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神様のお考え
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「おい! どういうつもりだよ!」
天界では一部だけが大騒ぎになっていた。
神室へのドアを思いきり蹴り開けて中へ入ったレオは怒りが目に見えるほど全身から感情を醸し出し、周りが止めるのを振り払ってヨナスに迫っていく。
「なんだ、騒々しい」
「どういうつもりかって聞いてんだよ!」
何故そんなに怒っているのかを聞けばレオは今より更に激昂するだろう。
面倒はごめんだと余計なことを言うのはやめて本題に入った。
「フローリアのことか?」
「当たり前だ! それ以外に何があるってんだ!」
レオにとって大事なのはフローリアだけ。天使の仕事よりもフローリアが何より大事だった。
それが今、レオの手から失われようとしている。焦らないはずがない。
「お前、最初からこうなるってわかってただろ。全部わかった上でフローリアを行かせたんだろ!!」
「レオ! 口を慎みなさい!」
「うるせぇ! 黙ってろ!」
神室に居たヨナスの側近たちが次々に声を上げるもレオが怒鳴れば一斉に黙る。
今のレオは触れば爆発しかねない状態で、暴れれば手がつけられないタイプであることは皆が知っている。止められるのはアーウィンかヨナスだけ。
対峙している相手がそのヨナスであるため暴走が止められないという心配はないが、ヨナスの怒りを買ってレオが罰を受けないかを心配していた。
「あの願いはアイツが叶える事じゃねぇだろ!」
「他の奴ならいいと?」
「ああそうだよ! フローリア以外なら誰でもいい! 今すぐ連れ戻せ!」
「叶えてしまった以上それはできん」
玉座で長い足を優雅に組みながら肘置きの上で頬杖をつくヨナスに焦りは見えない。
神は全てを知っている。だから今、フローリアがどういう状況であるかも把握できているが、焦りもなければ動こうともしない。
全て、こうなることがわかっていたかのような態度だ。
「何でアイツにこんなもん任せたんだよ! 適任じゃねぇだろ!」
レオにとってフローリアは大事な存在。自分が守ってやらなければならないと思っていたし、ずっとそうしてきたつもりだった。
それはこれからも変わらないはずだったし、永遠にフローリアと一緒にいるつもりだったのに、あの仕事が全てを台無しにした。
出来損ないと、ポンコツと名高いフローリアには祝福の仕事を振っているのが正しく、神からの勅命などにが重すぎることは生まれたての天使にだってわかる。
それを神であるヨナスがわかっていないはずがないのに、ヨナスに悪びれる様子はない。
「アイツに人間の役が務まるわけねぇだろ! アイツはまだ──!」
「お前はいつまでアイツを子供扱いするつもりだ?」
「なん……」
ヨナスの言葉にレオが言葉を詰まらせる。
「何に怒っている? フローリアが任務を失敗したことか? それによってフローリアが戻れなくなったことか? それとも一緒にいられるはずだった人生設計が壊れてしまったことか?」
「俺はフローリアが困ってるのに助けないお前に怒ってんだよ!」
「仕事には責任がつきまとう。フローリアはもっと慎重になるべきだった。熟考し、自信がないならその場でアーウィンに問うべきだった」
「アーウィンのせいで飛び出したんだよ! 頼るわけねぇだろ!」
「それは俺の知ったことではない」
突き放すような言い方にレオの怒りが燃え上がる。
「お前がもっと簡単な仕事を振り分けてりゃこんなことにはならなかったんだぞ!」
「仕事に簡単も困難もない。フローリアの成績なら尚更だ」
「お前が判断しねぇから失敗したんだろうが! フローリアは成長に時間がかかるんだ! もっと誰かが傍にいて手伝ってやんなきゃいけなかったんだ! それなのに──」
「お前が離れたくないだけのことをアイツの成長を理由にするな」
向けられる目があまりの冷たさにのレオは思わず一度視線を逸らす。
フローリアは天使としては出来損ないだが、レオはそれでも呆れることなく好きだった。だから離れるなど考えたことはなかったし、ずっと一緒だと思っていたのに、今は声さえ届かない。
