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後悔
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夜、クラリッサはいつもどおりテラスに出た。森を見ればキラッと光って合図が送られてくる。ここでクラリッサが手を振れば一瞬でエイベルが迎えに来て森へと連れて行ってくれるのだが、今日はそれでは意味がないとクラリッサは手を振らずに部屋の中へと戻っていく。いくらダークエルフの目が良くとも透視ができるわけではないため部屋の中に入ってしまえば何をしているかまではわからない。
アイレが浮かせてくれたストールを頭からかぶって全身を覆えば、もう一度テラスに出てドアを閉める。姿が見えなければ内側から閉めたと思うだろう。そしてカンカンと音が鳴るため靴履かずに階段を降り、地面に降りたところで音がしない庭の上で靴を履く。
本当にバレないものかとアイレを見ると親指を立てている。ここからは声は出せない。小声であろうと静寂な夜の中では聞かれる可能性があるからだ。
目指すはエイベルの居住区。二人は顔を見合わせて頷き、一直線に目的地へと急いだ。
入っていく森の中。いつもはあっという間に通り過ぎてしまう場所をそっと進んでいきながらも相変わらず幻想的な景色を見せてくれる森の中を少し楽しんでいた。
もうすぐエイベルに会える。驚いた顔を見られるとドキドキとワクワクで高鳴る胸を押さえながら進んだ先、前方にエイベルが見えた。
(誰かと一緒。でも女性じゃない)
いつもクラリッサが座っている場所にはエイベルが一人で座っており、その向かいの床に腰掛ける男が二人。エイベルの言う仲間なのだろう。
彼が女性以外といるのを見るのは初めてで、不思議と相手が女性でなければ胸がモヤつかないことに安堵しながらゆっくりと足を進めて距離を詰めるが、最接近するまでに足を止めた。同じストールをかぶっているアイレがエイベルたちに背を向けてクラリッサにだけ見えるよう顔を覗かせて「どうした?」と口を動かすが、声を発することができないため答えられない。
(エイベルが一人でいるって想像でやってきたのに、どうしよう)
三人ともこちらの気配を感じていないことからバレてはいないと思うが、エイベルの後ろに回り込んで姿を見せることをクラリッサは戸惑っていた。
ダークエルフの女たちが嫌味を言ってきたのは人間同様に刻まれた歴史があるからで、それを快く思っていないから攻撃的な言葉を吐いた。あの二人の男たちも彼女たちと同じであれば、人間がこうして入ってきていることに嫌悪感を示すかも知れない。普段は長であるエイベルが自ら連れてくるため何も言わないが、人間が自ら足を踏み込んで入ってくるとなると話は変わってくると思うかもしれないと考えると進むべきか迷ってしまう。
自分が責められるだけならいい。だが、もしエイベルが容易に森へ招き入れるからこういうことになるんだと責められたらどうしようと考えると足は前に進まない。
(帰ったほうがいいかもしれない……)
それが最善だと考えるが、アイレたちが一生懸命編んでくれたストールの、妖精だけが扱える糸にはこんなことができるのだと証明してやりたい気持ちもあった。狩りが得意なダークエルフでさえ人間の匂いも気配も気付かなくさせる代物だと証明してやりたかった。
そこでクラリッサは考えた。近くまで言って名前を呼ぶことにしよう。もし、どこから聞こえているのかわからなくとも誰の声かぐらいはわかるはず。そしてまた後日、あれは妖精が編んでくれたストールのおかげだったんだとネタバラシをすればいいと。
成功させるとストールの中で拳を握って踏み出した足はどんどんエイベルに近付いていく。耳元で声をかけてみようかと声を出さずに笑うクラリッサの耳に入ってきた三人の会話に思わず足が止まった。
「にしても、あの鑑賞用王女を手玉に取るなんて、さすがエイベルだよな」
「ムカつくモテ野郎とは思ってたが、人間の王女まで虜にするなんてな。やっぱムカつくぜ」
二人が笑いながらかける言葉にエイベルもいつもどおりのすました笑みを見せる。
手玉に取るという言葉の意味は知らないが、鑑賞用王女は自分しかいないため勘違いはしない。これは間違いなく自分の話だ。
