空色のクレヨン

みどり

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てつとソラ

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ある小さな町の真ん中に

小さなお寺がありました。

そこには住職の哲宗(てっしゅう)と
妻の和歌がふたりで暮らしていました。

お寺の前の道は
通学路になっており
毎朝、小学生が歩いて通り過ぎた後
自転車の中学生や高校生が通っていました。


そのお寺には子どもはいませんでしたが
子どものオバケがいつからか住んでいました。

哲宗も和歌も怖がることなく
三人は仲良く暮らしておりました。

ソラは哲宗や和歌の仕事の様子を見たり
時々お手伝いにも挑戦しました。

お寺にお客さんが来ると
ソラは透明になって
お客さんに見つからないようにしていました。



またある時
お寺に新しく住み着いたものがおりました。

その日は、朝早くに雨の音に混ざって
ネコの鳴き声がお寺の門の外から聞こえてきました。

和歌が見に行くと
お腹の大きな真っ白なネコが一匹いました。


「まぁ、大変!早く暖かい所へ!」

和歌は慌てて真っ白なネコを抱き上げると
部屋の中へと連れて行きました。

真っ白なネコは赤ちゃんを三匹生みました。
哲宗と和歌は、お母さんネコを雪と名づけました。
赤ちゃんネコたちも、それぞれ元気に生まれてきました。

オバケのソラは変身が得意です。
さっそく赤ちゃんネコに変身すると
お母さんネコの雪のそばに行きました。

雪はソラのこともほかの赤ちゃんネコたちのように
お世話をしました。
ソラは赤ちゃんネコたちと一緒に雪と眠りました。

哲宗と和歌はそんなソラの寝顔を見ながら
微笑んでいました。
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