許可がなければ地上に降りることもできない立場。どんな感情を持っていようとも力を持たなければ現状に抗うこともできない。それがもどかしかった。
「お前もわかっていたはずだ」
「何がだよ……」
視線を逸らしたまま呟くように返すとヨナスが言った。
「フローリアは遅かれ早かれ羽根を失うことになると」
無意識に息を止めてしまうほど聞きたくない言葉だった。
「……アイツはずっと……このままなのか?」
「だろうな」
「アイツが望んだ事じゃないだろ……」
「そうだな」
「相談もさせずにこんなのってアリかよ……」
神はフローリアを見捨てた。そう受け取ることもできるような措置だった。
これは仕事。そう簡単に割り切れるような内容ではない。実際にフローリアは困惑し悲しんでいる。
戻りたいと願い、空を見上げて祈り続けているのに何故それを叶えてやらないのかが不思議でならなかった。
「俺たちは人間とは違う。寝ることも食うこともしねぇし、歩くこともしねぇ」
「設定に問題はない。過保護な親だ。一から面倒を看ることだろう」
設定。フローリア・ベルという存在はクローディアの願いに付属していたものではなく、様子を見ていたヨナスが作り出したもの。彼らの記憶操作を行ったのもヨナスだ。
フローリアの前に現れて説明してやったほうがいいのだろうが、フローリアは自分で学ぶことを覚えなくてはならない。
困ればなんでもレオがやってしまい、フローリアはそれにありがとうと微笑むだけで物事はスムーズに進んだ。アーウィンがそれを見逃すはずもないため成績はいつも最下位だったが、これからはそれさえも通用しない世界に降り立った。
そんなフローリアが願いを叶えた相手が王家の人間だったのは幸いとさえ言えるだろう。
「ふざけんな! ふざけんじゃねぇぞ!」
「レオ! やめなさい! 死にたいのか!」
食べない眠らない歩かない学ばない。機械のようにムダのない生活を送ってきた天使が人間のように生きていけるわけがないと言いきりたかったが、レオにはできなかった。
実際に人間界に落ちて人間として生活している天使は意外にも数えきれないほどいる。羽根を失い、力を失えばその身体はもう人間と同じ。天界を恋しく思ったところで戻れないのだから順応していくしかない。
手助けをしなければフローリアもいつしか羽根のない生活に慣れて足で歩いて人間と変わらない生活をするだろう。
そんなことは想像するだけでも耐えられないレオが声を張り上げる。
「俺は絶対認めねぇからな!」
「お前が認めようが反対しようが関係ない。これはお前の人生ではなく、フローリアの人生だ」
「テメェが決めてんじゃねぇ! 何が神だ! 何が誰かが不幸になる願いは叶えてはいけないだ! フローリアが不幸になってんじゃねぇかよ! その目で何見てやがる! 腐ってんならくり抜いちまえ!」
「いい加減にしろ!!」
両腕を掴まれて部屋から完全に引きずり出されるまでレオは叫び続ける。
睨みつけながら吠えたところでヨナスの態度は変わらなかった。
「全ては神の御心のままに、だ」
「ふざけんなッ! ふざけっ──!」
扉が閉まる直前に聞こえた言葉に目を見開けば、その大きな瞳に映ったのは不敵な笑みを浮かべるヨナスの顔。
憎らしい。
恨めしい。
叫ぶレオの声もドアが閉まれば神室には届かなくなる。
これだから面白いと笑うヨナスの隣でアーウィンが咳払いをした。
「さてフローリア、お前はどうする?」
目の前に映しだされるフローリアの姿。
レオが言ったとおり、ヨナスにはこうなることがわかっていた。
死にたいと、そればかりを願っていたクローディアの願いは書類が出来上がったときにはまだ候補がなく、願い事の欄は空白だった。
それが決まったのはフローリアが叶える直前。
ちゃんとマニュアルを読んでおけば【願い事を聞いておくこと】と書いてあった。
それもせずにヨナスの力を宿して叶えられる状態を先に作ってしまったフローリアの失敗。
「これがお前の新しい人生だ」
フローリアにとっては最悪の状況で、眠ることもできず、ずっとキョロキョロと部屋中を見回す姿を見ながら呟くヨナスの声を聞きながらアーウィンは映像を見ていられず目を閉じた。
