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第5章
8.ウォーク・イン・ポーカー(11)
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悲痛な声に力が抜けた。
本当はもっと、嫌がられるまでやった方がいいんだろうけど。
もうここまでが美並ができる限界。
でも、ようやく終わった。
これでもう、この先はないんだ。
もう二度と、真崎に触れることはないんだ。
できればもっと、甘くて優しい、終わりが良かった。
こぼれ落ちる涙にそっと抱き締めて、震えている真崎を横たえる。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。
傷を暴くようなことをしてごめんね。巻き込んでごめんね。守れなくてごめんね。
「もう許してくれる…?」
優しい声を背中を通して聴きながら呟く。
「……許せないのは、私です」
慌てたように振り向かれて、失敗したと気がついた。
どうして最後の最後まで。
どうしていつも、詰めが甘い。
大石の件が掠める。あの頃から成長していない。
覗き込む瞳に口から勝手にことばが溢れれた。
「…今日を、最後にした方が良いのかなって、思って」
こんな本音を吐くようなことをして。
「なのに、ごめんなさい、未練があって、手放せなかった」
やっぱり嫌われたくなかった。
「美並…」
また涙が零れたのに真崎が抱き締めてくれて、温かさに震えた。
「ごめんなさい、私、気持ちよくさえしてあげられない」
恵子ならもっとうまくやっただろうか。
「違う、違う、美並、違うから」
真崎がぎゅうぎゅう抱き締めてくる。
「僕は大丈夫だった、僕は……君に何をされても構わない」
目を閉じる。
「美並が望むなら、何でもするよ?」
わかっている。だからこそ心配だ。
「一人でやって見せてって言うならやるし、美並が許可するまで駄目だって言うなら我慢するし、この指で」
熱が恋しくなったのだろうか、いつの間に真崎のものに触れていたのだろう、剥がされて指先を握られる。ああ、もう最後なのかと思った瞬間、
「どこに触れてもいいし、何をしても、僕はきっと気持ちいいとしか感じない」
柔らかな声が打ち明けて瞬いた。
「…京介…」
それは『支配』されているから。
「でも、それは、美並だから」
胸の反論を封じられる。
「触れられるから気持ちいいんじゃなくて、美並が触れてくれるから、気持ちいいんだ」
耳のキスに体の奥に熱が灯った。
「一緒に居て……美並」
体を離され、起き上がる真崎が掴んだものを示しながら、熱っぽい目で望んだ。
「見てて?」
「……ん…っ」
真崎がベッドに座り、両足を開いて指先を動かしている。薄赤く染まった顔で目を潤ませ、部屋の薄明かりに濡れて光ったものを自分でゆっくり痛ぶっている。
「…っは」
伏せた目を時々上げて、前に座る美並の視線が自分に注がれているのを確かめ、とろりとした顔で笑う。汗が滲む肌、零れる息が部屋の温度を上げていく。
「見てる…?」
「…はい」
「どこを…?」
甘く掠れた声が誘う。
「京介の指を……濡れてますね」
「……うん……どんどん……溢れてる…」
大きな波が来たのだろう、苦しそうに眉を寄せ、両手でしっかり握り締める。
「…っん……っん、んっ」
シーツに擦り付けるように腰が揺れた。歯を食いしばる、唇を伝って唾液が零れ落ちる。俯く顔から呻き声が響く。
「う…っ……は」
何とか凌いだのか、再び上げた顔は真っ赤に上気して、細めた目から涙が一筋流れ落ちる。痛みをこらえている顔で何とか笑う。
「ごめ……も……手……離せない……」
来て。
喘いだ声は掠れ、抗うことができない。
美並は立ち上がった。もっと近くにと呼ばれて近寄ると、肩に手を置かされ跨された。
真崎の口元に突き出すような姿勢、弾む息が当たる、鼓動が煩い。
「…っ」
口を寄せた真崎が唇で触れた。顎を上げて押し付け、開きながら舌を伸ばしてくる。熱くて濡れた塊が押し込まれて奥へと進む。
「…んっ」
呻いたのは真崎は美並か。目を閉じた真崎が舐め上げ、逃げかけると、いつの間にか股間から離れていた片手に背後から腰を引き寄せられ押し付けられた。
「んっ…んっ…んんっ」
「あ…っ」
探り出された部分を舐め取られて仰け反る。含まれ吸われて思わず真崎の肩を掴む。
「う、うっ」
押し退けることができなかった。そのまま一気に深くへ舌を伸ばされ入り込まれ、濡れた音ととも後ろから回ってきた指先を埋められ広げられる。感覚が弾けて声を上げる。
「ああああっ」
真崎がそっと顔を離した。
「美並…?」
「は…い…」
唇を舌で舐め、見上げた真崎が目を細める。ゆっくり指を引き抜いていく。締まっていく感覚に顔が熱くなる。
