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おべんと箱の気持ち
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ここはとある運送会社の社員食堂です。
福利厚生でご飯が1食付いています。
ドライバーのおじさんがいいました。
「朝イチは食欲がないからコーヒーだけでいいや。」
ドライバーたちはそれぞれお茶やコーヒーを入れた水筒を持って出ます。
各々の好みに合わせて食堂のおばちゃんたちが用意しているのです。
「朝何も食べないの?パンでも持って出たら?」
「いや、いいわ。」
「せっかくご飯付いてるのに、ね。」
「弁当箱にでも詰めてくれたら持ってくかもな。」
おじさんは笑いながら仕事に行きました。
翌日
「これくらいの大きさで足りるかい?」
お弁当箱が用意されていました。
おじさんはびっくりです。
それから、朝は食べないけどお弁当派、のドライバーがお弁当を持って行くようになりました。
空のお弁当箱は帰社後食堂に返すと洗ってくれます。
(以下、おべんと箱のひとり言)
というわけで、同じ弁当箱仲間がスタンバイしているのさ。
キッチンに弁当箱置場も作られたしな。
ま、弁当の中身は大体同じだけどよ。
ここのババァたちご飯をパンパンに詰めるのな。
弁当箱の隅々まで。キャパオーバーもいいとこだぜ。
それを何事もなかったかのように開ける時まで保っとくのが、腕の見せどころさ。
今日は北で明日は南か?どこまで連れて行かれるのかそれも楽しみだね。
しばらく帰れない時もあって、忘れられたのかとヒヤヒヤする時もある。
コワモテの兄ちゃんが蓋を開けて笑顔になるのは、毎回愉快だね。
この人、こんな顔するんだ、と思うよ。
お姉ちゃんの時はトラックに乗った時からワクワクするね。
何かあった時はオレがこの娘を守る!
まぁ、無理だけどね。気持ちだけはあるってことよ。
ラジオ聴いたり、ドライバーの歌聴きながら、毎日楽しくやってるよ。
「業務用の食洗機で洗ってるけど、大丈夫かしら?」
おばちゃんたち、心配してくれてありがとよ。
オレたちまだまだ現役だから。
福利厚生でご飯が1食付いています。
ドライバーのおじさんがいいました。
「朝イチは食欲がないからコーヒーだけでいいや。」
ドライバーたちはそれぞれお茶やコーヒーを入れた水筒を持って出ます。
各々の好みに合わせて食堂のおばちゃんたちが用意しているのです。
「朝何も食べないの?パンでも持って出たら?」
「いや、いいわ。」
「せっかくご飯付いてるのに、ね。」
「弁当箱にでも詰めてくれたら持ってくかもな。」
おじさんは笑いながら仕事に行きました。
翌日
「これくらいの大きさで足りるかい?」
お弁当箱が用意されていました。
おじさんはびっくりです。
それから、朝は食べないけどお弁当派、のドライバーがお弁当を持って行くようになりました。
空のお弁当箱は帰社後食堂に返すと洗ってくれます。
(以下、おべんと箱のひとり言)
というわけで、同じ弁当箱仲間がスタンバイしているのさ。
キッチンに弁当箱置場も作られたしな。
ま、弁当の中身は大体同じだけどよ。
ここのババァたちご飯をパンパンに詰めるのな。
弁当箱の隅々まで。キャパオーバーもいいとこだぜ。
それを何事もなかったかのように開ける時まで保っとくのが、腕の見せどころさ。
今日は北で明日は南か?どこまで連れて行かれるのかそれも楽しみだね。
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何かあった時はオレがこの娘を守る!
まぁ、無理だけどね。気持ちだけはあるってことよ。
ラジオ聴いたり、ドライバーの歌聴きながら、毎日楽しくやってるよ。
「業務用の食洗機で洗ってるけど、大丈夫かしら?」
おばちゃんたち、心配してくれてありがとよ。
オレたちまだまだ現役だから。
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