愛だ恋だと変化を望まない公爵令嬢がその手を取るまで

永江寧々

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セシル・アッシュバートンからのお願い

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「今年の生徒会さ、全員辞めさせたほうがいんじゃない?」
「審査をクリアした者ばかりだぞ」
「でも確実にミーハーだよ」
「いいじゃないか。レディがいるだけで華がある。むさ苦しい男だらけの生徒会なんて存在する意味がない」
「もし少しでもそういう気のある行動に出たらいつも通りクビにする。面接のときに言ってあるし、同意書にも記載済みだからな」 
「去年の予算も凄かったけど、今年の予算もなかなかに潤ってるね」
「寄付が多いからな。入学式の慈善イベントが効果あったらしい」
「僕のおかげってことかな?」
「金集めはお前にしかできないよ、アルフレッド」
「もっと違う言い方ない?」
「褒めてるんだよ」
「セシルがもっと笑顔を振り撒けばもっと寄付してもらえると思うけどね」
「僕の仕事じゃないから」
「生徒会長、これ許していいのかい?」
「適材適所」

 いつの間にか用意された黒板に書かれた目標や数字、役割などがカイルによって手早く書き込まれていく。
 高校に入ってから早食いをマスターしたカイルの皿の上に残っているのはソースだけ。今は右手にチョーク、左手に書類を持っている。
 ティーナは今頃どうしているだろう。きっと怒り狂っているはず。ティーナを支持する者を集めて今日の怒りをぶつけているに違いない。午後から普通に接してもらえなかったら明日からどうすればいいのか──そんな不安に駆られるアリスは食が進まない。
 一人で過ごす時間は好きだが、それはあくまでも家での話であって、学校で孤独に過ごす寂しさに耐えられないアリスにはティーナが必要だった。
 なぜ自分はこんなに憶病で弱虫なのか。兄のようにハッキリと堂々とした性格でありたかったのに、そう思ってはいても子供の頃から怖くなるといつも兄の後ろに隠れて自分で立ち向かおうとしなかった。
 変えよう変えようと気持ちばかりで行動したことは一度もなく、いつだって兄やティーナを頼っていた。
 
「アリス、聞いてる?」
「え? キャアッ!」
 
 肩を叩かれたことで意識を戻すと間近にあったセシルの顔に思わず悲鳴を上げてしまう。
 不愉快そうに寄せられる眉にアリスの眉が下がる。
 
「無視も悲鳴も傷付くんだけど」
「す、すみません! 考えことしてました」
「ティーナ・ベルフォルンのこと?」
「ティーナのこと、ご存知だったんですね」
「有名だよね、あの子。性悪女だって」
 
 セシルだけではなく他の三人もそれに同調するように頷いている。
 アリスも聞いたことがないわけではない。ティーナを良く言う者もいれば悪く言う者もいることは知っている。ティーナを嫌いな人間ならそれぐらいは言うだろうと驚きはしない。
 ティーナ自身、気付いていないわけではないとアリスは思っている。以前、ティーナは自分で『万人に好かれる人なんかいないんだから私を嫌いな人間だっている』と言っていたから。
 自分を嫌っている人間がいることはわかっているようだったが、憧れの人の耳に“性悪女”と不名誉な伝わり方をしている上に否定されていないとは想像もしていないだろう。
 先日の押しの強さを直接受けたヴィンセルは思い出したのか苦笑を滲ませている。
 
「アリス、フルーツティー飲む? 持ってきたんだよね」
「大好きです」
 「僕も。ヴィンセル、そこのティーポット取って」
「ああ」
「あ、私やりますから座っててください!」

 王子に持ってこさせるなどできるはずがないと用意されてあるガラス製のティーポットを取りに行く際、アリスはできるだけヴィンセルの近くを通らないよう少し遠回りをする。
 憧れの人だからこそ少し近くを通ったときに避けられでもしたら立ち直れない気がしたから。
 
「アリスって家でもそうやって自分で動くの?」
「我が家は自分のことは自分でって教育なんだよ」
「ベンフィールド公爵も真面目だね。使用人少ないの?」
「使用人はいるが、子供はもう十代後半。いつまでも子供部屋に入って絵本を読んでもらうようなことはしないんだよ」
「セシルはベンフィールド家に行ったことないんだよね?」
「うん」
「一度行ってみるといいよ、すっごいから。ブラックバーン家に負けず劣らずって感じ」
「そんなに?」

 アルフレッドの言葉にセシルがアリスを見るアリスは首を振る。
 そもそもブラックバーン家がどれほどすごいのかも知らないアリスは自分の家が王家に負けず劣らずなわけがないと思っているのだが、カイルはニヤついて「まあな」と答えた。

