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ロベリア復活
霊園
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霊園に来るのは五年ぶり。ロベリアがいなければ足を踏み入れることもなかった。
(本当に五年ぶりか?)
つい最近、ここ数ヶ月の間にこの場所に足を踏み入れたような感覚があり、懐かしい場所とは思えない。少女の映像のこともあって最近は自分の記憶を疑うようになっている。
「懐かしい!」
「お前はよく来ていたからな」
「あなたをこの世界に誕生させてくれた二人よ。私ね、あなたのご両親にはとっても感謝してるの。あなたに出会えたから私は幸せなんだもの。あなたじゃなきゃ私はこんなに幸せな人生は送れなかった」
馬車を降りて寄り添うロベリアの腰を抱きながらキルヒシュ家の墓へと向かう。代々この国を守ってきた皇帝皇妃の墓。ファーディナンドが嫌悪する場所。
ロベリアに連れられるままに墓の前まで向かい、見上げるほど大きな墓石の前で立ち止まった。アイゼンが抱えていた花束をロベリアが受け取ってそっと供える。胸に両手を当てて心の中で語りかける間、ファーディナンドはただ墓を見つめるだけ。頭を下げることもしない。触れることも。
皇帝になる自覚を持て。失望させるな。真面目に生きろ。傲慢になるな。そう教えておきながら、大人になった息子に彼らが吐いた言葉は『つまらない人間になったな』だった。
自分が我慢してきたことはなんだったのか。自分はなんのためにあれだけの教育を受け、両親の言葉に従ってきたのかがわからなくなった瞬間だった。
自分たちの教えが間違っていたなどと微塵も思っていなかっただろう。息子につまらない人間と吐き捨てた彼らこそ傲慢であったのにそれにさえ気付いていなかった。
(自分が間違っていないと思っていたその傲慢さが不幸を呼び寄せたのだ)
嘲笑うように心の中で言い放った瞬間、胸がズキンと痛んだ。
「ちゃんとお話した?」
「ああ」
「本当に?」
「もちろんだ」
「嘘ばっかり」
ふふっと笑ってまた寄り添うロベリアの腰を再度抱いて、来た道を戻る。よく手入れが行き届いた美しい霊園。ロベリアはこの場所が好きだった。だから足早に帰ろうとするファーディナンドを横につけ、ゆっくりとした足取りに変える。
「あら?」
来たときには気付かなかった物に気付いたロベリアが方向を変える。
「最近、誰か死んだの?」
「いや、誰も死んではないが」
「でも、あの墓石は新しいわ」
皇族だけの霊園に新しい墓石などあるはずはないのだが、ロベリアが指す墓石は確かに真新しい物だった。
二人で寄って名前を確認するも二人は「ああ」とは言わない。
「リンウッド? 知り合い?」
「知らん」
「私も知らない」
おかしいと二人揃って怪訝な表情を見せる。
ここに墓を建てるには皇帝の許可がいる。リンウッドという名前を知らないということは彼は許可を出していないということになる。それなのにキレイな墓が建っている。ただ建って名前が刻まれているだけではなく、言葉が刻まれている。
【リンウッド・ヘイグ ここに眠る。あなたを忘れない】
よほど思い入れがなければ墓に言葉は残さない。
「誰かがここに勝手に墓石を運び入れたとか?」
「門の鍵は管理人だけが持っている。ありえん」
霊園を囲む塀も門も高さ四メートルはあり、一人では到底押し開けられない。皇帝が直接訪れるか、関係者が事前連絡しなければ開けることはできない。交代制で二十四時間、門番が立っている。勝手に門を押し開けるのは不可能で、四メートルある塀をなんとかして人間が超えたとしても墓石を中に放り投げるなどあり得ない話だ。
だが、ここに知らない人間の墓が建っているのは現実。
「アイゼンは知ってる?」
「いえ、存じ上げません」
「じゃあどうしてこんな所に見知らぬ人のお墓があるのかしら?」
不思議ねぇと墓を撫でるロベリアを見ていると急に軽い頭痛を感じた。
「リンウッド……ヘイグ……」
ザザッと頭の中で砂嵐の音がする。
