クロノスタシス

「クロノ、スタシス?」
「ええ。ありませんか?時計の秒針が、止まって見えたこと」

 子供のままでいられたら、どんなにいいだろう。
 大人になった俺は、いつしかそう思っていたことも忘れかけていた。
 ライブハウス「アシッドワークス」。
 9月も終わろうとする頃、俺はそこで歌っていた。
 夢は、諦めた。それでも、誰かには届くかもしれないと、か細い希望を持ち続けていた。それで、満足だった。
 そんな時、俺達は出会った。

 子供から、大人へ。
 時の流れは、その早さをただ増していくだけのものだとばかり思っていたーー。
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