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14話 映画の後でお仕事

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「彼に望むことはキルコさんを見ること、僕に望むことはファンサをはじめとする様々な要求、ですね。
 では、三つ目です。これから言うことについて、僕と彼のどちらがよりあてはまるか、比較検証し、答えてください。全部で七項目あります」

 ……これは、「質問」なのだろうか?
 不思議に思っているうちに、皇の問いがはじまった。
 
「一緒にいられないと、寂しさを感じる」

「皇さん?」

 そもそも緋王様とは一緒にいられないし。
 それに、文化祭期間、昼休みにあまりいられなかった時は、不満――というより、寂しかったような気がする……。
 
「一人でいると、会いたいと思う」

 会いたい……? 見たいのはどっちも……? でも、明日はどんなファンサ要求をしようか、早く明日になってほしい、とわくわくするのは……。

「皇さん?」

「一人占めしたい」

「どちらもないです」
 
「その人に幸せになってほしい」

「緋王様?」

 もっともっと努力が報われて、芸能界の頂点に行ってほしいと思う。
 
「自分が幸せにしたい」

「緋王様?」

 これからも全力で応援して力になりたい。
 
「なんでも許せる」

 顔がいいからどちらも許せる!
 と言っても、緋王様に落ち度があるようなところは考えられない。緋王様は完璧なのだ。
 だとすると……。

「皇さん」

「その人のためなら、なんでもできる」

「緋王様」

 お会いするためならどこへもいけるし、グッズも全部手に入れて貢献している。ジャックがどうやって手に入れていたかは知らないが。

「では、最後です。
 もし、キルコさんの前からいなくなってしまったら、自分の一部が抜け落ちたような気持ちになる」

 これは、一択だった。

「緋王様」

 だって私は、「皇の命を奪わない」という道を、選ばないのだから。
 
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