫茶探偵物語余話-

きよし
現代文学
ある日の昼下がり、「喫茶探偵物『四季』」を窺う者が現れた。 問題児たちは、それぞれがそれぞれの方法で接触を試みる。 窺う者とは何者なのか。 目的はなんなのか。 そして物語は、意外な結末を迎える。 拙作長編「初夏の練習曲《エチュード》」から、「喫茶探偵物語余話」としての短編です。 お口に合えば幸甚です。

ふわ・ふわ

深町珠
現代文学
やさしい、かわいい、たのしい、あかるい、うれしい、ふんわり、のんびり 「わたし」の日常を、ふんわり、毎日書いていました。

時刻表のないバス停(希望浜)

Pero
現代文学
妻が急死した小野寺浩一は、そのショックに耐え切れず、昔の恋人が住む山口県の長門湯本を訪ねる。だが彼女が嫁いだ温泉旅館は一家がすでに引っ越していた。落胆した浩一は彼女の実家がある島根県の安来を訪ねようと思い、夜通し歩いて日本海が見える町まで着いた。そこからはバスで行けばよいだろうと思ったのだ。ところがバスを待っていると1人の少女が現れて、浩一と同じ安来の方へ向かうと言う。二週間ほど前に亡くなった実母の墓を訪ねるためと言うのだが・・・。

退屈おばばの、刺激求めて山手線!

紫 李鳥
現代文学
年金暮らしのお浜ばあさんは、年甲斐もなくおてんば。 刺激を求めて、今日も山手線でいたずらし放題!