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今は少しだけ
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グラキエスに戻った直後、アルフローレンスが倒れた。
三日間、ミュゲットは食べることも眠ることもせず、アルフローレンスの冷えきった手を握りながら目を覚ますよう祈り続けた。
アルフローレンスが目を覚ましたのは丁度ミュゲットがアルフローレンスの体を拭くタオルと水を換えに行ったときだった。
「ミュゲットはどこだ!」
目覚めての第一声にミュゲットは驚き、洗面所から顔を覗かせるとベッドから降りたアルフローレンスがフラつきながら寄っていき抱きしめた。
「余の傍にいろと言っただろうッ」
倒れる直前、ミュゲットに言った言葉だ。
まるで子供のようだと今まで何度か感じたことに笑いながら抱きしめ返すとアルフローレンスが安堵したように息を吐き出したのを感じる。
「陛下、お目覚めになられましたか」
アルフローレンスの大声を聞いて駆けつけたシェスターが安堵の表情を見せる。
「余はどのぐらい眠っていたのだ?」
「三日です、陛下」
「三日……」
「当然です。食べず眠らずでずっとミュゲット様を探しておられたのですから。それに転移魔法まで使われたのですから倒れて当然です……」
シェスターの目にうっすらと浮かぶ涙が彼を本気で心配していた証拠。
恐れられているアルフローレンスを心から慕っているのだと伝わってくる。
「お二人とも、今からお食事ですからね。残すことは許しませんよ」
「わかっている」
「ミュゲット様も三日三晩食べず眠らずの看病をされていたのですから今日からは絶対に食べていただきますよ」
「はい」
少し怒ったように言ってみせるシェスターにミュゲットが苦笑しながら頷くとすぐに笑顔を見せて出ていく。
「余が目覚めるか心配で何も喉を通らなかったのか?」
「当たり前でしょ」
「……そう、か……」
素直に答えられると思っていなかったアルフローレンスは少し戸惑ったように返事をした。
ミュゲットはフロガで自分の気持ちに気付いたため隠そうとは思っていない。
眠っている相手の顔を見つめながら何度も自分に問いかけ続けた。フローラリアが蹂躙されたこと、両親が死んだこと、捕虜になったこと、暴力を振るわれたこと、出ていけと言われたこと、新しい女がいたこと──……
それでもミュゲットはアルフローレンスの傍にいたいと思った。恨めしいとか憎らしいとかそういう感情はなく、彼が口にした『宝物』という言葉に胸が甘く締め付けられたことが全てなのだと。
「……お前に、全てを話さなければならないな……」
どこか躊躇うような言い方にミュゲットは首を傾げるでもなく、ジッとアルフローレンスを見ていた。
彼しか知らない真実がある。それはきっと自分が抱え続けている謎の答えだろうとミュゲットは感じている。
「でもそれは元気になってからでいい」
「そうか。お前がそう言うのならそうする」
まだ疲れているように見える。
一緒にベッドまで戻って相手を寝かせると抱き寄せられ、ミュゲットも寝転ぶことになった。
「部屋を一新したのは……新しい人のため?」
「違う。あれは……余の過ちだ」
何もかも破壊したのをシェスターが急いで準備をした。必ずミュゲットを連れ帰ると信じていたから帰ってきたときのためにベッドが必要だと。
自分が出て行ったからいらないと思ったのだろうかと推測するミュゲットの言葉をアルフローレンスが間髪入れずに否定する。
「私は、ここにいてもいいのでしょうか?」
「お前以外を傍に置くつもりはない」
「でも置いてた」
「その過ちを話すためにはまず……余の過去から話さねばならぬ……」
エルドレッドの過去でさえ軽いものではなかった。耐えられず出ていった家に残された弟の過去はもっと酷いのではないだろうかと予想している。だから弱っている相手に過去を話せとは言えない。