「人間は殺してやりたいぐらい嫌いだが、あの王女はいいよな。やっぱ美人だわ」
「エイベルにベタ惚れだもんな。あの様子なら、なんでも言うこと聞きそうだし、なんかさせてみたか?」
「俺なら貢がせるね。他の男が自分のために大金出して貢いだ物を貢がせるって気分良いだろ」
「悪趣味だな。俺だったら脱がせる。そこらの芸術品より大事に扱われてる肌ってのがどんなもんか知りたいね」
苦笑も出ない下品な会話にクラリッサは戸惑っていた。エイベルは嫌味は言うが、下品なことは言わない。そんな男の周りにいる男たちがこうなのかと。裸を見せることに抵抗がなかった女のことを思えばダークエルフに羞恥や下品という言葉はないのかもしれないと思い、聞き苦しい会話をずっと聞いてはいられないためさっさと行動しようと足を踏み出した瞬間、エイベルが口を開いた。
「お前らではそれぐらいしか思い至らんだろうな」
上機嫌にさえ聞こえる声。
「誰もが膝をついて頭を垂れ、誰もが手に入れたがっている王女様にキスの応え方を教えられる者がこの世に何人いると思う? まだ見ぬ未来の夫でさえできんことかもしれないな。どんな男が王女の夫になるかは知らんが、虚勢ばかりで吠えるだけの男が相手ならキスの仕方さえ知らんだろう。それなら王女にキスの味を教えたのは俺ということになる。挨拶だと言って教えたことを今もまだ信じている。王女様はキスは手の甲にするものだと思っているんだからな。ハハッ、何度味わってもあの瞬間はいつも滾る」
ドクンと大きく脈打つ心臓の音が聞こえた。心臓から手まで一瞬で痺れるような感覚に思わず声が漏れそうだった。
あれは挨拶ではなくキス。伴侶とする愛の行為。それをエイベルはダークエルフの挨拶だと嘘をついていた。おかしいと思わなかったわけではない。挨拶と言いながらも会っている最中に何度も唇を重ねることがあったから。それを問いかけるとエイベルはいつも「挨拶は会った瞬間だけのものじゃない。お前がきょうだいに理由なくハグをするのと同じだ」と言
った。疑い一つ持たなかった自分が愚かだっただけのこと──そう思いながらもクラリッサの心臓の音は段々と大きくなっていく。
「俺が挨拶はと言えば簡単にしてくる。あの鑑賞用王女自らな」
エイベルの自慢するような言い方に男たちはヒューッと指笛を吹いて持ち上げる。
(鑑賞用王女だもの……間違ってないわ)
それが自他ともに認める価値であり、それがなければ何も知らない人形だ。価値がある人形でいられるだけ良いと思えと何度も自分に言い聞かせた。それでも苦しくて、辛くて、涙を流すこともあったが、いつもエイベルがそれを拭い取ってくれた。
この人と一緒にいるときだけは鑑賞用王女から解放されると思っていた。彼は自分をそういう扱いはしないのだと感じていた。だが、それも自分が勝手にそう思っていただけで、これがエイベルの本音なのだと知った以上はエイベルをからかう気にはなれない。
震える足をゆっくりと下げて来た道を戻っていく。あの日と同じで、勝手に森を訪れると惨めになる。なぜ一回で学習しないのか、なぜ上手くいくと思ってしまうのだろう。自分で考えて行動したことで幸せになったことなんて一度もないのに。
他の貴族と同じように鑑賞用王女が傍にいることが彼にとっては一種のステータスだったのかもしれない。ただの人間ではなく重宝されている人間だからこそ傍に置いて遊んでいた。復習の一つだった可能性もある。ダークエルフを忌み嫌っている男が最も大切にしている娘を惑わせた優越感と余計なことを覚えさせた征服感。そう思うと憎み合っているはずの人間を受け入れていたことにも納得がいくと、溢れる涙を拭いながら部屋へと戻った。
テラスのドアが開く音が聞こえたかなど気にはしない。すぐに閉めてしまうのだから。
その音に気付いて仲間を帰らせ合図を送ろうとしただろうかなんて期待はしない。
今はこの胸の痛みに押し潰されないようにすることで精一杯だった。
(ああ……また瞼が腫れてしまう。お父様に怒られる……)
止めようと思っても止まらない涙を止める方法があればいいのにと呑気にそんなことを考えながら枕を濡らす。
明日また起こしに来た使用人が悲鳴を上げることになるだろう。でもそんなことはもうどうでもいい。こんなことになるのはこれで最後だ。