『──は愛されるために生まれてきたんだ!! 誰かの代わりに生きるために生まれてきたんじゃない!!』
「ッ!」
「ファーディナンド?」
ズキンッと強い痛みに襲われる。頭の中で知らない男の声がする。狂気めいた怒声だ。
『世界で一番清らかで優しい女性を妻にしておきながら愛そうともしないお前のもとに置いておくことはできない!! 僕が──を幸せにする!! 彼女はお前のようなクズが触れていい人間じゃないんだ!!』
腹の底から湧き上がるマグマのような怒りを感じる。必死、とも言えるその声に頭痛は増すばかり。少女を思い出そうとするとき伸ばして痛みによく似ている。
『妻が恋しいならお前が死ねばいい!! お前が死んで妻のもとへ行けばいいだろ!! 他人を犠牲にしてまで生きようとするな!! お前のような人間が一人消えたぐらいで世界は変わらない!! でも──が死ねば大勢の人間が悲しむんだ!! 親も友人もいないお前とは違う!! ──は愛されて生きてきたんだ!! それをお前が壊すな!!』
声が段々と鮮明になっていく。怒っているのは知らない男だが、男はこちらに怒りを向けていることがわかる。
男はこちらの企みを知っていた。ロベリアを生き返らせるために犠牲を払ったことを知っていたのだ。
(終焉の森に同行した騎士の関係者? いや、違う。女が関係している……)
男は確かに『妻にしておきながら』と言った。しかし、ロベリアが死んで以降、誰も妻にはしていない。するはずがない。最愛の妻を取り戻すために魔女と契約を交わしたのだから。
だが、だとしたら何故、男はそう言ったのか。
(あの少女が関係しているというのか……? 妻……?)
名前だけが聞こえない。その名前は自分が知りたい少女の名前かもしれないのに、そこだけが砂嵐の音が大きくなって聞こえない。
(邪魔をするな!)
誰の名だ。名前が知りたい。血管が破裂するのではないかと思うほど痛む頭でより深く集中しようとすると映像が流れてきた。
痩せ細った……いや、痩せこけた男が開いた窓にフラつきながら近付いていく。窓枠に手をかけて振り向き、笑顔を見せた。とても穏やかで優しい笑顔。そのまま窓枠に腰掛け、穏やかな声で言った。
『イ──、僕を忘れないで。せめて、君の中でだけでも永遠になりたいんだ』
掴んでいた窓枠から手を離し、背中から庭へと姿を消した男。
(イ……?)
そこにあの少女もいたのだろうか。
(妻として……?)
何かが破壊されたような音の直後に悲鳴が響き渡り、映像は途切れた。
「ッ!!」
映像が切れる直前、視界の端に白い髪が映った。ロベリアではない。あの少女だ。だが、声は聞こえなかった。
何かに頭を締め付けられているような壮絶な痛みに思わず膝をつく。
「ファーディナンド!? どうしたの!?」
「ああッ!! なん、だ……!」
まるで鈍器で頭を殴られているかのような痛みに声を上げるファーディナンドにロベリアが悲鳴を上げ、アイゼンは馬車の前で待機しているウォルフを呼んだ。
駆けつけたウォルフがファーディナンドを抱えて馬車へと運び、猛スピードで城へと戻っていく。
「イ……」
「何? どうしたの?」
馬車の中、伸ばしてくる手を握りながらロベリアが問う。
(お前は犠牲者なのか……)
魔女との契約に自分は器を用意すると言った。死んだときより若返っているのは魔女の計らいではなく、ロベリアの器となった者が若かったから。名前も顔も思い出せない少女。思い出そうとするとひどい頭痛がする。
男は少女の知り合いなのだろう。契約のための贄とするのが許せなかった。ロベリアの魂を降ろすために妻という立場に置いていたことを男が知っていたのだとしたらあの怒りも当然だ。
きっと、男は少女を愛していた。誰よりも、心から。
しかし、男は身を投げ出す直前、笑顔だった。死を選ぶことが救いであるかのように笑っていた。
【あなたを忘れない】
あの墓を作ったのは自分かもしれない。記憶はないが、自分が作ったのだとすればあの場所に墓があるのも不思議ではない。しかし、何故忘れている? 何故思い出せない? 墓を建てるほど大事な相手だったのではないのか。
(少女のためか……?)