ここにいていいと言ってくれているのだから話してもらえる日はそのうちやってくるだろうとミュゲットは相手の頬に手を添えてゆっくり撫でた。
「私とあなたは生きてきた世界が違う。私の知っている血は誰かが貝殻で足を切ったとか、転んで擦りむいたとかそういう軽いものしかないけど、あなたは人が死を迎える瞬間に流す血を見てきた。それに慣れてしまったあなたを批判するつもりはないけど、それがあなただからと受け入れることもできない」
横暴さが嫌いだった。自分の思い通りに動かなければ簡単に人を殺してしまう相手が憎かった。どんな理由があろうと人を殺していいことにはならないが、それでも抗えないものは絶対にあって、ミュゲットは彼がそれに囚われているのではないかと思った。エルドレッドが未だ亡き父親に囚われ続けているように。
だから頭から否定しようとは思わない。ただ、それを仕方ないと言って受け入れることもできないと告げた。
「余に何を望む?」
「簡単に人を殺さないこと」
「余が排除しているのは不要な存在だ」
「私が言ってるのはそういうことじゃない。あなたの心がすり減ることを心配してるの」
「余の心……?」
怪訝そうな表情を見せるアルフローレンスの頬を軽く摘んで小さく揺らす。
「人を殺すことに慣れても、そこには必ず犠牲がある。人を殺すことに何の躊躇いも疑問も感じなくなったのは心が犠牲になり続けたからよ。生まれた瞬間から殺人鬼の赤ん坊はいない。あなただってそうよ。たくさん笑う赤ん坊だったはず。それが、何かをキッカケに変わり始めた。心を犠牲にしなければやっていけないほど辛い出来事があったとか」
「……余は……」
ミュゲットを見つめるアルフローレンスの弱々しい瞳にミュゲットは唇に人差し指を押し当てた。
「あなたに望むのは簡単に人を殺さないこと。それだけ」
「……約束は、できん」
「うん」
努力しないと言っているわけではない。嫌だと拒否しているわけでもない。きっと時と場合によっては殺してしまうだろうから約束はしないと一応の逃げ道を作っているのだとわかっている。
ミュゲットが笑顔で頷いたのはアルフローレンスが守ってくれると信じているから。
人を簡単に殺してしまう相手なのに、なぜか変わって暮れるような気がしていた。
「私に望むことは?」
「余の傍にいることだ」
「私に飽きたんじゃないの?」
「なぜ余がお前に飽きる。寝言は寝て言え」
「だって一ヶ月も……離れていたし、あなた……新しい女性を抱いてたから……」
どうしてこうも女々しいのだろうと自分で自分が嫌になる。宝物だと言われたじゃないか、余のものだと言われたじゃないかと自分に言い聞かせても一ヶ月もなんの処分もなかった理由が知りたかった。
「お前が謝ってくるのではないかと思って待っていた」
「部屋に閉じ込めておきながら?」
「だが実際お前は会いに来た。そうだろう? あれはなぜ来た?」
「謝ろうと思って……」
「余の考えは間違いではなかった」
可愛げのない反応ではあるものの、ミュゲットは笑みが溢れる。
一ヶ月間、ずっと待っていたのだと思うと急に愛おしくなってしまう。我ながら単純だと呆れながらも自ら身体を寄せると強く抱きしめられる。
この匂いと温もりが恋しかった。ずっとこれを感じたいと思っていた。
「さ、お二人ともお食事ですよ……っと、やれやれ、困りましたね」
ワゴンにありったけの食事を乗せて運んできたシェスターは二人の姿を見て眉を下げながら首を振る。
食事を食べてもらわなければならないのに二人が布団の中で穏やかな顔で眠っているのを見ると起こすに起こせない。
互いのために一睡もできなかった二人がこうして揃って眠っている姿はシェスターにとっても安堵と嬉々することで、今はこのままにしておこうとゆっくりワゴンを引いて戻っていく。