これ以上バカを見るのはもうやめよう。誰も恨まない。提案したアイレも、騙していたエイベルも悪くない。アイレの提案を受け入れたのも、実行したのも自分。エイベルの嘘を受け入れ続けたのも自分。
「イリオリスな王女……」
何も知らない自分が悪いのだと、鑑賞用よりもずっと似合う言葉を自分に贈った。
アイレが浮かせてくれたストールを頭からかぶって全身を覆えば、もう一度テラスに出てドアを閉める。姿が見えなければ内側から閉めたと思うだろう。そしてカンカンと音が鳴るため靴履かずに階段を降り、地面に降りたところで音がしない庭の上で靴を履く。
本当にバレないものかとアイレを見ると親指を立てている。ここからは声は出せない。小声であろうと静寂な夜の中では聞かれる可能性があるからだ。
目指すはエイベルの居住区。二人は顔を見合わせて頷き、一直線に目的地へと急いだ。
入っていく森の中。いつもはあっという間に通り過ぎてしまう場所をそっと進んでいきながらも相変わらず幻想的な景色を見せてくれる森の中を少し楽しんでいた。
もうすぐエイベルに会える。驚いた顔を見られるとドキドキとワクワクで高鳴る胸を押さえながら進んだ先、前方にエイベルが見えた。
(誰かと一緒。でも女性じゃない)
いつもクラリッサが座っている場所にはエイベルが一人で座っており、その向かいの床に腰掛ける男が二人。エイベルの言う仲間なのだろう。
彼が女性以外といるのを見るのは初めてで、不思議と相手が女性でなければ胸がモヤつかないことに安堵しながらゆっくりと足を進めて距離を詰めるが、最接近するまでに足を止めた。同じストールをかぶっているアイレがエイベルたちに背を向けてクラリッサにだけ見えるよう顔を覗かせて「どうした?」と口を動かすが、声を発することができないため答えられない。
(エイベルが一人でいるって想像でやってきたのに、どうしよう)
三人ともこちらの気配を感じていないことからバレてはいないと思うが、エイベルの後ろに回り込んで姿を見せることをクラリッサは戸惑っていた。
ダークエルフの女たちが嫌味を言ってきたのは人間同様に刻まれた歴史があるからで、それを快く思っていないから攻撃的な言葉を吐いた。あの二人の男たちも彼女たちと同じであれば、人間がこうして入ってきていることに嫌悪感を示すかも知れない。普段は長であるエイベルが自ら連れてくるため何も言わないが、人間が自ら足を踏み込んで入ってくるとなると話は変わってくると思うかもしれないと考えると進むべきか迷ってしまう。
自分が責められるだけならいい。だが、もしエイベルが容易に森へ招き入れるからこういうことになるんだと責められたらどうしようと考えると足は前に進まない。
(帰ったほうがいいかもしれない……)
それが最善だと考えるが、アイレたちが一生懸命編んでくれたストールの、妖精だけが扱える糸にはこんなことができるのだと証明してやりたい気持ちもあった。狩りが得意なダークエルフでさえ人間の匂いも気配も気付かなくさせる代物だと証明してやりたかった。
そこでクラリッサは考えた。近くまで言って名前を呼ぶことにしよう。もし、どこから聞こえているのかわからなくとも誰の声かぐらいはわかるはず。そしてまた後日、あれは妖精が編んでくれたストールのおかげだったんだとネタバラシをすればいいと。
成功させるとストールの中で拳を握って踏み出した足はどんどんエイベルに近付いていく。耳元で声をかけてみようかと声を出さずに笑うクラリッサの耳に入ってきた三人の会話に思わず足が止まった。
「にしても、あの鑑賞用王女を手玉に取るなんて、さすがエイベルだよな」
「ムカつくモテ野郎とは思ってたが、人間の王女まで虜にするなんてな。やっぱムカつくぜ」
二人が笑いながらかける言葉にエイベルもいつもどおりのすました笑みを見せる。
手玉に取るという言葉の意味は知らないが、鑑賞用王女は自分しかいないため勘違いはしない。これは間違いなく自分の話だ。
「人間は殺してやりたいぐらい嫌いだが、あの王女はいいよな。やっぱ美人だわ」
「エイベルにベタ惚れだもんな。あの様子なら、なんでも言うこと聞きそうだし、なんかさせてみたか?」
「俺なら貢がせるね。他の男が自分のために大金出して貢いだ物を貢がせるって気分良いだろ」