天界では一部だけが大騒ぎになっていた。
神室へのドアを思いきり蹴り開けて中へ入ったレオは怒りが目に見えるほど全身から感情を醸し出し、周りが止めるのを振り払ってヨナスに迫っていく。
「なんだ、騒々しい」
「どういうつもりかって聞いてんだよ!」
何故そんなに怒っているのかを聞けばレオは今より更に激昂するだろう。
面倒はごめんだと余計なことを言うのはやめて本題に入った。
「フローリアのことか?」
「当たり前だ! それ以外に何があるってんだ!」
レオにとって大事なのはフローリアだけ。天使の仕事よりもフローリアが何より大事だった。
それが今、レオの手から失われようとしている。焦らないはずがない。
「お前、最初からこうなるってわかってただろ。全部わかった上でフローリアを行かせたんだろ!!」
「レオ! 口を慎みなさい!」
「うるせぇ! 黙ってろ!」
神室に居たヨナスの側近たちが次々に声を上げるもレオが怒鳴れば一斉に黙る。
今のレオは触れば爆発しかねない状態で、暴れれば手がつけられないタイプであることは皆が知っている。止められるのはアーウィンかヨナスだけ。
対峙している相手がそのヨナスであるため暴走が止められないという心配はないが、ヨナスの怒りを買ってレオが罰を受けないかを心配していた。
「あの願いはアイツが叶える事じゃねぇだろ!」
「他の奴ならいいと?」
「ああそうだよ! フローリア以外なら誰でもいい! 今すぐ連れ戻せ!」
「叶えてしまった以上それはできん」
玉座で長い足を優雅に組みながら肘置きの上で頬杖をつくヨナスに焦りは見えない。
神は全てを知っている。だから今、フローリアがどういう状況であるかも把握できているが、焦りもなければ動こうともしない。
全て、こうなることがわかっていたかのような態度だ。
「何でアイツにこんなもん任せたんだよ! 適任じゃねぇだろ!」
レオにとってフローリアは大事な存在。自分が守ってやらなければならないと思っていたし、ずっとそうしてきたつもりだった。
それはこれからも変わらないはずだったし、永遠にフローリアと一緒にいるつもりだったのに、あの仕事が全てを台無しにした。
出来損ないと、ポンコツと名高いフローリアには祝福の仕事を振っているのが正しく、神からの勅命などにが重すぎることは生まれたての天使にだってわかる。
それを神であるヨナスがわかっていないはずがないのに、ヨナスに悪びれる様子はない。
「アイツに人間の役が務まるわけねぇだろ! アイツはまだ──!」
「お前はいつまでアイツを子供扱いするつもりだ?」
「なん……」
ヨナスの言葉にレオが言葉を詰まらせる。
「何に怒っている? フローリアが任務を失敗したことか? それによってフローリアが戻れなくなったことか? それとも一緒にいられるはずだった人生設計が壊れてしまったことか?」
「俺はフローリアが困ってるのに助けないお前に怒ってんだよ!」
「仕事には責任がつきまとう。フローリアはもっと慎重になるべきだった。熟考し、自信がないならその場でアーウィンに問うべきだった」
「アーウィンのせいで飛び出したんだよ! 頼るわけねぇだろ!」
「それは俺の知ったことではない」
突き放すような言い方にレオの怒りが燃え上がる。
「お前がもっと簡単な仕事を振り分けてりゃこんなことにはならなかったんだぞ!」
「仕事に簡単も困難もない。フローリアの成績なら尚更だ」
「お前が判断しねぇから失敗したんだろうが! フローリアは成長に時間がかかるんだ! もっと誰かが傍にいて手伝ってやんなきゃいけなかったんだ! それなのに──」
「お前が離れたくないだけのことをアイツの成長を理由にするな」
向けられる目があまりの冷たさにのレオは思わず一度視線を逸らす。
フローリアは天使としては出来損ないだが、レオはそれでも呆れることなく好きだった。だから離れるなど考えたことはなかったし、ずっと一緒だと思っていたのに、今は声さえ届かない。
許可がなければ地上に降りることもできない立場。どんな感情を持っていようとも力を持たなければ現状に抗うこともできない。それがもどかしかった。
