23 / 47
『午前2時』3.テレフォン(1)
しおりを挟む
リンッ。
鋭い音で鳴った電話を耳に当てる。
「はい、朝倉ですが」
いつもなら高野が出るところだが、巡視に行ってでもいるのか、俺の方が早かった。
『あの…もしもし…朝倉さんですか?』
控えめな声が届く。
「はあ」
『あの…そちらに…滝志郎って言う人…いますか?』
俺あてか。高野に迷惑かけなくてよかった。
「あ、俺ですけど」
キャアアッ!
「っ」
けたたましい歓声が受話器の向こうから響いて、ぎょっとして身を引いた。
奇妙な気配に気づいたのだろう、周一郎が不思議そうに見つめてくる。引きつり笑いを返して、恐る恐るもう一度受話器を耳に当てた。
『…でしょ、だからさ、来ない?』
「は?」
中途半端に聞こえた相手のことばを聞き返す。
『だからね、今パーティしてるの。駅前の「ヴァレンタイン」知ってるでしょ? 来ない?』
「え、あ…」
どうにも内容が飲み込めず瞬く。時計は午前0時22分を指している。真夜中のパーティだって? 何のパーティだ? そもそも、なんで俺を誘う?
「あ、あのさ」
受話器の向こうで返事を待ちかねているのをひしひし感じながら、しどろもどろに答える。
「その、つまり、君、誰?」
『キャアアアッ!』
「っっっ」
再び上がった凄まじい嬌声に頭の中ががらがらと崩れた。ただでさえ短絡しやすいあちこちの回路を容赦なくぶった切っていく声だ。
『君、だってえ! 君だってよ、あの滝くんが!!』
どっと笑い声が後追いする。
「あの」
『噓みたい!』『気取っちゃってえ!』『わかんないの?!』
「ちょっと」
『そうみたい!』『あははは、かわいそー!』
「その」
『代わって! あたしも聞いてみたい!』『あん、ちょっと待ってってば!』
「俺は」
『きゃはははっ!!』『やだーっ!』
「聞けってえのに!!」
ついに電話口で喚いた。
どこのどいつか知らないが、良い子はちゃんとオネンネしてる時間なんだぞ。そもそも一方的に話を聞かせるのは拡声器で、電話じゃねえだろ。
さすがに受話器の向こうが静まり返る。
ようやく俺の怒りが伝わったかと思った次の一瞬、
『きゃあっ! 滝くんが怒鳴ったあ!』
頓狂な声が応じた。続いてきゃあきゃあきゃあきゃあと、こっちの耳への被害も御構いなしのはしゃぎ声が延々と続く。いい加減受話器を叩きつけてやろうと思ったが、休んでいる周一郎を心配させたくなくて、むずむずする気持ちをかろうじて抑える。
「もしもし」
『きゃあきゃあきゃあきゃあ』
「…も、し、も、し」
声を精一杯低めてドスを効かせた。部分テレポートでもできると、こういう時に指先だけテレポートさせて、近くの電話機コードなぞを首に巻きつけてやれるのだが、残念なことに俺は超能力者じゃない。
『はあいっ』
突然明るく軽い声が響いた。
『ねえ滝くん、ほんとにわかんないの?』
「ああ」
『うっそー』
「…」
『わかるわよ、ねえ、考えて、あたしが誰だか当てて?』
だめだもう限界だ。
「…悪いけど、病人がいるから」
溜め息混じりに言い捨てて、終わらないなぞなぞ遊びにケリをつけようとする。
『あ、待って、切らないで』
ぴくんと指が勝手に動くのを止めた。これだけ馬鹿にされてまだ女の懇願を聞くなんて、俺は前世からよっぽど女に飢えていたに違いない。
『あたし、良子です』
「へ?」
名乗られて戸惑った。
『だから、良子。木沼良子』
「? …あーっ!」
思い出した。
『わかったあ? そう、今ね、山根さんも一緒なの、だから「ヴァレンタイン」来ませんか?」
ガチャン!