「悪趣味だな。俺だったら脱がせる。そこらの芸術品より大事に扱われてる肌ってのがどんなもんか知りたいね」
苦笑も出ない下品な会話にクラリッサは戸惑っていた。エイベルは嫌味は言うが、下品なことは言わない。そんな男の周りにいる男たちがこうなのかと。裸を見せることに抵抗がなかった女のことを思えばダークエルフに羞恥や下品という言葉はないのかもしれないと思い、聞き苦しい会話をずっと聞いてはいられないためさっさと行動しようと足を踏み出した瞬間、エイベルが口を開いた。
「お前らではそれぐらいしか思い至らんだろうな」
上機嫌にさえ聞こえる声。
「誰もが膝をついて頭を垂れ、誰もが手に入れたがっている王女様にキスの応え方を教えられる者がこの世に何人いると思う? まだ見ぬ未来の夫でさえできんことかもしれないな。どんな男が王女の夫になるかは知らんが、虚勢ばかりで吠えるだけの男が相手ならキスの仕方さえ知らんだろう。それなら王女にキスの味を教えたのは俺ということになる。挨拶だと言って教えたことを今もまだ信じている。王女様はキスは手の甲にするものだと思っているんだからな。ハハッ、何度味わってもあの瞬間はいつも滾る」
ドクンと大きく脈打つ心臓の音が聞こえた。心臓から手まで一瞬で痺れるような感覚に思わず声が漏れそうだった。
あれは挨拶ではなくキス。伴侶とする愛の行為。それをエイベルはダークエルフの挨拶だと嘘をついていた。おかしいと思わなかったわけではない。挨拶と言いながらも会っている最中に何度も唇を重ねることがあったから。それを問いかけるとエイベルはいつも「挨拶は会った瞬間だけのものじゃない。お前がきょうだいに理由なくハグをするのと同じだ」と言
った。疑い一つ持たなかった自分が愚かだっただけのこと──そう思いながらもクラリッサの心臓の音は段々と大きくなっていく。
「俺が挨拶はと言えば簡単にしてくる。あの鑑賞用王女自らな」
エイベルの自慢するような言い方に男たちはヒューッと指笛を吹いて持ち上げる。
(鑑賞用王女だもの……間違ってないわ)
それが自他ともに認める価値であり、それがなければ何も知らない人形だ。価値がある人形でいられるだけ良いと思えと何度も自分に言い聞かせた。それでも苦しくて、辛くて、涙を流すこともあったが、いつもエイベルがそれを拭い取ってくれた。
この人と一緒にいるときだけは鑑賞用王女から解放されると思っていた。彼は自分をそういう扱いはしないのだと感じていた。だが、それも自分が勝手にそう思っていただけで、これがエイベルの本音なのだと知った以上はエイベルをからかう気にはなれない。
震える足をゆっくりと下げて来た道を戻っていく。あの日と同じで、勝手に森を訪れると惨めになる。なぜ一回で学習しないのか、なぜ上手くいくと思ってしまうのだろう。自分で考えて行動したことで幸せになったことなんて一度もないのに。
他の貴族と同じように鑑賞用王女が傍にいることが彼にとっては一種のステータスだったのかもしれない。ただの人間ではなく重宝されている人間だからこそ傍に置いて遊んでいた。復習の一つだった可能性もある。ダークエルフを忌み嫌っている男が最も大切にしている娘を惑わせた優越感と余計なことを覚えさせた征服感。そう思うと憎み合っているはずの人間を受け入れていたことにも納得がいくと、溢れる涙を拭いながら部屋へと戻った。
テラスのドアが開く音が聞こえたかなど気にはしない。すぐに閉めてしまうのだから。
その音に気付いて仲間を帰らせ合図を送ろうとしただろうかなんて期待はしない。
今はこの胸の痛みに押し潰されないようにすることで精一杯だった。
(ああ……また瞼が腫れてしまう。お父様に怒られる……)
止めようと思っても止まらない涙を止める方法があればいいのにと呑気にそんなことを考えながら枕を濡らす。
明日また起こしに来た使用人が悲鳴を上げることになるだろう。でもそんなことはもうどうでもいい。こんなことになるのはこれで最後だ。
これ以上バカを見るのはもうやめよう。誰も恨まない。提案したアイレも、騙していたエイベルも悪くない。アイレの提案を受け入れたのも、実行したのも自分。エイベルの嘘を受け入れ続けたのも自分。
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