「濡れてる…」
言われるまでもなく、離れた真崎を追うように熱が溜まり溢れ落ちていくのを感じた。
本当はもっと、嫌がられるまでやった方がいいんだろうけど。
もうここまでが美並ができる限界。
でも、ようやく終わった。
これでもう、この先はないんだ。
もう二度と、真崎に触れることはないんだ。
できればもっと、甘くて優しい、終わりが良かった。
こぼれ落ちる涙にそっと抱き締めて、震えている真崎を横たえる。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。
傷を暴くようなことをしてごめんね。巻き込んでごめんね。守れなくてごめんね。
「もう許してくれる…?」
優しい声を背中を通して聴きながら呟く。
「……許せないのは、私です」
慌てたように振り向かれて、失敗したと気がついた。
どうして最後の最後まで。
どうしていつも、詰めが甘い。
大石の件が掠める。あの頃から成長していない。
覗き込む瞳に口から勝手にことばが溢れれた。
「…今日を、最後にした方が良いのかなって、思って」
こんな本音を吐くようなことをして。
「なのに、ごめんなさい、未練があって、手放せなかった」
やっぱり嫌われたくなかった。
「美並…」
また涙が零れたのに真崎が抱き締めてくれて、温かさに震えた。
「ごめんなさい、私、気持ちよくさえしてあげられない」
恵子ならもっとうまくやっただろうか。
「違う、違う、美並、違うから」
真崎がぎゅうぎゅう抱き締めてくる。
「僕は大丈夫だった、僕は……君に何をされても構わない」
目を閉じる。
「美並が望むなら、何でもするよ?」
わかっている。だからこそ心配だ。
「一人でやって見せてって言うならやるし、美並が許可するまで駄目だって言うなら我慢するし、この指で」
熱が恋しくなったのだろうか、いつの間に真崎のものに触れていたのだろう、剥がされて指先を握られる。ああ、もう最後なのかと思った瞬間、
「どこに触れてもいいし、何をしても、僕はきっと気持ちいいとしか感じない」
柔らかな声が打ち明けて瞬いた。
「…京介…」
それは『支配』されているから。
「でも、それは、美並だから」
胸の反論を封じられる。
「触れられるから気持ちいいんじゃなくて、美並が触れてくれるから、気持ちいいんだ」
耳のキスに体の奥に熱が灯った。
「一緒に居て……美並」
体を離され、起き上がる真崎が掴んだものを示しながら、熱っぽい目で望んだ。
「見てて?」
「……ん…っ」
真崎がベッドに座り、両足を開いて指先を動かしている。薄赤く染まった顔で目を潤ませ、部屋の薄明かりに濡れて光ったものを自分でゆっくり痛ぶっている。
「…っは」
伏せた目を時々上げて、前に座る美並の視線が自分に注がれているのを確かめ、とろりとした顔で笑う。汗が滲む肌、零れる息が部屋の温度を上げていく。
「見てる…?」
「…はい」
「どこを…?」
甘く掠れた声が誘う。
「京介の指を……濡れてますね」
「……うん……どんどん……溢れてる…」
大きな波が来たのだろう、苦しそうに眉を寄せ、両手でしっかり握り締める。
「…っん……っん、んっ」
シーツに擦り付けるように腰が揺れた。歯を食いしばる、唇を伝って唾液が零れ落ちる。俯く顔から呻き声が響く。
「う…っ……は」
何とか凌いだのか、再び上げた顔は真っ赤に上気して、細めた目から涙が一筋流れ落ちる。痛みをこらえている顔で何とか笑う。
「ごめ……も……手……離せない……」
来て。
喘いだ声は掠れ、抗うことができない。
美並は立ち上がった。もっと近くにと呼ばれて近寄ると、肩に手を置かされ跨された。
真崎の口元に突き出すような姿勢、弾む息が当たる、鼓動が煩い。
「…っ」
口を寄せた真崎が唇で触れた。顎を上げて押し付け、開きながら舌を伸ばしてくる。熱くて濡れた塊が押し込まれて奥へと進む。
「…んっ」
呻いたのは真崎は美並か。目を閉じた真崎が舐め上げ、逃げかけると、いつの間にか股間から離れていた片手に背後から腰を引き寄せられ押し付けられた。
「んっ…んっ…んんっ」
「あ…っ」
探り出された部分を舐め取られて仰け反る。含まれ吸われて思わず真崎の肩を掴む。
「う、うっ」
押し退けることができなかった。そのまま一気に深くへ舌を伸ばされ入り込まれ、濡れた音ととも後ろから回ってきた指先を埋められ広げられる。感覚が弾けて声を上げる。
「ああああっ」
真崎がそっと顔を離した。
「美並…?」
「は…い…」
唇を舌で舐め、見上げた真崎が目を細める。ゆっくり指を引き抜いていく。締まっていく感覚に顔が熱くなる。
「濡れてる…」
言われるまでもなく、離れた真崎を追うように熱が溜まり溢れ落ちていくのを感じた。
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