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想い人
しおりを挟む外へと運ばれ、どこへ連れて行かれるのかと思っていたミュゲットだが、ビーチのほうに出ると降ろされた。
その代わりなぜか手を繋ぐことになり、そのままビーチを歩いているのだが、フランの無礼に起こっているのかと思いきや意外にも比較的穏やかなように感じていた。
「手がすっかり暖まりましたね」
「そうだな」
「体質ですか?」
「そうだ」
冷たかった手は人肌ぐらいに暖まっている。冷えすぎる体質は心配だが、フローラリアは万年暖かいため相手が凍えることはないだろうとそこまでの心配はしていない。
「そういえば、アルフローレンスはいつも何を食べているのですか?」
「…………」
「アルフローレンス?」
急に黙り込むアルフローレンスに首を傾げると『アル』と聞こえた。
「アル?」
「余を呼び捨てにしただろう」
「そう、ですけど……アレはそう呼べばあなたが一緒に来てくれるんじゃないかと思って呼んだだけで……」
「お前にだけは許してやってもよい」
「家族は皆そう呼んでいるんじゃないんですか?」
「奴以外に余をそう呼ぶ者はおらぬ」
「私は家族ではありませんけど」
「だが余をそう呼んだだろう」
呼んだのは一種の賭けだった。賭けは成功。しかし、成功したと思ったら次の難問が立ちはだかった。
アルフローレンスと呼び捨てにするだけでも緊張したのに、今度はアルと呼べと命じられる。呼んだのは自分。賭けだったから仕方ないというのは言い訳だろうかと自問自答してはもう一度彼の目を見た。相変わらず真っ直ぐ見つめてくる氷のような瞳と視線が絡むとミュゲットは観念したように首を振って覚悟を決めた。
「わかりました。そう呼びます」
「ああ、呼べ」
命令されると呼ぶ気をなくす。しかし、ミュゲットはこの男に対して今日は寛大でいることにしている。今日でおさらばなのだから怒る必要などないと。
「アル」
覚悟を決めて呼んでみると雰囲気が少し柔らかくなったような気がした。
なぜこんなにも感情が表に出てこないのか、ミュゲットはずっと不思議だった。
出会ったばかりの頃は心がない鬼だと思っていた。それが次第に感情を出すほどの出来事がないだけか、というものに変わり、最近は決めつけずに「なぜだろう?」と考えるようになった。表情は変わらないが雰囲気が変わる。感情はちゃんとそこにあって、あとは表情に出すだけなのにどうしてそれをしないのかと。
「人が多いな」
「ビーチは人気ですからね」
「人が来ない場所はないのか?」
「ないです」
即答した。あるにはあるが、アルフローレンスと二人きりにはなりたくなかったから。
「嘘をつくな」
なぜすぐバレるのか、これも不思議に思うことの一つ。
「……夜、案内しようかなって思ってたんです。すごくキレイに星が見えるお気に入りの場所だから」
「ほう」
「夜じゃダメですか?」
「かまわぬ」
ずっとこうして扱いやすい男でいてくれれば苦労はないのだがと思いながらも舞の前に何か起こることは回避できたと安堵する。
「ミュゲット?」
聞き慣れた声。アルフローレンスではない別の男の声に振り向くとミュゲットは驚いた顔のあと、嬉しそうに笑い、握っていたアルフローレンスの手を離して思わず駆け寄った。
「フィル!」
「やっぱりミュゲットか! 無事だったんだな! 心配してたんだ!」
しっかりと焼けた褐色肌に金髪の男も駆け寄ってミュゲットを抱きしめた。見慣れた顔。ミュゲットはその顔が見れただけで嬉しかった。
強く抱きしめられるとミュゲットはその胸に顔を埋めて抱きしめ返す。久しぶりに感じるフィルの匂い。懐かしくて涙が出そうだった。
だがすぐに涙は引っ込んでしまう。
「キャッ!」
アルフローレンスがミュゲットの腕を掴んで自分のほうへと引き寄せたのだ。