この食事は使用人たちに食べさせて、また目が覚めた頃にでも新しいのを用意しようと決めて静かにドアを閉めた。
三日間、ミュゲットは食べることも眠ることもせず、アルフローレンスの冷えきった手を握りながら目を覚ますよう祈り続けた。
アルフローレンスが目を覚ましたのは丁度ミュゲットがアルフローレンスの体を拭くタオルと水を換えに行ったときだった。
「ミュゲットはどこだ!」
目覚めての第一声にミュゲットは驚き、洗面所から顔を覗かせるとベッドから降りたアルフローレンスがフラつきながら寄っていき抱きしめた。
「余の傍にいろと言っただろうッ」
倒れる直前、ミュゲットに言った言葉だ。
まるで子供のようだと今まで何度か感じたことに笑いながら抱きしめ返すとアルフローレンスが安堵したように息を吐き出したのを感じる。
「陛下、お目覚めになられましたか」
アルフローレンスの大声を聞いて駆けつけたシェスターが安堵の表情を見せる。
「余はどのぐらい眠っていたのだ?」
「三日です、陛下」
「三日……」
「当然です。食べず眠らずでずっとミュゲット様を探しておられたのですから。それに転移魔法まで使われたのですから倒れて当然です……」
シェスターの目にうっすらと浮かぶ涙が彼を本気で心配していた証拠。
恐れられているアルフローレンスを心から慕っているのだと伝わってくる。
「お二人とも、今からお食事ですからね。残すことは許しませんよ」
「わかっている」
「ミュゲット様も三日三晩食べず眠らずの看病をされていたのですから今日からは絶対に食べていただきますよ」
「はい」
少し怒ったように言ってみせるシェスターにミュゲットが苦笑しながら頷くとすぐに笑顔を見せて出ていく。
「余が目覚めるか心配で何も喉を通らなかったのか?」
「当たり前でしょ」
「……そう、か……」
素直に答えられると思っていなかったアルフローレンスは少し戸惑ったように返事をした。
ミュゲットはフロガで自分の気持ちに気付いたため隠そうとは思っていない。
眠っている相手の顔を見つめながら何度も自分に問いかけ続けた。フローラリアが蹂躙されたこと、両親が死んだこと、捕虜になったこと、暴力を振るわれたこと、出ていけと言われたこと、新しい女がいたこと──……
それでもミュゲットはアルフローレンスの傍にいたいと思った。恨めしいとか憎らしいとかそういう感情はなく、彼が口にした『宝物』という言葉に胸が甘く締め付けられたことが全てなのだと。
「……お前に、全てを話さなければならないな……」
どこか躊躇うような言い方にミュゲットは首を傾げるでもなく、ジッとアルフローレンスを見ていた。
彼しか知らない真実がある。それはきっと自分が抱え続けている謎の答えだろうとミュゲットは感じている。
「でもそれは元気になってからでいい」
「そうか。お前がそう言うのならそうする」
まだ疲れているように見える。
一緒にベッドまで戻って相手を寝かせると抱き寄せられ、ミュゲットも寝転ぶことになった。
「部屋を一新したのは……新しい人のため?」
「違う。あれは……余の過ちだ」
何もかも破壊したのをシェスターが急いで準備をした。必ずミュゲットを連れ帰ると信じていたから帰ってきたときのためにベッドが必要だと。
自分が出て行ったからいらないと思ったのだろうかと推測するミュゲットの言葉をアルフローレンスが間髪入れずに否定する。
「私は、ここにいてもいいのでしょうか?」
「お前以外を傍に置くつもりはない」
「でも置いてた」
「その過ちを話すためにはまず……余の過去から話さねばならぬ……」
エルドレッドの過去でさえ軽いものではなかった。耐えられず出ていった家に残された弟の過去はもっと酷いのではないだろうかと予想している。だから弱っている相手に過去を話せとは言えない。
ここにいていいと言ってくれているのだから話してもらえる日はそのうちやってくるだろうとミュゲットは相手の頬に手を添えてゆっくり撫でた。