「ヴィンセルは行ったことあるの?」
「いや、ない」 
「ヴィンセルは忙しいからね。公務に訓練に学業に……休まないと倒れるよ?」
「そんな軟弱ではない」
「アリスちゃんに膝枕でもしてもらえば? 女の子にしてもらう膝枕ってふわふわでいい匂いがして最高に癒される。オイルマッサージよりずっといいん──ギャァアアアアアッ!」
 
 余計なことを言った罰がカイルによって下される。拳を作って少しだけ立てた中指をアルフレッドのこめかみに何度もめり込ませると壮絶な痛みに悲鳴が上がった。
 
「ね、今度行ってもいい?」
「…………」

 学習しないアルフレッドに呆れたセシルがアリスに問いかけるもアリスは返事をしない。

「ねえ、聞いてる? アーリースー?」
「ッ!? え、は、な、なんでしょうか!?」

 アルフレッドが膝枕というワードを出したせいでアリスはまた妄想の世界に入ってしまっていた。
 肩を揺らされたことで意識が戻り、眉を寄せたキレイなセシルの顔に申し訳ないと頬に掻きながら遠回りをしてセシルの前にフルーツティーを置く。

「だから、今度の休み、ベンフィールド家に遊びに行ってもいい?」
「ダメだ。狐の狩猟がある」
「カイルはいなくていいよ。アリスに会いに行くんだから」
「……え?」

 間抜けな声を漏らしたアリスが一番驚いている。
 セシルとは二日連続で会っただけで仲良しなわけではない。
 学校で話す友人はいても家に招いたことはない。それは昔からそう。
 それなのに異性なんてと焦るアリスは助けを求めるようにカイルを見るとアルフレッドから手を離して笑顔で寄ってきた。

「ダメだ。うちに狼は入れない」
「子羊に向かって失礼じゃない?」
「羊の皮を被った狼がどの口で言ってるんだ?」
「この口」

 潤った唇は女のアリスから見ても柔らかそうだと思うほど荒れがなく、色はキレイな桃色。理想的な唇がそこにある。

「桃みたいな唇だな。でもダメだ」
「誰かこの番人どうにかしてよ」

 まだ座っていないアリスを抱き寄せて犬を追い払うようにシッシッと手を揺らすカイルにセシルが頬杖をついて肩を竦める。

「アリスはもう十七歳だよ」
「まだ、十七歳だ」
「兄の加護なんかいらないと思うけどね。どうせ今年でその加護はなくなっちゃうんだから今のうちに妹離れしたら? 過保護すぎて引くんだけど」
「引け引け! お前らには絶対に渡さん! ヴィンセル、お前にもだ。王子だからって交渉するなよ」
「お前が過保護という意見は同意だな」

 低めのよく通る声。令嬢たちに追いかけられているときと違って静かな声にドキッとする。
 見てはいけない。さっき生徒会のメンバーがミーハーだったらクビにすると言っていた。優秀だから生徒会に入れた。それを利用して自分の欲望を叶えようとする人間は必要ないということ。アリスは今、それと同じことが頭をよぎってしまった。
 ここにいるのは四人の好意であって当然ではない。それなのに憧れの人物がそこにいるからと見つめようとした。もし目が合ったらラッキーではあるが、鏡のないこの場所で自分がどういう顔をしているのかわからないまま見つめたことによって下心丸出しの顔だったら一瞬で嫌われてしまう。

「はい、ドーゾ」
「ありがとうございます」
「座りなよ」

 椅子を叩くセシルに頷いて腰掛けるとガラスのティーカップから香るフルーツの甘さに目を細める。

「ジャグごと持ってこようかなって思ったんだけど、そんなに大きいのいらないでしょって言われてさ」
「お母様にですか?」
「そう。飲みたいんだって言ってもダメだって。持たせてくれたのはこれだけ」
「私が飲んでしまってもいいのでしょうか?」
「僕がいいって言ってるんだからいいよ」

 もう一杯と思ったときに後悔しないだろうかと少し心配になりながらも顎をクイッと動かし飲むよう促すセシルに軽く頭を下げてから口をつけたアリスはすぐに目を見開いた。。
 
「美味しい……。ザクロですか?」
「そうだよ」
「それにローズとリンゴとオレンジ……。ほのかな柑橘の爽やかさとローズの優雅な風味がすごく相性が良くて……これ好きです」
「僕も好き。一番お気に入りなんだ」

 すぐにもう一口と飲みたくなってしまう爽やかなフルーツティーに感動するアリスを頬杖ついたまま見るセシルの表情が緩む。

「ザクロお好きですか?」
「好き」
「先日シェフと一緒に試したザクロの食べ方でとても美味しかったものがあるんです。バゲットを薄くスライスしてクリームチーズを塗ったらその上にリーフとナッツとザクロを乗せて、軽くフレッシュオイルを──」
「作ってよ」

