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後片づけ【4】
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「は~! ようやく終わった~!」
柚子は息をつくと、その場に座り込んだ。
あれから、アズールスを始めとする公文書館の者達と手分けして、本の波打ち対策を行った。
残念ながら、 日当たりの良い場所にあった数冊は既に乾燥しており、手の施しようがない程に乾燥して波打っていた。
柚子は悔しがったが、アズールスを始めとする公文書館の者達は「被害がこれだけで済んだのではユズのおかげだ」と、感謝してくれたのだった。
「お疲れ様。ユズ」
「アズールスさん!」
頭上から声を掛けられた柚子が上を向くと、アズールスが背後に立っていた。
「もう、移動は終わったんですか?」
「ああ。布ごと持って、風通しの良い日陰に移動させれば良いだけだったからな。すぐに終わった」
黴対策で、柚子は風通しの良い日陰に本を動かすように、アズールス達にお願いした。
すると、アズールス達は公文書館の裏口付近の屋根の下に本を移動させたのだった。
「それより、こんなところに座るものじゃない。公文書館内の片付けが終わったんだ。中で座って話さないか?」
「そうですね。まだ、私が公文書館に来た理由も話していなかったですし」
柚子はアズールスが差し出した手を取ると、そっと立ち上がる。
アズールスに連れられて行くと、公文書館に入ってすぐの入り口付近に簡易テーブルとイスが二脚用意されていた。
まるで、柚子とアズールスの為に用意されたようだった。
二人がテーブルセットに近づいて行くと、「お~い! アズールス! 嬢ちゃん!」と後ろから声を掛けられたのだった。
「荷物忘れてるよ~!」
二人が振り向くと、先程、柚子を手伝ってくれた公文書館の一人だった。
日に焼けた肌に、禿頭の頭に鋭い目つき、身体も筋骨隆々と、怖い見た目ではあったが、アズールスより少し歳上なだけの若く優しい男だった。
「さっき運んだ本を乗せた布の上にあったんだ。これを届けに来たんだろう?」
「そうでした! ありがとうございます!」
「すまない。ガルシア」
柚子が男ーーガルシアと言う名前らしい。から荷物を受け取ると、ガルシアはアズールスを肘で突いたのだった。
「なんだ、なんだ! 最近、仕事が終わるとそそくさと帰っていると思ったら、いつの間にか異国人の嫁さんを迎えていたのかよ!」
「よ、嫁って……」
最初の男が間違えた恋人より、ランクが上がっていると、柚子が真っ赤になっていると、同じく顔を真っ赤にしたアズールスも「止めろ! ガルシア!」と返したのだった。
「そうだろう! そうやって、仲良く手まで繋いでよ~」
二人が手を見つめると、先程、柚子がアズールスの手を借りた時に、そのまま掴んでいたようだった。
二人は同時に手を離すと、互いに顔を背け合ったのだった。
アズールスは顔を背けたまま、ガルシアに反論した。
「ユズは……、彼女は、その、その……。大切な存在なんだ! 心から大切に想っている存在で、家族みたいな存在で、その……」
「家族って事は、結局、嫁だよな」
言葉を失ったアズールスに対して、ガルシアは「お前も隅に置けないよな!」と、言い残すと去って行ったのだった。
「アズールスさん、その……」
「ユズは何も気にしなくていい! 何も!」
柚子が口を開くと、アズールスは即座に返してきた。
「はあ……、わかりました」
柚子はアズールスに続いて、テーブルセットに向かったのだった。
柚子は息をつくと、その場に座り込んだ。
あれから、アズールスを始めとする公文書館の者達と手分けして、本の波打ち対策を行った。
残念ながら、 日当たりの良い場所にあった数冊は既に乾燥しており、手の施しようがない程に乾燥して波打っていた。
柚子は悔しがったが、アズールスを始めとする公文書館の者達は「被害がこれだけで済んだのではユズのおかげだ」と、感謝してくれたのだった。
「お疲れ様。ユズ」
「アズールスさん!」
頭上から声を掛けられた柚子が上を向くと、アズールスが背後に立っていた。
「もう、移動は終わったんですか?」
「ああ。布ごと持って、風通しの良い日陰に移動させれば良いだけだったからな。すぐに終わった」
黴対策で、柚子は風通しの良い日陰に本を動かすように、アズールス達にお願いした。
すると、アズールス達は公文書館の裏口付近の屋根の下に本を移動させたのだった。
「それより、こんなところに座るものじゃない。公文書館内の片付けが終わったんだ。中で座って話さないか?」
「そうですね。まだ、私が公文書館に来た理由も話していなかったですし」
柚子はアズールスが差し出した手を取ると、そっと立ち上がる。
アズールスに連れられて行くと、公文書館に入ってすぐの入り口付近に簡易テーブルとイスが二脚用意されていた。
まるで、柚子とアズールスの為に用意されたようだった。
二人がテーブルセットに近づいて行くと、「お~い! アズールス! 嬢ちゃん!」と後ろから声を掛けられたのだった。
「荷物忘れてるよ~!」
二人が振り向くと、先程、柚子を手伝ってくれた公文書館の一人だった。
日に焼けた肌に、禿頭の頭に鋭い目つき、身体も筋骨隆々と、怖い見た目ではあったが、アズールスより少し歳上なだけの若く優しい男だった。
「さっき運んだ本を乗せた布の上にあったんだ。これを届けに来たんだろう?」
「そうでした! ありがとうございます!」
「すまない。ガルシア」
柚子が男ーーガルシアと言う名前らしい。から荷物を受け取ると、ガルシアはアズールスを肘で突いたのだった。
「なんだ、なんだ! 最近、仕事が終わるとそそくさと帰っていると思ったら、いつの間にか異国人の嫁さんを迎えていたのかよ!」
「よ、嫁って……」
最初の男が間違えた恋人より、ランクが上がっていると、柚子が真っ赤になっていると、同じく顔を真っ赤にしたアズールスも「止めろ! ガルシア!」と返したのだった。
「そうだろう! そうやって、仲良く手まで繋いでよ~」
二人が手を見つめると、先程、柚子がアズールスの手を借りた時に、そのまま掴んでいたようだった。
二人は同時に手を離すと、互いに顔を背け合ったのだった。
アズールスは顔を背けたまま、ガルシアに反論した。
「ユズは……、彼女は、その、その……。大切な存在なんだ! 心から大切に想っている存在で、家族みたいな存在で、その……」
「家族って事は、結局、嫁だよな」
言葉を失ったアズールスに対して、ガルシアは「お前も隅に置けないよな!」と、言い残すと去って行ったのだった。
「アズールスさん、その……」
「ユズは何も気にしなくていい! 何も!」
柚子が口を開くと、アズールスは即座に返してきた。
「はあ……、わかりました」
柚子はアズールスに続いて、テーブルセットに向かったのだった。
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