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絶望の朝
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夜、濡れた衣服を脱ぎ捨ててベッドに入ったのは日付が変わってからだった。
最後の時間を惜しむかのような優しい抱き方をするアルフローレンスに戸惑いながらも冷えていないその身体の熱を受け止めた。
そして迎えた朝、ミュゲットはクローゼットにあったワンピースに袖を通す。奥にある姿見の前で自分の今の姿を目に焼き付けながら深呼吸を一度。
フローラリアはグラキエスの支配下にあるといえど、男たちの過剰労働はなくなった。問題は女たちだが、昨日の話ではそれほど困っていないように思えた。もし、男を簡単に受け入れることがフローラリアの女のやり方なのだとしたら、やり方を変えるべきかどうか迷ってしまう。
「余から隠れているつもりか?」
クローゼットのドアが開いてまだ眠たげな男が顔を覗かせる。寝起きはいつも無防備で子供のように目を薄く開けている。ナイフを隠し持てば刺せてしまえるのではないだろうかと思ってしまうほど無防備。
「余が目覚めるまで動くなと言ったのを忘れたのか?」
「着替えただけです」
「動いたことに変わりない。言い訳をするな」
目が覚めて母親の姿が見えないことに泣きじゃくる子供のような言い分。
「すみませんでした。じゃあ、服は乾いていますから着替えて帰る支度をしてください」
フローラリアでは洗濯物は一日中干していなくとも夜干せば朝には乾く。昨日の夜、海から上がって外にかけておいた服はすっかり乾いていると隣を通り抜けてアルフローレンスの服を回収しに行き、ちゃんと身支度をするよう伝えた。
「お前は準備できたのか?」
聞こえた言葉にミュゲットが固まる。
聞き間違いだろうか。それとも解釈の違いかと頭をフル回転させながら荒れる動悸を抑えようと自分に言い聞かせる。
「私、は……これで……」
「そんな服は下着も同然だ、と言ってもこの国にある服ではどれを着ても同じか」
「フローラリアでは皆これぐらいの薄さで過ごします」
やけに速い心臓の音が聞こえ、声が震える。
「フローラリアではな。グラキエスは違う」
なぜグラキエスの話が出る。グラキエスはもう関係ない。そう思っているのに、ミュゲットの頭は理解し始めている。アルフローレンスが何を言おうとしているのかを。
「フローラリアに帰っていいと、言いました、よね……?」
「フローラリアで舞うお前を見たかったからな」
「どうしてグラキエスの話が……?」
「寝ぼけているのか? グラキエスに帰るからに決まっているだろう」
速すぎる心臓が痛い。吐き気がする。
「じゃあ……これから……」
「二度同じことを言わせるな。無論、お前もだ」
頭を鈍器で叩かれたかのような衝撃にミュゲットは眩暈がした。
「フローラリアに帰してくれたのでは……」
「帰ってきただろう。ここをどこだと思っている」
「わ、私はこれからここで暮らすのだと……」
「寝言は寝て言え」
ミュゲットはあの日からずっと勘違いしていた。フローラリアに帰りたいと言ったのは解放してフローラリアに帰してほしいと言ったつもりだった。だからアルフローレンスが許可を出してくれたことに喜んだのが、アルフローレンスの出した許可は『一時的になら帰す』という意味だった。
またあの何もない極寒の地に帰り、自由はアルフローレンスの部屋の中で誰とも話すことはなく、アルフローレンスの顔色だけを窺って生きる生活が始まるのかと思うと身体が震えるほどゾッとした。
「い、嫌です……」
「なんだと?」
「グラキエスには、帰らない……」
その言葉を聞いた直後、ミュゲットの顔がアルフローレンスの大きな手によって掴まれる。口を覆われ、頬に指が食い込む痛みに眉を寄せる。離してと何度も手を引っ張るがビクともしない。
「妹がどうなってもよいと言うのだな?」
フランにはひどい言葉をたくさんかけられた。きっともう手を繋いで歩くことも笑い合うこともないだろう。だが、だからといってどうなってもいいと言えるほど憎んではいない。