 両手を合わせて笑顔で説明するアリスの言葉を遮ったセシルの堂々たる言い方に全員が固まった。
 セシルは基本的に一匹狼なところがあり、生徒会とランチ以外では誰とも接触しない。
 仲の良い相手がいるわけでもなく、ヴィンセルと同じで誰が寄ってこようと態度は変えない。相手にさえしないのだ。
 アルフレッド曰く『まだ丁寧に断るだけヴィンセルのほうが優しいかもしれないね』と。
 そんなセシルが自らアリスを抱えてここに連れてきただけではなく、アリスが作る食事を食べ、また新たに食べたがっている。
 セシル・アッシュバートンという男を知る者なら誰もが驚く言葉だった。

「え……えっと……」
「今度の休み──……明後日か、行くから。一緒にランチしようよ」

 突然の誘いにアリスは困っているとまたカイルの手が伸びてきたためセシルが先にアリスの腕を掴んで抱き寄せた。

「すぐにそうやって過保護すんのやめなって言ったじゃん」
「その手を今すぐ離せ!」
「じゃあ行ってもいい?」
「ダメだ!」
「じゃあ離さない」
「離せ!」
「アリスとランチがしたい」
「却下だ!」
「そもそもカイルの許可は必要としてない。狐狩り楽しみなよ」
「アリスも行くんだよ。アリスは──」
「行きません!」

 前後で交わされる会話に気まずい思いをしていたアリスだが、セシルの誘いを断らせようとしたカイルの言葉に珍しくアリスが即答で拒否をした。
 あまりの早さに驚いたカイル。

「ごめんなさい。でも、狩りは……しません……」

 淑女だって狩りを習う。お茶と刺繍だけが淑女の嗜みではない。貴族令嬢は学ぶことが多く、アリスも一度狩猟を試みたのだが、ただ自由にそこで生きているだけの野生動物に放った一発が命を奪うという恐怖に涙した。
 弾が当たった動物は地面に倒れ、血を流して命を落としていた。それを父親と兄は喜び『すごいじゃないか!』と言った。
 アリスはその光景を異常だと感じ、その日の夜、二度と狩りは行かないと両親に宣言し、親もそれを強制するつもりはないと受け入れた。

「すまない、兄様の嘘だ。お前を狩りに連れて行くつもりなんてないよ」

 手段のためでも言ってはいけないことだったと反省するカイルのキスが頭に降ってくる。

「じゃあ行ってもいい?」
「……ふむ……アリスはどうしたい? アッシュバートン伯爵子息を招いて手料理でもてなしたいか?」
「そ、それは──」
「妹にプレッシャーかけることが兄のやること?」
「アリスに聞いてるだけだ」

 肩を竦めて目だけを上に向けるセシルの呆れた表情もカイルは気にしない。
 アリスはプレッシャーに弱く、昔から緊張すると失敗する。
 兄としてひどいことをしているとわかっているが、自分が認める男でなければ交際は認められない。
 これは十歳の頃からカイルが勝手に決めていることだ。

「別にフルコース出してとは言わない。ただ、こうやって食べるランチがすごく美味しいから焼きたて作りたてだったらもっと美味しいんだろうなと思って」

 たった二回しか渡していないが、それでも今日はシェフが作った食事ではなくアリスの、素人が作ったランチを食べてくれた。
 少し多めに作って入れておいたのにそれさえも完食して、あとはデザートだけ。

「本当に下手の横好きなだけなんです。それでもいいですか?」
「アリス!?」
「下手の横好きでこんなに美味しいならどんな物でも大歓迎だよ」

 迎えることに決めた。
 今日、焼き上がったパンを袋に詰めながら思ったのは「焼きたてを食べてほしい」ということ。
 魔法でもかけない限りは焼きたての食感を昼まで保つのは不可能。魔法を使うことも不可能。
 ならできることは一つだけ。
 セシルを家に招いて焼きたてを提供する。

「お兄様、ごめんなさい。いいですか?」
「……いいよ。お前に何かあったらセシルを殺して刑務所に入るから」
「アルフレッドに言うならわかるけど、なんで僕を警戒するかな?」
「アルフレッドはアリスがいないときに来るんだ」
「君がそう言うからね」
「お前はアリスがいるときに行こうとしてるから嫌なんだ。馴れ馴れしく呼び捨てにするし、馴れ馴れしく触れ──いつまで抱きしめてるんだ! 認めてやったんだから離せ!」

 グイッと腕を引っ張られたアリスが再びカイルの腕の中に戻る。
 椅子に真っ直ぐ座りたいとやんわり力を込めてカイルから離れたアリスは今後の休日、セシルを招くことになった緊張をほぐすためにフルーツティーに再び口をつけた。
 
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