断片的に出てくるのに何も結びつかない記憶がもどかしい。
思い出せないまま激しくなる一方の頭痛にファーディナンドは意識を手放した。
(本当に五年ぶりか?)
つい最近、ここ数ヶ月の間にこの場所に足を踏み入れたような感覚があり、懐かしい場所とは思えない。少女の映像のこともあって最近は自分の記憶を疑うようになっている。
「懐かしい!」
「お前はよく来ていたからな」
「あなたをこの世界に誕生させてくれた二人よ。私ね、あなたのご両親にはとっても感謝してるの。あなたに出会えたから私は幸せなんだもの。あなたじゃなきゃ私はこんなに幸せな人生は送れなかった」
馬車を降りて寄り添うロベリアの腰を抱きながらキルヒシュ家の墓へと向かう。代々この国を守ってきた皇帝皇妃の墓。ファーディナンドが嫌悪する場所。
ロベリアに連れられるままに墓の前まで向かい、見上げるほど大きな墓石の前で立ち止まった。アイゼンが抱えていた花束をロベリアが受け取ってそっと供える。胸に両手を当てて心の中で語りかける間、ファーディナンドはただ墓を見つめるだけ。頭を下げることもしない。触れることも。
皇帝になる自覚を持て。失望させるな。真面目に生きろ。傲慢になるな。そう教えておきながら、大人になった息子に彼らが吐いた言葉は『つまらない人間になったな』だった。
自分が我慢してきたことはなんだったのか。自分はなんのためにあれだけの教育を受け、両親の言葉に従ってきたのかがわからなくなった瞬間だった。
自分たちの教えが間違っていたなどと微塵も思っていなかっただろう。息子につまらない人間と吐き捨てた彼らこそ傲慢であったのにそれにさえ気付いていなかった。
(自分が間違っていないと思っていたその傲慢さが不幸を呼び寄せたのだ)
嘲笑うように心の中で言い放った瞬間、胸がズキンと痛んだ。
「ちゃんとお話した?」
「ああ」
「本当に?」
「もちろんだ」
「嘘ばっかり」
ふふっと笑ってまた寄り添うロベリアの腰を再度抱いて、来た道を戻る。よく手入れが行き届いた美しい霊園。ロベリアはこの場所が好きだった。だから足早に帰ろうとするファーディナンドを横につけ、ゆっくりとした足取りに変える。
「あら?」
来たときには気付かなかった物に気付いたロベリアが方向を変える。
「最近、誰か死んだの?」
「いや、誰も死んではないが」
「でも、あの墓石は新しいわ」
皇族だけの霊園に新しい墓石などあるはずはないのだが、ロベリアが指す墓石は確かに真新しい物だった。
二人で寄って名前を確認するも二人は「ああ」とは言わない。
「リンウッド? 知り合い?」
「知らん」
「私も知らない」
おかしいと二人揃って怪訝な表情を見せる。
ここに墓を建てるには皇帝の許可がいる。リンウッドという名前を知らないということは彼は許可を出していないということになる。それなのにキレイな墓が建っている。ただ建って名前が刻まれているだけではなく、言葉が刻まれている。
【リンウッド・ヘイグ ここに眠る。あなたを忘れない】
よほど思い入れがなければ墓に言葉は残さない。
「誰かがここに勝手に墓石を運び入れたとか?」
「門の鍵は管理人だけが持っている。ありえん」
霊園を囲む塀も門も高さ四メートルはあり、一人では到底押し開けられない。皇帝が直接訪れるか、関係者が事前連絡しなければ開けることはできない。交代制で二十四時間、門番が立っている。勝手に門を押し開けるのは不可能で、四メートルある塀をなんとかして人間が超えたとしても墓石を中に放り投げるなどあり得ない話だ。
だが、ここに知らない人間の墓が建っているのは現実。
「アイゼンは知ってる?」
「いえ、存じ上げません」
「じゃあどうしてこんな所に見知らぬ人のお墓があるのかしら?」
不思議ねぇと墓を撫でるロベリアを見ていると急に軽い頭痛を感じた。
「リンウッド……ヘイグ……」
ザザッと頭の中で砂嵐の音がする。
『──は愛されるために生まれてきたんだ!! 誰かの代わりに生きるために生まれてきたんじゃない!!』
「ッ!」
「ファーディナンド?」