自分と同じようにフランもグラキエスに連れて帰られればアルフローレンスの一声でフランの命の有無は決まる。脅迫も同然の言葉にミュゲットの瞳から涙が溢れ落ちる。
「私に、飽きたから……帰してくれるんだと思ってた……」
「余が飽きたとき、お前がいるのはフローラリアではなく地下牢だ」
ミュゲットの顔が歪み、滝のように流れる涙が頬を濡らす。
「何が泣くほど気に入らぬのだ。そんなに余の傍にいるのが嫌か。そんなにもグラキエスが嫌いか」
痛みが強くなっていくことに慌てて手を離させようと腕を叩いては足を踏ん張って逃れようとするのに力はこもる一方でどうしようもない。
「いやッ!」
「ッ!?」
痛みから逃れようと腕に立てた爪でそのまま強く引っ掻くとアルフローレンスの腕が離れた。
腕にできた四本の傷。そこから滲む血を数秒見つめた後、アルフローレンスは冷たい瞳でミュゲットを見た。昨日とは全く違う冷たい瞳。ここで初めて会った日と同じ瞳にミュゲットは後退りする。
クローゼットの中でこの男に怯えながらあの冷たい瞳を見ているこの瞬間はまるであの日に戻ったようだった。
「いい子になったと思っていたのは余の勘違いであったか。お前には今一度わからせねばならぬようだな……」
怒っているのがわかる。恐怖で身体が震えるのは久しぶりで、逃げようにも足が上手く動かない。必死に足を動かして後退りしても歩幅が違うため距離は開くどころか縮まっていく。ミュゲットの二歩が相手の一歩。
ミュゲットが一歩動けば廊下側のドアが凍り、テラスに続くガラス戸が凍り、窓が凍った。逃げ出そうにも逃げ出せない八方塞がりの状態。
暖かかったはずの部屋はあっという間に冷えていった。
「ア、アル……」
わからせるという言葉から殺されてしまうとは思っていない。ただ、過去に一度あったように手酷く抱かれるのではないかと怯えていた。痛みと恐怖しかないあの時間はもう二度と経験したくないほどの地獄だったのに、あのときよりも強く感じる怒りにミュゲットは壁に背が当たると同時に床に座り込んだ。
「恩を仇で返すほど愚かだったとはな」
「ちが、そ、じゃな……」
「何も違わぬ。聞き苦しい言い訳などするな」
腕を掴まれ、そのままベッドに投げつけられる。ベッドは柔らかくとも投げつけられた痛みに声を上げるがアルフローレンスは気にしない。そのまま無言でベッドに上がってくる。
「アルごめんなさい! 待ってください! お願いです! 話を聞いてください!」
いつものように「なんだ?」とは言ってくれない。きっと今のアルフローレンスの目には自分は断罪を受ける兵士たちと同じようにしか見えていないだろうと怒りのこもる瞳を見て覚悟する。
拒んだのは自分。傷つけたのも自分。話など聞いてもらえるはずがない。話を聞いてほしいと言っても嫌だと拒否した自分が今更ご機嫌取りの言葉を言ったところで機嫌が回復することはないだろうとミュゲットは震えた手を伸ばした。
「アル──ッ!」
「余の名を呼ぶな。耳障りだ」
手を払われ、そのまま口を覆われて頭をベッドに押さえつけられる。
帰ると許可が出たときにちゃんと聞いておけばよかった。解放してもらえるのかと。いや、その前に思うべきだったのだ。何もしていないのに解放されるわけがないと。
何も疑わず勝手に期待して勝手に絶望した自分が悪いのだとミュゲットは抵抗を諦めた。
「余から逃げられると思うな」
吐き捨てるように告げたその言葉がやけに重たく耳に残った。
昨日の夜、海に逃げても追いかけてきた男が言うのだから冗談ではない。
なぜこんなに執着するのかがミュゲットにはわからないが、わかるのは既に自分には選択肢というものすら残っていないということ。残っているとすれば残りの人生、父親たちのように蜜毒を飲んで自分で終わらせるか、それとも飽きて地下牢に放り込まれ処刑される日を待つかだけ。どっちを選んでも辿り着くのは死だけ。
どうして上手くやれないのだろう。優しくしてくれていたのだからもっと方法はあったはずなのに、動揺しすぎてまた失敗した。