「アルフローレンス……」
「貴様に呼び捨てにされる覚えはない。皇帝陛下と呼べ」
「誰がお前なんか! よく顔を出せたもんだな! のこのこやってきやがって! さっさとミュゲットを解放しやがれ!」
睨みつけるフィルが怒鳴ると柔らかく感じていたアルフローレンスの雰囲気が変わったのを感じたミュゲットは慌てて手を握る。そして何度も首を振る。怒るな、ダメだと目で訴えるもアルフローレンスはミュゲットを見ない。
「ミュゲット、来い。俺らはお前の味方だから」
「フィル、だめ。逆らわないで」
「ミュゲット、大丈夫だから。こんな奴、俺ら全員でかかりゃぶっ殺せるんだ」
「フィルお願いやめて」
手を伸ばすフィルにも首を振るのはアルフローレンスが何をするかわからないから。
目の前で人が殺されるのを見たミュゲットは懇願する。逆らうな、怒らせるなと。
「ミュゲットから手を離せ」
「誰に向かって口を利いているのかわかっているのか?」
「お前だよ、氷帝アルフローレンス。血も涙もない男だって有名だぜ。人殺しが趣味だったか? そんな血濡れた汚い手でミュゲットに触れるんじゃねぇよ!」
間違ってはいない。実際血も涙もない行為を最も容易く行うし、血も涙もない男だとミュゲットも思っていた。少し柔らかさを感じさせるようになったといえど、きっと根っこまでは変わっていない。これ以上噛み付けばフィルが血を噴き上げることになるかもしれないと必死に両手でアルフローレンスの手を握っていた。
この手が剣を生み出し、この手が人を裁くのだとミュゲットは知っている。フィルが口を閉じなければそれも時間の問題だと焦るが、意外にもアルフローレンスはミュゲットの手を解こうとはしなかった。
「貴様……そうか、ミュゲットを好いているのだな?」
「なっ……! お、お前に関係ねぇだろ! ふざけんな!」
否定なきは肯定。顔を赤くして怒鳴るフィルはチラッと一瞬だけミュゲットを見た。
「お、俺は……!」
驚いているミュゲットを見て、言っていなかったのだから驚くのも当然だとフィルは覚悟を決めたようにグッと拳を握る。
「ミュゲット……俺は、お前のことが──ッ!?」
この国を攻め落としミュゲットを連れて行った男の前で言うのはロマンも何もなく癪でしかないが言うなら今しかないとミュゲットのほうを向いた瞬間、フィルは目を見開いた。
アルフローレンスとミュゲットがキスをしている。正確にはアルフローレンスがミュゲットを抱き寄せて無理矢理唇を重ねているにすぎないのだが、フィルにとってはショックな光景に言葉を失う。
これでミュゲットのファーストキスはフィルのものではなくなった。
フローラリアの女にとってキスなど価値などないも同然と言えるほど誰とでもキスをするためファーストキスにこだわる男などほとんどいないが、フィルは違った。ミュゲットを好きになってからずっと一緒になりたいと思っていたし、ミュゲットが持つハジメテが全部自分であればいいのにと思うほど想いを寄せていた。
誰かと親しくしていた様子もなかったミュゲットが相手だからこそ、そう願ってしまっていたのだ。そんな夢もたった今、目の前で崩れ落ちた。
「ミュゲット……」
フィルの震えた声に視線を向けないミュゲット。
「お前……」
この瞬間、フィルが何を感じ取ったのかわかったが、それでもミュゲットは見ようとしなかった。向ける顔などあるわけがない。返す言葉などあるわけがない。今この場で抵抗してアルフローレンスの怒りを買うことだけは絶対に避けなければならない。それがミュゲットにとって最優先事項なのだ。
ミュゲットが抵抗すればフィルはミュゲットを引き離そうとするだろう。そしてアルフローレンスに向かって暴言を吐く。そんなことになればアルフローレンスは何をするかわからない。だからミュゲットは最善の選択をした。それがフィルに伝わらずとも。