「お前もわかっていたはずだ」
「何がだよ……」
視線を逸らしたまま呟くように返すとヨナスが言った。
「フローリアは遅かれ早かれ羽根を失うことになると」
無意識に息を止めてしまうほど聞きたくない言葉だった。
「……アイツはずっと……このままなのか?」
「だろうな」
「アイツが望んだ事じゃないだろ……」
「そうだな」
「相談もさせずにこんなのってアリかよ……」
神はフローリアを見捨てた。そう受け取ることもできるような措置だった。
これは仕事。そう簡単に割り切れるような内容ではない。実際にフローリアは困惑し悲しんでいる。
戻りたいと願い、空を見上げて祈り続けているのに何故それを叶えてやらないのかが不思議でならなかった。
「俺たちは人間とは違う。寝ることも食うこともしねぇし、歩くこともしねぇ」
「設定に問題はない。過保護な親だ。一から面倒を看ることだろう」
設定。フローリア・ベルという存在はクローディアの願いに付属していたものではなく、様子を見ていたヨナスが作り出したもの。彼らの記憶操作を行ったのもヨナスだ。
フローリアの前に現れて説明してやったほうがいいのだろうが、フローリアは自分で学ぶことを覚えなくてはならない。
困ればなんでもレオがやってしまい、フローリアはそれにありがとうと微笑むだけで物事はスムーズに進んだ。アーウィンがそれを見逃すはずもないため成績はいつも最下位だったが、これからはそれさえも通用しない世界に降り立った。
そんなフローリアが願いを叶えた相手が王家の人間だったのは幸いとさえ言えるだろう。
「ふざけんな! ふざけんじゃねぇぞ!」
「レオ! やめなさい! 死にたいのか!」
食べない眠らない歩かない学ばない。機械のようにムダのない生活を送ってきた天使が人間のように生きていけるわけがないと言いきりたかったが、レオにはできなかった。
実際に人間界に落ちて人間として生活している天使は意外にも数えきれないほどいる。羽根を失い、力を失えばその身体はもう人間と同じ。天界を恋しく思ったところで戻れないのだから順応していくしかない。
手助けをしなければフローリアもいつしか羽根のない生活に慣れて足で歩いて人間と変わらない生活をするだろう。
そんなことは想像するだけでも耐えられないレオが声を張り上げる。
「俺は絶対認めねぇからな!」
「お前が認めようが反対しようが関係ない。これはお前の人生ではなく、フローリアの人生だ」
「テメェが決めてんじゃねぇ! 何が神だ! 何が誰かが不幸になる願いは叶えてはいけないだ! フローリアが不幸になってんじゃねぇかよ! その目で何見てやがる! 腐ってんならくり抜いちまえ!」
「いい加減にしろ!!」
両腕を掴まれて部屋から完全に引きずり出されるまでレオは叫び続ける。
睨みつけながら吠えたところでヨナスの態度は変わらなかった。
「全ては神の御心のままに、だ」
「ふざけんなッ! ふざけっ──!」
扉が閉まる直前に聞こえた言葉に目を見開けば、その大きな瞳に映ったのは不敵な笑みを浮かべるヨナスの顔。
憎らしい。
恨めしい。
叫ぶレオの声もドアが閉まれば神室には届かなくなる。
これだから面白いと笑うヨナスの隣でアーウィンが咳払いをした。
「さてフローリア、お前はどうする?」
目の前に映しだされるフローリアの姿。
レオが言ったとおり、ヨナスにはこうなることがわかっていた。
死にたいと、そればかりを願っていたクローディアの願いは書類が出来上がったときにはまだ候補がなく、願い事の欄は空白だった。
それが決まったのはフローリアが叶える直前。
ちゃんとマニュアルを読んでおけば【願い事を聞いておくこと】と書いてあった。
それもせずにヨナスの力を宿して叶えられる状態を先に作ってしまったフローリアの失敗。
「これがお前の新しい人生だ」
フローリアにとっては最悪の状況で、眠ることもできず、ずっとキョロキョロと部屋中を見回す姿を見ながら呟くヨナスの声を聞きながらアーウィンは映像を見ていられず目を閉じた。
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