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ソラ 準備する
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学校でみーちゃんと別れた和歌とソラはお寺に帰りました。
お寺が見える所まで帰った時、箒と塵取りを持った
哲宗(てっしゅう)がふたりの方を見ていました。
和歌は哲宗のもとへ走って行きました。
「哲さん、ごめんね!」
「ふたりで散歩に行ってたのかな?
なかなか帰って来ないから見に来てみたら
箒と塵取が置いてあるだけだったから。
まだ外は暑いから、中に入ってお茶でも飲むといいよ。」
涼しい部屋の中へ入ったソラは
カバンの中から出ると大きな伸びをしました。
和歌は冷たいお茶を飲みながら哲宗に
みーちゃんと校長先生の話をしました。
「みーちゃんは頑張り屋さんだね。でも、工事の間だけとはいえ
怖い思いをしたままなのはなのはよくないね。」
「そうなの。ママが勉強頑張っているからって
遊園地に連れて行ってくれるからって
怖いのをひとりで我慢してるのよ。」
「和歌さん、また力入っちゃってるけどどうしたの?」
ネコのお母さん雪が哲宗と和歌の様子を見ながら言いました。
「和歌さん、みーちゃんの力になりたいみたいなんだ。」
ソラは学校へ行ったことを雪に話しました。
「それにしても、和歌さんは少し落ち着かないとね。」
お茶のおかわりをしている和歌を見ながら雪は言いました。
「みんな、人間と関わるとロクなことがないから、ここから外へ出るんじゃないよ。」
雪は四匹の子供たちに向けて言いました。
「お母さん、ここだって人間の住む所じゃない。」
とソラは言いました。
「ここは特別さ。結界が張ってある。」
「けっかい?」
「まぁ、いいさ。ソラみたいな子どもにはまだわからないだろうからね。」
「お母さんはここが特別だからここに来たの?」
ソラは雪に聞いてみました。
「そうだね。それもあるかもね。ソラだってそうなんでしょ?」
ネコの兄弟たちは雪のもとを離れて
もうその辺で遊んでいました。
「ボクがここへ来たのはどうしてかって?
ボクはあの日、門の所から中を見ていたんだ。」
ソラはここに来た日のことは覚えているのですが
どこからどうしてここに来たのかは
思い出せませんでした。
「どうして来たのか?なんてどうでもいいじゃない。
今私たちはここで平和に暮らしているのだから。」
雪は自分の前足のお手入れをしながら言いました。
「ソラ、みーちゃんの家に泊まりに行きましょう!」
突然、和歌が言い出しました。
哲宗と和歌の話を聞いていなかった雪とソラは
びっくりしてふたりの方を見ました。
「そのためには準備をしないとね。」
哲宗は墨と半紙の用意をし始めました。
「ソラもみーちゃんのお部屋に泊まる準備をしないとね。」
和歌もなんだか楽しそうです。
「準備って言ったって、ソラはオバケなんだから
準備なんかいらないわよ。」
雪は前足のお手入れを念入りにしながら言いました。
ソラは何のことかわかりませんでした。
お寺が見える所まで帰った時、箒と塵取りを持った
哲宗(てっしゅう)がふたりの方を見ていました。
和歌は哲宗のもとへ走って行きました。
「哲さん、ごめんね!」
「ふたりで散歩に行ってたのかな?
なかなか帰って来ないから見に来てみたら
箒と塵取が置いてあるだけだったから。
まだ外は暑いから、中に入ってお茶でも飲むといいよ。」
涼しい部屋の中へ入ったソラは
カバンの中から出ると大きな伸びをしました。
和歌は冷たいお茶を飲みながら哲宗に
みーちゃんと校長先生の話をしました。
「みーちゃんは頑張り屋さんだね。でも、工事の間だけとはいえ
怖い思いをしたままなのはなのはよくないね。」
「そうなの。ママが勉強頑張っているからって
遊園地に連れて行ってくれるからって
怖いのをひとりで我慢してるのよ。」
「和歌さん、また力入っちゃってるけどどうしたの?」
ネコのお母さん雪が哲宗と和歌の様子を見ながら言いました。
「和歌さん、みーちゃんの力になりたいみたいなんだ。」
ソラは学校へ行ったことを雪に話しました。
「それにしても、和歌さんは少し落ち着かないとね。」
お茶のおかわりをしている和歌を見ながら雪は言いました。
「みんな、人間と関わるとロクなことがないから、ここから外へ出るんじゃないよ。」
雪は四匹の子供たちに向けて言いました。
「お母さん、ここだって人間の住む所じゃない。」
とソラは言いました。
「ここは特別さ。結界が張ってある。」
「けっかい?」
「まぁ、いいさ。ソラみたいな子どもにはまだわからないだろうからね。」
「お母さんはここが特別だからここに来たの?」
ソラは雪に聞いてみました。
「そうだね。それもあるかもね。ソラだってそうなんでしょ?」
ネコの兄弟たちは雪のもとを離れて
もうその辺で遊んでいました。
「ボクがここへ来たのはどうしてかって?
ボクはあの日、門の所から中を見ていたんだ。」
ソラはここに来た日のことは覚えているのですが
どこからどうしてここに来たのかは
思い出せませんでした。
「どうして来たのか?なんてどうでもいいじゃない。
今私たちはここで平和に暮らしているのだから。」
雪は自分の前足のお手入れをしながら言いました。
「ソラ、みーちゃんの家に泊まりに行きましょう!」
突然、和歌が言い出しました。
哲宗と和歌の話を聞いていなかった雪とソラは
びっくりしてふたりの方を見ました。
「そのためには準備をしないとね。」
哲宗は墨と半紙の用意をし始めました。
「ソラもみーちゃんのお部屋に泊まる準備をしないとね。」
和歌もなんだか楽しそうです。
「準備って言ったって、ソラはオバケなんだから
準備なんかいらないわよ。」
雪は前足のお手入れを念入りにしながら言いました。
ソラは何のことかわかりませんでした。
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