「私とあなたは生きてきた世界が違う。私の知っている血は誰かが貝殻で足を切ったとか、転んで擦りむいたとかそういう軽いものしかないけど、あなたは人が死を迎える瞬間に流す血を見てきた。それに慣れてしまったあなたを批判するつもりはないけど、それがあなただからと受け入れることもできない」
横暴さが嫌いだった。自分の思い通りに動かなければ簡単に人を殺してしまう相手が憎かった。どんな理由があろうと人を殺していいことにはならないが、それでも抗えないものは絶対にあって、ミュゲットは彼がそれに囚われているのではないかと思った。エルドレッドが未だ亡き父親に囚われ続けているように。
だから頭から否定しようとは思わない。ただ、それを仕方ないと言って受け入れることもできないと告げた。
「余に何を望む?」
「簡単に人を殺さないこと」
「余が排除しているのは不要な存在だ」
「私が言ってるのはそういうことじゃない。あなたの心がすり減ることを心配してるの」
「余の心……?」
怪訝そうな表情を見せるアルフローレンスの頬を軽く摘んで小さく揺らす。
「人を殺すことに慣れても、そこには必ず犠牲がある。人を殺すことに何の躊躇いも疑問も感じなくなったのは心が犠牲になり続けたからよ。生まれた瞬間から殺人鬼の赤ん坊はいない。あなただってそうよ。たくさん笑う赤ん坊だったはず。それが、何かをキッカケに変わり始めた。心を犠牲にしなければやっていけないほど辛い出来事があったとか」
「……余は……」
ミュゲットを見つめるアルフローレンスの弱々しい瞳にミュゲットは唇に人差し指を押し当てた。
「あなたに望むのは簡単に人を殺さないこと。それだけ」
「……約束は、できん」
「うん」
努力しないと言っているわけではない。嫌だと拒否しているわけでもない。きっと時と場合によっては殺してしまうだろうから約束はしないと一応の逃げ道を作っているのだとわかっている。
ミュゲットが笑顔で頷いたのはアルフローレンスが守ってくれると信じているから。
人を簡単に殺してしまう相手なのに、なぜか変わって暮れるような気がしていた。
「私に望むことは?」
「余の傍にいることだ」
「私に飽きたんじゃないの?」
「なぜ余がお前に飽きる。寝言は寝て言え」
「だって一ヶ月も……離れていたし、あなた……新しい女性を抱いてたから……」
どうしてこうも女々しいのだろうと自分で自分が嫌になる。宝物だと言われたじゃないか、余のものだと言われたじゃないかと自分に言い聞かせても一ヶ月もなんの処分もなかった理由が知りたかった。
「お前が謝ってくるのではないかと思って待っていた」
「部屋に閉じ込めておきながら?」
「だが実際お前は会いに来た。そうだろう? あれはなぜ来た?」
「謝ろうと思って……」
「余の考えは間違いではなかった」
可愛げのない反応ではあるものの、ミュゲットは笑みが溢れる。
一ヶ月間、ずっと待っていたのだと思うと急に愛おしくなってしまう。我ながら単純だと呆れながらも自ら身体を寄せると強く抱きしめられる。
この匂いと温もりが恋しかった。ずっとこれを感じたいと思っていた。
「さ、お二人ともお食事ですよ……っと、やれやれ、困りましたね」
ワゴンにありったけの食事を乗せて運んできたシェスターは二人の姿を見て眉を下げながら首を振る。
食事を食べてもらわなければならないのに二人が布団の中で穏やかな顔で眠っているのを見ると起こすに起こせない。
互いのために一睡もできなかった二人がこうして揃って眠っている姿はシェスターにとっても安堵と嬉々することで、今はこのままにしておこうとゆっくりワゴンを引いて戻っていく。
この食事は使用人たちに食べさせて、また目が覚めた頃にでも新しいのを用意しようと決めて静かにドアを閉めた。
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