涙でボヤける視界を目を閉じることで何も見ないようにし、四肢を投げ出したミュゲットはその日、人生で一番の痛みと絶望を味わうこととなった。
最後の時間を惜しむかのような優しい抱き方をするアルフローレンスに戸惑いながらも冷えていないその身体の熱を受け止めた。
そして迎えた朝、ミュゲットはクローゼットにあったワンピースに袖を通す。奥にある姿見の前で自分の今の姿を目に焼き付けながら深呼吸を一度。
フローラリアはグラキエスの支配下にあるといえど、男たちの過剰労働はなくなった。問題は女たちだが、昨日の話ではそれほど困っていないように思えた。もし、男を簡単に受け入れることがフローラリアの女のやり方なのだとしたら、やり方を変えるべきかどうか迷ってしまう。
「余から隠れているつもりか?」
クローゼットのドアが開いてまだ眠たげな男が顔を覗かせる。寝起きはいつも無防備で子供のように目を薄く開けている。ナイフを隠し持てば刺せてしまえるのではないだろうかと思ってしまうほど無防備。
「余が目覚めるまで動くなと言ったのを忘れたのか?」
「着替えただけです」
「動いたことに変わりない。言い訳をするな」
目が覚めて母親の姿が見えないことに泣きじゃくる子供のような言い分。
「すみませんでした。じゃあ、服は乾いていますから着替えて帰る支度をしてください」
フローラリアでは洗濯物は一日中干していなくとも夜干せば朝には乾く。昨日の夜、海から上がって外にかけておいた服はすっかり乾いていると隣を通り抜けてアルフローレンスの服を回収しに行き、ちゃんと身支度をするよう伝えた。
「お前は準備できたのか?」
聞こえた言葉にミュゲットが固まる。
聞き間違いだろうか。それとも解釈の違いかと頭をフル回転させながら荒れる動悸を抑えようと自分に言い聞かせる。
「私、は……これで……」
「そんな服は下着も同然だ、と言ってもこの国にある服ではどれを着ても同じか」
「フローラリアでは皆これぐらいの薄さで過ごします」
やけに速い心臓の音が聞こえ、声が震える。
「フローラリアではな。グラキエスは違う」
なぜグラキエスの話が出る。グラキエスはもう関係ない。そう思っているのに、ミュゲットの頭は理解し始めている。アルフローレンスが何を言おうとしているのかを。
「フローラリアに帰っていいと、言いました、よね……?」
「フローラリアで舞うお前を見たかったからな」
「どうしてグラキエスの話が……?」
「寝ぼけているのか? グラキエスに帰るからに決まっているだろう」
速すぎる心臓が痛い。吐き気がする。
「じゃあ……これから……」
「二度同じことを言わせるな。無論、お前もだ」
頭を鈍器で叩かれたかのような衝撃にミュゲットは眩暈がした。
「フローラリアに帰してくれたのでは……」
「帰ってきただろう。ここをどこだと思っている」
「わ、私はこれからここで暮らすのだと……」
「寝言は寝て言え」
ミュゲットはあの日からずっと勘違いしていた。フローラリアに帰りたいと言ったのは解放してフローラリアに帰してほしいと言ったつもりだった。だからアルフローレンスが許可を出してくれたことに喜んだのが、アルフローレンスの出した許可は『一時的になら帰す』という意味だった。
またあの何もない極寒の地に帰り、自由はアルフローレンスの部屋の中で誰とも話すことはなく、アルフローレンスの顔色だけを窺って生きる生活が始まるのかと思うと身体が震えるほどゾッとした。
「い、嫌です……」
「なんだと?」
「グラキエスには、帰らない……」
その言葉を聞いた直後、ミュゲットの顔がアルフローレンスの大きな手によって掴まれる。口を覆われ、頬に指が食い込む痛みに眉を寄せる。離してと何度も手を引っ張るがビクともしない。
「妹がどうなってもよいと言うのだな?」
フランにはひどい言葉をたくさんかけられた。きっともう手を繋いで歩くことも笑い合うこともないだろう。だが、だからといってどうなってもいいと言えるほど憎んではいない。