無邪気なお誘いを派手に断ち切ってやった。欲求不満を解消して、ほっとする。
そりゃあ確かに俺はモテる男ではないが、それなりのプライドもあるのだ……一応米粒大の奴が。
「…ふぅ」
溜め息をついてなんとなく周一郎の方をみると、物問いたげにこちらを見ている。
「誰…なんですか?」
掠れた声で尋ねてきた。珍しい。
「ああ、うん」
こんな時に素直な関心など寄せなくていいんだが。
答えあぐねて口ごもる。顔が少し熱い。
「その、今の電話はさ」
もそもそと椅子に戻り、上目遣いに周一郎を見ながら顛末を話す。興味深そうに聞いていた周一郎は、くすくすと小さな笑い声を立てた。
「なんだよ」
「いえ、あなたらしいなと思って」
「どーせ俺は金の縁取り付きのアホだよ」
周一郎はくすくす笑いを止めない。熱の加減か、妙に人懐こい。
「ほらもう、病人は大人しく寝てろって!」
照れ隠しに叱った俺の本心を見抜いたような表情の相手から、いささか乱暴にタオルを剥ぎ取る。水に浸し、固めに絞って載せる。氷枕があれば一番良かったんだがなあ、とぼやいていると、周一郎はまだ笑みをにじませている。
「あのなあ」
「すみません」
「わかった、認める、俺はアホだ、現実認識に欠けている。もう十分わかったから……こら、止めろって。マジに不安になるだろ、俺に女の子っていうのは永遠に縁がないかもしれない、とか」
「……」
「周一郎!」
堪えきれなかったのだろう、再び小さく笑い始めた周一郎の頭を、軽く叩いた。
「笑いすぎると熱が上がるそ」
「…泣きすぎると…じゃなかったですか?」
「俺の地方じゃ、笑いすぎると、なんだっ」
周一郎はベッドに埋まり込んだまま、俺の弁解を楽しげに聞いている。
そーか、こいつは熱があると笑い上戸になるのか。
「っんとに、わざわざ電話してくるなって言うんだ」
そんなことをしなくとも、十分落ち込んだ。
「電話、か」
ふっと脈絡もなく高三の頃の出来事が蘇った。ぼんやり呟いた俺に、ようやくいつもの落ち着いた気配に戻った周一郎が、意味を問うように目で促してくる。
「ああ、その…高三の頃なんだが」
俺は肩を竦めて見せて、話し出した。
高三の頃。
俺はその頃大学へ行きたくて、ある奨学金を受けるべく、資格試験を受けたことがあった。
本来なら高校を出られるだけでも良しとしなくてはならないのだろうが、もう一度だけ、自分の運を試して見たかった。
その奨学金というのは、ある私的な福祉団体のバックアップによるもので、好成績は残せなくとも真面目に通い続けるのなら、四年制大学を終えるまでの費用を持ってくれようというものだった。何よりもありがたかったのは、単に学業成績で対象が選ばれるのではなく、面接後、その団体の審査員によって将来の見込みあり、と判断された者が選ばれるというところだった。
もちろん、受かるという保証はほんの少しもなかったが、俺達の居た施設では大学までの援助は望めないし、高校を出れば就職して、社会人として自分の未来をひっつかむことが当たり前だ。
俺と同い年で同じ高校に通っていたヤコは、すでに声楽の素質を認められ、別の団体のバックアップを受けることが決まっていた。たとえ何一つ才能がなくとも、俺は俺で、何とか世に出て行く伝手を得なければならなかった。
結果が連絡されて来る予定の日、俺と仲間は施設の居間で、定位置の棚からわざわざ机の上に移した電話とにらめっこしていた。
昼の二時までに連絡がなければ、駄目だったと思ってくれ。
そう説明されていたし、その時既に一時半を回っていたとなれば、にらめっこにもなろうというものだ。
ジリリリ…。
ふいに電話は鋭いベルの音を響かせた。どきりとして一瞬身を竦ませた俺とは対照的に、ヤコがとっさに受話器を取った。耳に当て、ゆっくり一言、
「はい、中樹児童養護施設ですが」
唾を呑む俺達の前で、ヤコはさらっとした黒髪を掻き上げた。それから一瞬不安そうに瞳を曇らせ、しばらく押し黙っていた。
「…ヤコ」
高二のトシユキが声をかける。小二のハルコが、ねえ、とヤコの制服のスカートを引っ張る。周囲を次々に見回していったヤコは、最後に俺に目を留めた。ためらいと不安と、ひどく辛そうな表情になって、くるりと背を向ける。
ヤコ?
