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15話 恋愛証明でお仕事

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『《推しであるアイドルへの感情との比較》
 一.アイドルには性的接触を求めない。
 二.皇 秀英に対しては甘えられる。関係に安心感がある。
 三.アイドルに対しては“永遠に生きてほしい”、皇 秀英に対しては“一緒に死のう”という感情がある』

「以上の一、二から、アイドルよりも僕に対する感情の方が恋愛の定義に近いといえます。
 三についても、僕への恋愛感情が表れていると考えられます。
 永遠に生きてほしいのは自分の人生と隔絶しているということです。ですが、心中しよう、一緒に死のうという発言については、僕と同じ人生を歩みたいという深層心理がある可能性があると考えられます。
 また、キルコさんは、最高の幸せを感じた時に、死にたいと思うと言いました。一緒にいたいからこそ、一緒にいる時に死んで、現在感じている幸せを永遠のものにしたいと思っているのではないかとも解釈できます。
 つまり、一緒にいたい、一緒にいることが幸せだと思ってくれているということです。
 これは、六に一部あてはまると考えます。
 なので、六については、0.5ポイントです。

 ポイントの総計は、6ポイント中4ポイントという結果になりました。
 以上のことから、キルコさんは僕に、推し以上の感情を――恋愛感情を抱いているといえます」

 ………………。

「キルコさんは、恋は軽薄なものだと言っていたので、念のためにお伝えしておきます。僕が主張したいのは、恋ではなく恋愛感情です。恋は性的な感情を抱き相手に求めること。ですが、愛、相手を慈しみ尊重する心が伴うもの。だから、決して軽薄なものではありません。僕は、この世界で一番人間らしく、幸福な感情だと思います。
 ですから、恋に抵抗があっても、僕が提示する恋愛感情とは違うものだと踏まえて検討をお願いします。
 繰り返しになりますが、僕の証明はあくまで論理的、心理学的分析による証明です。最後にキルコさんの気持ちを決めるのはキルコさんなので、ご検討、よろしくお願いします。
 そして、恋愛感情であると判断した暁には、僕と、恋人になることを提案します」

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