「……俺はずっとお前を心配してたよ……酷い目にあってんじゃねぇかって……。でもそんな心配する必要なかったんだな。皇帝陛下の寵愛受けてご満悦だったなんてよ……」
唇が離れてもミュゲットは何も言わなかった。寵愛を受けているのは間違いない。フランと比べれば一目瞭然だ。否定などできるはずがない。
目頭が熱くなり溢れそうになる涙を必死に堪えながらアルフローレンスの胸に顔を押し付けてフィルに背中を向けた。
それが答えただとフィルは受け取る。
「俺らがどんな目に遭ってるか心配もしてなかったんだろ!」
心配しない日はなかった。グラキエスに連れて行かれてからずっと心配だった。奴隷として働かされていると聞かされてからは考えすぎて眠れない夜もあった。でもそんなことを言ったところでもう信じてはもらえないだろう。
ミュゲットに向けるフィルの目はアルフローレンスを睨んでいたときと同じような目をしているから。
「ふざけんなよこの裏切り者!」
「見苦しいぞ、負け犬」
「なんっ……誰が負け犬だ!」
「キャンキャン吠えるな。耳障りだ」
ミュゲットの後頭部に手を添えながらフィルに言葉をぶつけるアルフローレンスの表情がまたフィルの怒りに火をつける。フローラリアの全てを変えてしまった張本人に言われると腹の底から怒りが湧き上がってくるのを感じたフィルが足元に落ちていた手のひら大の石を掴んだ。
「やめておけ。後悔するぞ」
「ッ!? アルやめて! お願いです! 殺さないで! フィルもやめて!」
アルフローレンスの言葉にフィルが何かしようとしているのだと気付いて振り返ろうとするのをアルフローレンスの手が許さない。固定されて動かない頭では振り返ることもできず、フィルが何をしても命だけは助けてくれと大声で懇願する。
「うあッ! なん、だ……これ……!」
「フィル!? どうしたの!? フィル!?」
「手が凍って……ッ!」
「アル! やめてください!」
「余に石をぶつけようとした命知らずの愚か者を許せと?」
「そうです! お願いします!」
強気に出たミュゲットの言葉にアルフローレンスは数秒間黙ったあと、フィルの腕にかけた氷を解いた。
「ッ……いてぇッ……」
凍っていた時間は短いと言えど手は真っ赤になって勝手に震え、握っていた石は力が入らない手から砂の上へと戻った。
「今日の余は機嫌が良い。余の慈悲に感謝することだな」
「何が慈悲だ……ふざけんなッ……」
反論はするが強くはない。二度目はないのだとフィルもわかったのだろうとミュゲットは安堵すると同時にアルフローレンスの機嫌が良いという言葉に驚いていた。
「貴様のような底辺の人間が王女と結ばれると本気で夢見ていたのか?」
「底辺で悪かったな……。底辺の人間は夢見ちゃいけねぇってのかよ……。俺らは両想いだったんだよ! お前が攻め込んでこなきゃ結婚だってしてた!」
「泡沫の夢を楽しめたようで何よりだ」
フィルが何を言おうと怒鳴ろうとアルフローレンスが怒りを露わにすることはない。その余裕がフィルを更に苛立たせるが、学習できないほど馬鹿ではないため砂の上に落ちた石を再度拾い上げるような真似はしなかった。
ミュゲットがグラキエスで悠々自適な生活をしていたとはフィルも思いたくはない。さっきの必死さから自分のことを忘れたわけではないのだと伝わってきたからこそ諦めきれないでいる。
こんな男のものになってしまったのだと信じたくなかった。
「テメーみてぇな人殺しが気安く触れるな。返せ」
「返せとは笑わせる。貴様のものではないだろう」
「言っただろ、両想いなんだよ」
「好いた女一人信じられぬ男が言う言葉としてはあまりにも陳腐だな」
「ッ!」
疑ったことは間違いない。ミュゲットを信じず責めてしまった。ミュゲットが庇わなければ信じたいと思い直すこともなかっただろう。