尋ねかけた俺の声は口の中に残った。
「…はい? …いいえ、違います」
ヤコは妙に乾いた声で答えると、チン、と高く音を鳴らして受話器を置いた。その突き放すような後ろ姿は、今でも俺の目に焼き付いている。それから、その向こうから聞こえてきた声も。
「…間違いだった」
ほう、と俺達は溜め息を吐いた。緊張が解ける。
「…そうか」
「ねえ、ヤコ姉ちゃん、どうだったの、どうだったの」
ハルコがヤコに問いかけるのに、ゆっくりと振り返ったヤコは思い詰めたような表情でハルコをじっと見つめていた。それから静かに、
「間違いだったの」
言い切った。
そして、それから後、電話はかかってこなかった。
鋭い音で鳴った電話を耳に当てる。
「はい、朝倉ですが」
いつもなら高野が出るところだが、巡視に行ってでもいるのか、俺の方が早かった。
『あの…もしもし…朝倉さんですか?』
控えめな声が届く。
「はあ」
『あの…そちらに…滝志郎って言う人…いますか?』
俺あてか。高野に迷惑かけなくてよかった。
「あ、俺ですけど」
キャアアッ!
「っ」
けたたましい歓声が受話器の向こうから響いて、ぎょっとして身を引いた。
奇妙な気配に気づいたのだろう、周一郎が不思議そうに見つめてくる。引きつり笑いを返して、恐る恐るもう一度受話器を耳に当てた。
『…でしょ、だからさ、来ない?』
「は?」
中途半端に聞こえた相手のことばを聞き返す。
『だからね、今パーティしてるの。駅前の「ヴァレンタイン」知ってるでしょ? 来ない?』
「え、あ…」
どうにも内容が飲み込めず瞬く。時計は午前0時22分を指している。真夜中のパーティだって? 何のパーティだ? そもそも、なんで俺を誘う?
「あ、あのさ」
受話器の向こうで返事を待ちかねているのをひしひし感じながら、しどろもどろに答える。
「その、つまり、君、誰?」
『キャアアアッ!』
「っっっ」
再び上がった凄まじい嬌声に頭の中ががらがらと崩れた。ただでさえ短絡しやすいあちこちの回路を容赦なくぶった切っていく声だ。
『君、だってえ! 君だってよ、あの滝くんが!!』
どっと笑い声が後追いする。
「あの」
『噓みたい!』『気取っちゃってえ!』『わかんないの?!』
「ちょっと」
『そうみたい!』『あははは、かわいそー!』
「その」
『代わって! あたしも聞いてみたい!』『あん、ちょっと待ってってば!』
「俺は」
『きゃはははっ!!』『やだーっ!』
「聞けってえのに!!」
ついに電話口で喚いた。
どこのどいつか知らないが、良い子はちゃんとオネンネしてる時間なんだぞ。そもそも一方的に話を聞かせるのは拡声器で、電話じゃねえだろ。
さすがに受話器の向こうが静まり返る。
ようやく俺の怒りが伝わったかと思った次の一瞬、
『きゃあっ! 滝くんが怒鳴ったあ!』
頓狂な声が応じた。続いてきゃあきゃあきゃあきゃあと、こっちの耳への被害も御構いなしのはしゃぎ声が延々と続く。いい加減受話器を叩きつけてやろうと思ったが、休んでいる周一郎を心配させたくなくて、むずむずする気持ちをかろうじて抑える。
「もしもし」
『きゃあきゃあきゃあきゃあ』
「…も、し、も、し」
声を精一杯低めてドスを効かせた。部分テレポートでもできると、こういう時に指先だけテレポートさせて、近くの電話機コードなぞを首に巻きつけてやれるのだが、残念なことに俺は超能力者じゃない。
『はあいっ』
突然明るく軽い声が響いた。
『ねえ滝くん、ほんとにわかんないの?』
「ああ」
『うっそー』
「…」
『わかるわよ、ねえ、考えて、あたしが誰だか当てて?』
だめだもう限界だ。
「…悪いけど、病人がいるから」
溜め息混じりに言い捨てて、終わらないなぞなぞ遊びにケリをつけようとする。
『あ、待って、切らないで』
ぴくんと指が勝手に動くのを止めた。これだけ馬鹿にされてまだ女の懇願を聞くなんて、俺は前世からよっぽど女に飢えていたに違いない。
『あたし、良子です』
「へ?」
名乗られて戸惑った。
『だから、良子。木沼良子』
「? …あーっ!」
思い出した。
『わかったあ? そう、今ね、山根さんも一緒なの、だから「ヴァレンタイン」来ませんか?」
ガチャン!
