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※爪の間・1

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オルキデアの部屋に入ると、真っ先に浴室に併設する脱衣所に連れて行かれる。

「アリーシャ」
「はい?」

振り返ったオルキデアが、アリーシャの首元を手を伸ばしてきたかと思うと、洋服のボタンを外される。
慌てて、アリーシャがオルキデアの手を掴んで、「あの!」と声を上げる。

「爪の間の砂を取ってくれるだけなんですよね? どうして、服を脱がせようとするんですか?」
「いいから。先に入れ」
「でも……」
「俺はこれからシャワーを浴びるんだ。せっかくなら、一緒にやってしまった方がいい」
「は、はあ……」
「ようやく休暇が取れて、二人きりになれたんだ。お前を感じさせてくれ」

そう言うと、オルキデアはアリーシャが掴む手を振り払って、アリーシャの洋服のボタンをどんどん外していった。
ボタンが全て外されると、前が開いて下着が露わになった。すると、今度はスカートのファスナーに手を伸ばしてきたので、またアリーシャは慌てて止めたのだった。

「さ、さすがに、一人で脱げます」
「そうか……。それなら、浴槽に湯を貯めてくる」

どこか寂しそうに言って、オルキデアは浴室の中へと消えていく。浴槽についている蛇口を捻ったのか、中から放水音が聞こえてくると、ようやくアリーシャは安心したのだった。

(び、びっくりした……急に服を脱がせてくるから……)

未だにオルキデアに服を脱がされるのは慣れない。
夜には寝間着や下着を脱がされて、ベッドの上で交わってはいたが、それもオルキデアが休暇中の話。
休暇が明けてからは、疲れているオルキデアの邪魔をしたくなくて、ただ添い寝で済ませていたのだった。
こうやって、明るい内から服を脱がされたことはほぼ無いので、いつも以上に緊張してしまう。
急に手を掛けたかと思うと、脱がせてくるというのもあるが……。

(まあいいか。せっかくなら一緒に入っても)

アリーシャが服を脱いで、下着姿になった頃、オルキデアが浴室から戻ってくる。

「まだ脱いでなかったのか?」

驚いたように目を見開いたオルキデアに、アリーシャは小さく頷く。
オルキデアは小さく息を吐くと、「ほら」と後ろを向かされる。

「俺も着替えを取りに行ったらすぐに入るつもりだ。先に入ってしまえ」
「私、さっき自分の部屋でシャワーを浴びました。着替えなら私が用意しますので、オルキデア様が先に入った方が……」

背中で留めていた下着のホックが外されると、肩から紐が落ちてくる。
それをオルキデアが引っ張ると、下着はアリーシャの身体から離れて、彼の手に渡った。

「いいから、俺のことは気にせずに先に入れ」

下着を脱衣カゴの中に入れると、今度はショーツを引っ張られる。

「ああっ!」

アリーシャが声を上げてショーツを押さえようとするが、それよりも早く、ショーツはアリーシャの足元へと落ちていった。
足を上げると、すかさずオルキデアがアリーシャのショーツを掴んで、脱衣カゴに放り込んだのだった。
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