ズキンッと強い痛みに襲われる。頭の中で知らない男の声がする。狂気めいた怒声だ。
『世界で一番清らかで優しい女性を妻にしておきながら愛そうともしないお前のもとに置いておくことはできない!! 僕が──を幸せにする!! 彼女はお前のようなクズが触れていい人間じゃないんだ!!』
腹の底から湧き上がるマグマのような怒りを感じる。必死、とも言えるその声に頭痛は増すばかり。少女を思い出そうとするとき伸ばして痛みによく似ている。
『妻が恋しいならお前が死ねばいい!! お前が死んで妻のもとへ行けばいいだろ!! 他人を犠牲にしてまで生きようとするな!! お前のような人間が一人消えたぐらいで世界は変わらない!! でも──が死ねば大勢の人間が悲しむんだ!! 親も友人もいないお前とは違う!! ──は愛されて生きてきたんだ!! それをお前が壊すな!!』
声が段々と鮮明になっていく。怒っているのは知らない男だが、男はこちらに怒りを向けていることがわかる。
男はこちらの企みを知っていた。ロベリアを生き返らせるために犠牲を払ったことを知っていたのだ。
(終焉の森に同行した騎士の関係者? いや、違う。女が関係している……)
男は確かに『妻にしておきながら』と言った。しかし、ロベリアが死んで以降、誰も妻にはしていない。するはずがない。最愛の妻を取り戻すために魔女と契約を交わしたのだから。
だが、だとしたら何故、男はそう言ったのか。
(あの少女が関係しているというのか……? 妻……?)
名前だけが聞こえない。その名前は自分が知りたい少女の名前かもしれないのに、そこだけが砂嵐の音が大きくなって聞こえない。
(邪魔をするな!)
誰の名だ。名前が知りたい。血管が破裂するのではないかと思うほど痛む頭でより深く集中しようとすると映像が流れてきた。
痩せ細った……いや、痩せこけた男が開いた窓にフラつきながら近付いていく。窓枠に手をかけて振り向き、笑顔を見せた。とても穏やかで優しい笑顔。そのまま窓枠に腰掛け、穏やかな声で言った。
『イ──、僕を忘れないで。せめて、君の中でだけでも永遠になりたいんだ』
掴んでいた窓枠から手を離し、背中から庭へと姿を消した男。
(イ……?)
そこにあの少女もいたのだろうか。
(妻として……?)
何かが破壊されたような音の直後に悲鳴が響き渡り、映像は途切れた。
「ッ!!」
映像が切れる直前、視界の端に白い髪が映った。ロベリアではない。あの少女だ。だが、声は聞こえなかった。
何かに頭を締め付けられているような壮絶な痛みに思わず膝をつく。
「ファーディナンド!? どうしたの!?」
「ああッ!! なん、だ……!」
まるで鈍器で頭を殴られているかのような痛みに声を上げるファーディナンドにロベリアが悲鳴を上げ、アイゼンは馬車の前で待機しているウォルフを呼んだ。
駆けつけたウォルフがファーディナンドを抱えて馬車へと運び、猛スピードで城へと戻っていく。
「イ……」
「何? どうしたの?」
馬車の中、伸ばしてくる手を握りながらロベリアが問う。
(お前は犠牲者なのか……)
魔女との契約に自分は器を用意すると言った。死んだときより若返っているのは魔女の計らいではなく、ロベリアの器となった者が若かったから。名前も顔も思い出せない少女。思い出そうとするとひどい頭痛がする。
男は少女の知り合いなのだろう。契約のための贄とするのが許せなかった。ロベリアの魂を降ろすために妻という立場に置いていたことを男が知っていたのだとしたらあの怒りも当然だ。
きっと、男は少女を愛していた。誰よりも、心から。
しかし、男は身を投げ出す直前、笑顔だった。死を選ぶことが救いであるかのように笑っていた。
【あなたを忘れない】
あの墓を作ったのは自分かもしれない。記憶はないが、自分が作ったのだとすればあの場所に墓があるのも不思議ではない。しかし、何故忘れている? 何故思い出せない? 墓を建てるほど大事な相手だったのではないのか。
(少女のためか……?)
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