無邪気なお誘いを派手に断ち切ってやった。欲求不満を解消して、ほっとする。
そりゃあ確かに俺はモテる男ではないが、それなりのプライドもあるのだ……一応米粒大の奴が。
「…ふぅ」
溜め息をついてなんとなく周一郎の方をみると、物問いたげにこちらを見ている。
「誰…なんですか?」
掠れた声で尋ねてきた。珍しい。
「ああ、うん」
こんな時に素直な関心など寄せなくていいんだが。
答えあぐねて口ごもる。顔が少し熱い。
「その、今の電話はさ」
もそもそと椅子に戻り、上目遣いに周一郎を見ながら顛末を話す。興味深そうに聞いていた周一郎は、くすくすと小さな笑い声を立てた。
「なんだよ」
「いえ、あなたらしいなと思って」
「どーせ俺は金の縁取り付きのアホだよ」
周一郎はくすくす笑いを止めない。熱の加減か、妙に人懐こい。
「ほらもう、病人は大人しく寝てろって!」
照れ隠しに叱った俺の本心を見抜いたような表情の相手から、いささか乱暴にタオルを剥ぎ取る。水に浸し、固めに絞って載せる。氷枕があれば一番良かったんだがなあ、とぼやいていると、周一郎はまだ笑みをにじませている。
「あのなあ」
「すみません」
「わかった、認める、俺はアホだ、現実認識に欠けている。もう十分わかったから……こら、止めろって。マジに不安になるだろ、俺に女の子っていうのは永遠に縁がないかもしれない、とか」
「……」
「周一郎!」
堪えきれなかったのだろう、再び小さく笑い始めた周一郎の頭を、軽く叩いた。
「笑いすぎると熱が上がるそ」
「…泣きすぎると…じゃなかったですか?」
「俺の地方じゃ、笑いすぎると、なんだっ」
周一郎はベッドに埋まり込んだまま、俺の弁解を楽しげに聞いている。
そーか、こいつは熱があると笑い上戸になるのか。
「っんとに、わざわざ電話してくるなって言うんだ」
そんなことをしなくとも、十分落ち込んだ。
「電話、か」
ふっと脈絡もなく高三の頃の出来事が蘇った。ぼんやり呟いた俺に、ようやくいつもの落ち着いた気配に戻った周一郎が、意味を問うように目で促してくる。
「ああ、その…高三の頃なんだが」
俺は肩を竦めて見せて、話し出した。
高三の頃。
俺はその頃大学へ行きたくて、ある奨学金を受けるべく、資格試験を受けたことがあった。
本来なら高校を出られるだけでも良しとしなくてはならないのだろうが、もう一度だけ、自分の運を試して見たかった。
その奨学金というのは、ある私的な福祉団体のバックアップによるもので、好成績は残せなくとも真面目に通い続けるのなら、四年制大学を終えるまでの費用を持ってくれようというものだった。何よりもありがたかったのは、単に学業成績で対象が選ばれるのではなく、面接後、その団体の審査員によって将来の見込みあり、と判断された者が選ばれるというところだった。
もちろん、受かるという保証はほんの少しもなかったが、俺達の居た施設では大学までの援助は望めないし、高校を出れば就職して、社会人として自分の未来をひっつかむことが当たり前だ。
俺と同い年で同じ高校に通っていたヤコは、すでに声楽の素質を認められ、別の団体のバックアップを受けることが決まっていた。たとえ何一つ才能がなくとも、俺は俺で、何とか世に出て行く伝手を得なければならなかった。
結果が連絡されて来る予定の日、俺と仲間は施設の居間で、定位置の棚からわざわざ机の上に移した電話とにらめっこしていた。
昼の二時までに連絡がなければ、駄目だったと思ってくれ。
そう説明されていたし、その時既に一時半を回っていたとなれば、にらめっこにもなろうというものだ。
ジリリリ…。
ふいに電話は鋭いベルの音を響かせた。どきりとして一瞬身を竦ませた俺とは対照的に、ヤコがとっさに受話器を取った。耳に当て、ゆっくり一言、
「はい、中樹児童養護施設ですが」
唾を呑む俺達の前で、ヤコはさらっとした黒髪を掻き上げた。それから一瞬不安そうに瞳を曇らせ、しばらく押し黙っていた。
「…ヤコ」
高二のトシユキが声をかける。小二のハルコが、ねえ、とヤコの制服のスカートを引っ張る。周囲を次々に見回していったヤコは、最後に俺に目を留めた。ためらいと不安と、ひどく辛そうな表情になって、くるりと背を向ける。
ヤコ?