自分と同じようにフランもグラキエスに連れて帰られればアルフローレンスの一声でフランの命の有無は決まる。脅迫も同然の言葉にミュゲットの瞳から涙が溢れ落ちる。
「私に、飽きたから……帰してくれるんだと思ってた……」
「余が飽きたとき、お前がいるのはフローラリアではなく地下牢だ」
ミュゲットの顔が歪み、滝のように流れる涙が頬を濡らす。
「何が泣くほど気に入らぬのだ。そんなに余の傍にいるのが嫌か。そんなにもグラキエスが嫌いか」
痛みが強くなっていくことに慌てて手を離させようと腕を叩いては足を踏ん張って逃れようとするのに力はこもる一方でどうしようもない。
「いやッ!」
「ッ!?」
痛みから逃れようと腕に立てた爪でそのまま強く引っ掻くとアルフローレンスの腕が離れた。
腕にできた四本の傷。そこから滲む血を数秒見つめた後、アルフローレンスは冷たい瞳でミュゲットを見た。昨日とは全く違う冷たい瞳。ここで初めて会った日と同じ瞳にミュゲットは後退りする。
クローゼットの中でこの男に怯えながらあの冷たい瞳を見ているこの瞬間はまるであの日に戻ったようだった。
「いい子になったと思っていたのは余の勘違いであったか。お前には今一度わからせねばならぬようだな……」
怒っているのがわかる。恐怖で身体が震えるのは久しぶりで、逃げようにも足が上手く動かない。必死に足を動かして後退りしても歩幅が違うため距離は開くどころか縮まっていく。ミュゲットの二歩が相手の一歩。
ミュゲットが一歩動けば廊下側のドアが凍り、テラスに続くガラス戸が凍り、窓が凍った。逃げ出そうにも逃げ出せない八方塞がりの状態。
暖かかったはずの部屋はあっという間に冷えていった。
「ア、アル……」
わからせるという言葉から殺されてしまうとは思っていない。ただ、過去に一度あったように手酷く抱かれるのではないかと怯えていた。痛みと恐怖しかないあの時間はもう二度と経験したくないほどの地獄だったのに、あのときよりも強く感じる怒りにミュゲットは壁に背が当たると同時に床に座り込んだ。
「恩を仇で返すほど愚かだったとはな」
「ちが、そ、じゃな……」
「何も違わぬ。聞き苦しい言い訳などするな」
腕を掴まれ、そのままベッドに投げつけられる。ベッドは柔らかくとも投げつけられた痛みに声を上げるがアルフローレンスは気にしない。そのまま無言でベッドに上がってくる。
「アルごめんなさい! 待ってください! お願いです! 話を聞いてください!」
いつものように「なんだ?」とは言ってくれない。きっと今のアルフローレンスの目には自分は断罪を受ける兵士たちと同じようにしか見えていないだろうと怒りのこもる瞳を見て覚悟する。
拒んだのは自分。傷つけたのも自分。話など聞いてもらえるはずがない。話を聞いてほしいと言っても嫌だと拒否した自分が今更ご機嫌取りの言葉を言ったところで機嫌が回復することはないだろうとミュゲットは震えた手を伸ばした。
「アル──ッ!」
「余の名を呼ぶな。耳障りだ」
手を払われ、そのまま口を覆われて頭をベッドに押さえつけられる。
帰ると許可が出たときにちゃんと聞いておけばよかった。解放してもらえるのかと。いや、その前に思うべきだったのだ。何もしていないのに解放されるわけがないと。
何も疑わず勝手に期待して勝手に絶望した自分が悪いのだとミュゲットは抵抗を諦めた。
「余から逃げられると思うな」
吐き捨てるように告げたその言葉がやけに重たく耳に残った。
昨日の夜、海に逃げても追いかけてきた男が言うのだから冗談ではない。
なぜこんなに執着するのかがミュゲットにはわからないが、わかるのは既に自分には選択肢というものすら残っていないということ。残っているとすれば残りの人生、父親たちのように蜜毒を飲んで自分で終わらせるか、それとも飽きて地下牢に放り込まれ処刑される日を待つかだけ。どっちを選んでも辿り着くのは死だけ。
どうして上手くやれないのだろう。優しくしてくれていたのだからもっと方法はあったはずなのに、動揺しすぎてまた失敗した。
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