アルフローレンスの指摘にフィルは返す言葉もなく黙り込んだ。
「地位や魔力がないことは仕方がないと言えるが、信じる心を失ったのは貴様自身の問題だ。そのような男が相応しいとは到底思えぬな。これ以上の恥を晒す前にさっさと失せろ」
「クソッ!」
告白しようとした相手のことを信じられなかったことは恥ずべきことだ。裏切り者とまで言ってしまった自分がどの口で好きだと伝えるのかと唇を噛み締めると背を向けて去っていった
。
去っていくフィルの足音にミュゲットは肩を震わせる。
「お前と結婚しようなどと甘い夢を見ていた男はお前を裏切り者呼ばわりするような男だったぞ」
ミュゲットは反応しない。
「泣いているのか?」
顔を上げさせようとするがミュゲットは力を入れることで頭を上げようとしなかった。これで機嫌を悪くする可能性もあるというのに今は泣き顔を見られたくないと泣き声を我慢するために唇を噛み締める。
「答えよ」
「泣いてません」
嘘だとバレるだろう震えた声で否定する。また嘘をつくなと言われてしまうことへの言い訳を考えるも辛さに頭が回らない。
「余が泣かせたのか?」
「違います」
「なら泣き止め」
優しさのかけらもない言葉にミュゲットは目を擦って涙を拭いた。拭いたところでまつ毛は濡れていて目は赤い。泣いていないという嘘は通用しないだろうが、ミュゲットはなんでもない顔を作ってアルフローレンスを見上げる。
「舞えるのか?」
心配はそれかと腹は立つものの今日は何も言わないと決めている。アルフローレンスがグラキエスに帰ったらこんな思いをすることはなくなるのだからと怒りはグッと腹の奥底に沈めた。
「フローラリアの妖精に言ってるんですか?」
「妖精とて完璧ではないからな」
「妖精に会ったことが?」
「目の前にいる」
冗談で言ったつもりなのに真面目な顔で返すものだからミュゲットは思わず笑ってしまう。勘違いはしていない。フローラリアの妖精という呼び名はあくまでも愛称であって本物の妖精だからではない。自分で言うのは初めてで、アルフローレンスに軽口を言ったところでとわかっていながら言った言葉が予想外な言葉で返ってきたため驚いた。
本当にわからない人だとミュゲットは思う。機嫌が良いと言ってみたり、妖精の話に乗ってみたりと茶目っ気を感じさせたりもするのに信じられないほど冷酷な部分もあって。
人間には表と裏があると父親が言っていたが、アルフローレンスの場合、本来の冷酷さが表の顔だとすると裏の顔は茶目っ気ということになる。それは少し違うような気がして首を傾げるミュゲットの顔をアルフローレンスが覗き込んだ。
「考えすぎるな」
「考えさせすぎないでください」
「余のことを考えていたのか?」
「……いいえ」
「嘘をつくな」
肩を竦めたくなるほど早い指摘にミュゲットはまた笑いそうになる。笑いたくないのにと唇を噛み締めるミュゲットはアルフローレンスから離れて海を見る。
「アルは泳げますか?」
「グラキエスの温度下で泳ぐ者がいると思うのか?」
「泳げない言い訳としては的確ですね」
「余は泳げぬわけではない。泳がぬだけだ」
生意気なことを言うのも一種の賭けではあったが、今日のアルフローレンスは本人が言うだけあって何を言おうと許される。そんなことを嬉しく思うなんて馬鹿げているとわかっているが、相手が怒らないことがミュゲットにとっては一番大事なこと。怒ったアルフローレンスには近づきたくないし、相手にしたくない。殴られたことだってあるほどだ。でも今日はなぜか上機嫌。
「どうせお前とて泳げぬだろう」
「泳げないわけじゃないです。好きじゃないだけですから」
「泳げぬ言い訳としては的確だな」
可愛げのない性格だと思いながらも安堵にミュゲットは小さな笑みをこぼした。
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