尋ねかけた俺の声は口の中に残った。
「…はい? …いいえ、違います」
ヤコは妙に乾いた声で答えると、チン、と高く音を鳴らして受話器を置いた。その突き放すような後ろ姿は、今でも俺の目に焼き付いている。それから、その向こうから聞こえてきた声も。
「…間違いだった」
ほう、と俺達は溜め息を吐いた。緊張が解ける。
「…そうか」
「ねえ、ヤコ姉ちゃん、どうだったの、どうだったの」
ハルコがヤコに問いかけるのに、ゆっくりと振り返ったヤコは思い詰めたような表情でハルコをじっと見つめていた。それから静かに、
「間違いだったの」
言い切った。
そして、それから後、電話はかかってこなかった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
狼神様と生贄の唄巫女 虐げられた盲目の少女は、獣の神に愛される
茶柱まちこ
キャラ文芸
雪深い農村で育った少女・すずは、赤子のころにかけられた呪いによって盲目となり、姉や村人たちに虐いたげられる日々を送っていた。
ある日、すずは村人たちに騙されて生贄にされ、雪山の神社に閉じ込められてしまう。失意の中、絶命寸前の彼女を救ったのは、狼と人間を掛け合わせたような姿の男──村人たちが崇める守護神・大神だった。
呪いを解く代わりに大神のもとで働くことになったすずは、大神やあやかしたちの優しさに触れ、幸せを知っていく──。
神様と盲目少女が紡ぐ、和風恋愛幻想譚。
(旧題:『大神様のお気に入り』)
これもなにかの縁ですし 〜あやかし縁結びカフェとほっこり焼き物めぐり
枢 呂紅
キャラ文芸
★第5回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました!応援いただきありがとうございます★
大学一年生の春。夢の一人暮らしを始めた鈴だが、毎日謎の不幸が続いていた。
悪運を祓うべく通称:縁結び神社にお参りした鈴は、そこで不思議なイケメンに衝撃の一言を放たれてしまう。
「だって君。悪い縁(えにし)に取り憑かれているもの」
彼に連れて行かれたのは、妖怪だけが集うノスタルジックなカフェ、縁結びカフェ。
そこで鈴は、妖狐と陰陽師を先祖に持つという不思議なイケメン店長・狐月により、自分と縁を結んだ『貧乏神』と対峙するけども……?
人とあやかしの世が別れた時代に、ひとと妖怪、そして店主の趣味のほっこり焼き物が交錯する。
これは、偶然に出会い結ばれたひととあやかしを繋ぐ、優しくあたたかな『縁結び』の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
アルファポリス文庫より、書籍発売中です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
あやかし蔵の管理人
朝比奈 和
キャラ文芸
主人公、小日向 蒼真(こひなた そうま)は高校1年生になったばかり。
親が突然海外に転勤になった関係で、祖母の知り合いの家に居候することになった。
居候相手は有名な小説家で、土地持ちの結月 清人(ゆづき きよと)さん。
人見知りな俺が、普通に会話できるほど優しそうな人だ。
ただ、この居候先の結月邸には、あやかしの世界とつながっている蔵があって―――。
蔵の扉から出入りするあやかしたちとの、ほのぼのしつつちょっと変わった日常のお話。
2018年 8月。あやかし蔵の管理人 書籍発売しました!
※登場妖怪は伝承にアレンジを加えてありますので、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる