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1.開門(1)
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「扉が開くぞ!」「おお、『氷の双宮』の扉が!」
人々の間から静かな囁きが広がり、やがて大きなどよめきとなっていった。
『氷の双宮』
二百年以上の長きに渡って四大公しか入ることを許されず、ラズーンにあってラズーンではない、禁断の領域とされた場所。
その門が、今ゆっくりと左右に押し開かれていく。
四大公のうち、既にミダス公、グードス公が没していた。
ラズーンの東は荒れ地となり、南で『運命(リマイン)』とジーフォ公、野戦部隊(シーガリオン)が当たり始めたとの知らせがあった。西を守るセシ公の粘りがいつまで持ちこたえられるかもわからない。最後の守るべき砦としての『氷の双宮』を中心とした小さな区画には、『運命(リマイン)』が忍び入り始め、人々の不安と恐怖は日増しに強くなりつつある。
平穏な時代の終わりを告げる開門だった。
扉の向こうには、不思議なほど静かな光景が満ちていた。
白い敷石、幾つかの白い建物。艶やかな光沢のある石の面がつながった先に、同じく白い石によって造られた二つの宮殿がある。ほぼ正方形、壁一面に溢れ逆巻く水の流れを飾り彫りされた二つの建物は、互いを鏡とするように入り口を向かい合わせて立っている。
きららかで眩い『氷の双宮』だ。
が、以前入った者ならば、すぐに気づく一つの異変があった。
中央にある美しい円形の噴水の水が止まっている。
「これは」
扉を開いたアシャは、すぐに気づいた、同時にそれが語っている事実にも。
「『太皇(スーグ)』…」
呻くように言葉を漏らす。側に居たレアナが不安そうに見上げてくるのを感じた。
「どうか、なさいましたの?」
問われてようやく自分の声がそれほど焦りと苛立ちを含んでいたと気づく。相手を見下ろす、と、レアナが僅かに怯えた表情になった。
「もう、身動きできないところまで来てしまったようです」
体から淡く輝く光が時折浮き上がり舞うのが視界に入った。
(封印も、全ての定めも、既になくなった)
ユーノの目を思い出した。
戦場で炎と化したアシャを叱咤した、激しい声も甦った。
(俺は本当に耐えられるのか)
人であるまま、生きていけるのだろうか。
アシャの不安をどう感じたのか、寄り添ってきたレアナがそっと手を取る。
「わたしにはわかりませんが…」
一瞬瞳を伏せ、再び見上げてくる。
「あなたはあなたのお仕事をなさればいいのです。するべきことを、するべきように。父が第一皇女の心構えをそう諭してくれました」
「するべきことを、するべきように、ですか」
レアナに手を取られたまま、吐息した。
「…今はとりあえず、人々を避難させることですね」
背後に居並ぶ群衆を振り返る。これから『するべきこと』を思って、身が引き締まった。
「では、ここから中へ入って下さい。但し、必ず私の前を通ってから進んで下さい」
朗々と声を響かせると、『氷の双宮』の光景に固唾を呑んで立ちすくんでいた人々がゆっくりと動き出した。老若男女様々に、身の回りの小荷物一つずつを手に、ぞろぞろと扉から中へ入っていく。
先に入った者がこの先はどこへと戸惑って立ち止まり、流れが滞り出した頃、『氷の双宮』の右手の宮から一人の老人が現れた。微笑み、そっと手招きする。
「『太皇(スーグ)』だ!」「招いて下さってるぞ!」
人々の間に歓声が上がった。安堵に歩みが少しずつ速まっていく。
アシャは思わず振り向いた。視線が合う。『太皇(スーグ)』が頷く。
「…」
ふいに泣き喚きたいような激情が胸を詰まらせた。
人を生かし人を満ちあふれさせ人の未来を輝かせたこの宮が、今、人を選別し人を削り身内に潜む闇を切り捨てようとしている。その関門が、人ではない自分だとう現実は、非情な運命にしか思えない。
眉を寄せ振り切るように目を背け、再び人々の列を見つめる、と。
「ぐっ、ああああっ!!」
通り過ぎる列の中ほどに居た女が突然叫んで手を伸ばし、空を掴んだ。何者かが仕掛けた目に見えない網にかかったように、荷物を落とし、体を伸び上がらせては縮め、必死の形相物凄く身悶えする。やがて、伸ばした手を引き攣らせたまま、アシャの方へ向けた。
視界がきらきらと光に覆われている、瞳もきっと光を放ち、全身を包む金色の光は、今は触れるほど鮮やかに濃く広がっているだろう。
「…きゃ」
ちりっと指先に傷みが奔り、レアナが小さく悲鳴を上げて手を放した。青ざめた顔でアシャを振り仰ぐ。指先を包むように庇って身を退きながら、一瞬何か言いたげに唇を開いたが、何も言わずに目を逸らせ、引かれるように女を見る。
その横顔に、ふいに理解した。
きっと同じ目をして逸らしただろう、昔、もしユーノがレアナにカザドの襲撃を打ち明けたとしたら。傷みに耐え、上げかけた悲鳴を噛み殺しながら、それでも何とか窮状を訴えることばを見つけたとしても。
予想外のことだから。
抱え切れないことだから。
「あ、ああ、あああ」
女は意味を為さない声を上げながら身もがきする。
ゆっくりレアナから視線を外す。
「下がって下さい、レアナ姫」
他に何が言えただろう。
(ユーノ)
胸に蘇る名前に強く唇を噛んで顔を上げる。
「この扉は通さないぞ、『運命(リマイン)』」
「『運命(リマイン)』?」「こんなところまで?」「あの人が?」
女の異変に身を竦めて遠巻きにした人々が顔を強張らせて囁き合う。
「アシャめ……アシャ・ラズーンめ……ええ」
呪詛を絞り出しながら、その身体中から白とも青とも言えない煙を吐き出し始めた女が膝を突いた。
「うわ」「ひいっ」
足先が溶け始めている。黒々と色が変わった部分からどんどん異臭を放ち溶け崩れていく。悲鳴を上げた人々が一気に体を退く。
「何」「どうして」「何が」
「きさまも……魔物のくせに………」
混乱と不安に怯える人々の声を嗤うように、女は吐いた。
「人の…形をした……悪夢のくせに………我らを……狩るのか……きさまの……魔と同じ……我ら……『運命(リマイン)』を…」
「え、なに…」「どういう…」
「…黙れ」
アシャが低く唸った矢先、
「ひあ!」
「きゃあっっ」「うああっ」
女が悲鳴を上げて黒い塊となって崩れた。
人々が凍りつき、女の残骸とアシャを等分に見比べている。
動かない。いや、誰も動けない。
「ふ…ぅ」
アシャは息を吐いた。目を上げる。周囲を見回す。
恐怖と不安と混乱の視線。
息を吸って低く命じた。
「…進んで下さい」
びくりと人々が震える。
「…『運命(リマイン)』に同化した者は入れない、今ご覧になったように」
誰も頷かない、笑わない。
(ユーノ)
胸に抱いた名前を繰り返しながら、続ける。
「この中は安全です。どうぞ、私の前を通って、中へ」
「…行こう」
男が一人ごくりと唾を呑み込んで動いた。家族を促す。
「俺達には関係ない」「でも」「大丈夫なの」「いいから行こう!」
震える子どもを抱き上げ、妻の手を引く。
アシャの前を通り過ぎていく、沈黙の歩みにアシャは俯く。レアナは隣に戻って来ない。後ろに下がったまま、動く気配もない。
(お前はこれを感じていたのか)
ユーノの笑顔を思い出し、眉を寄せる。
ただ一人。
この状況に立ち向かえるのは、ただ一人。
(抗えと言った)
ラズーンの正当後継者ならば、責を果たせ、抗えと。
人ならばできない『選別』をアシャならばできる。アシャならば『選別』の果ての傷みも憎しみも怒りも受け止められる。
(ユーノが居る)
最後にはユーノがアシャを始末してくれる。世界を滅ぼす前に消してくれる。
(俺の命は、お前の掌の中)
『泉の狩人』(オーミノ)がユーノを選んだ理由がわかって小さく微笑む。
顔を上げた。周囲を冷ややかに見つめる。ぞっとした顔で急ぎ足になる人々に、なお傲慢に顎を上げる。
傍若無人にもたった一人で命の価値を決める男にふさわしく、無表情に避難を見守る。
黄金の光が濃く舞い降りる中、人々は粛々と歩き続ける。
人々の間から静かな囁きが広がり、やがて大きなどよめきとなっていった。
『氷の双宮』
二百年以上の長きに渡って四大公しか入ることを許されず、ラズーンにあってラズーンではない、禁断の領域とされた場所。
その門が、今ゆっくりと左右に押し開かれていく。
四大公のうち、既にミダス公、グードス公が没していた。
ラズーンの東は荒れ地となり、南で『運命(リマイン)』とジーフォ公、野戦部隊(シーガリオン)が当たり始めたとの知らせがあった。西を守るセシ公の粘りがいつまで持ちこたえられるかもわからない。最後の守るべき砦としての『氷の双宮』を中心とした小さな区画には、『運命(リマイン)』が忍び入り始め、人々の不安と恐怖は日増しに強くなりつつある。
平穏な時代の終わりを告げる開門だった。
扉の向こうには、不思議なほど静かな光景が満ちていた。
白い敷石、幾つかの白い建物。艶やかな光沢のある石の面がつながった先に、同じく白い石によって造られた二つの宮殿がある。ほぼ正方形、壁一面に溢れ逆巻く水の流れを飾り彫りされた二つの建物は、互いを鏡とするように入り口を向かい合わせて立っている。
きららかで眩い『氷の双宮』だ。
が、以前入った者ならば、すぐに気づく一つの異変があった。
中央にある美しい円形の噴水の水が止まっている。
「これは」
扉を開いたアシャは、すぐに気づいた、同時にそれが語っている事実にも。
「『太皇(スーグ)』…」
呻くように言葉を漏らす。側に居たレアナが不安そうに見上げてくるのを感じた。
「どうか、なさいましたの?」
問われてようやく自分の声がそれほど焦りと苛立ちを含んでいたと気づく。相手を見下ろす、と、レアナが僅かに怯えた表情になった。
「もう、身動きできないところまで来てしまったようです」
体から淡く輝く光が時折浮き上がり舞うのが視界に入った。
(封印も、全ての定めも、既になくなった)
ユーノの目を思い出した。
戦場で炎と化したアシャを叱咤した、激しい声も甦った。
(俺は本当に耐えられるのか)
人であるまま、生きていけるのだろうか。
アシャの不安をどう感じたのか、寄り添ってきたレアナがそっと手を取る。
「わたしにはわかりませんが…」
一瞬瞳を伏せ、再び見上げてくる。
「あなたはあなたのお仕事をなさればいいのです。するべきことを、するべきように。父が第一皇女の心構えをそう諭してくれました」
「するべきことを、するべきように、ですか」
レアナに手を取られたまま、吐息した。
「…今はとりあえず、人々を避難させることですね」
背後に居並ぶ群衆を振り返る。これから『するべきこと』を思って、身が引き締まった。
「では、ここから中へ入って下さい。但し、必ず私の前を通ってから進んで下さい」
朗々と声を響かせると、『氷の双宮』の光景に固唾を呑んで立ちすくんでいた人々がゆっくりと動き出した。老若男女様々に、身の回りの小荷物一つずつを手に、ぞろぞろと扉から中へ入っていく。
先に入った者がこの先はどこへと戸惑って立ち止まり、流れが滞り出した頃、『氷の双宮』の右手の宮から一人の老人が現れた。微笑み、そっと手招きする。
「『太皇(スーグ)』だ!」「招いて下さってるぞ!」
人々の間に歓声が上がった。安堵に歩みが少しずつ速まっていく。
アシャは思わず振り向いた。視線が合う。『太皇(スーグ)』が頷く。
「…」
ふいに泣き喚きたいような激情が胸を詰まらせた。
人を生かし人を満ちあふれさせ人の未来を輝かせたこの宮が、今、人を選別し人を削り身内に潜む闇を切り捨てようとしている。その関門が、人ではない自分だとう現実は、非情な運命にしか思えない。
眉を寄せ振り切るように目を背け、再び人々の列を見つめる、と。
「ぐっ、ああああっ!!」
通り過ぎる列の中ほどに居た女が突然叫んで手を伸ばし、空を掴んだ。何者かが仕掛けた目に見えない網にかかったように、荷物を落とし、体を伸び上がらせては縮め、必死の形相物凄く身悶えする。やがて、伸ばした手を引き攣らせたまま、アシャの方へ向けた。
視界がきらきらと光に覆われている、瞳もきっと光を放ち、全身を包む金色の光は、今は触れるほど鮮やかに濃く広がっているだろう。
「…きゃ」
ちりっと指先に傷みが奔り、レアナが小さく悲鳴を上げて手を放した。青ざめた顔でアシャを振り仰ぐ。指先を包むように庇って身を退きながら、一瞬何か言いたげに唇を開いたが、何も言わずに目を逸らせ、引かれるように女を見る。
その横顔に、ふいに理解した。
きっと同じ目をして逸らしただろう、昔、もしユーノがレアナにカザドの襲撃を打ち明けたとしたら。傷みに耐え、上げかけた悲鳴を噛み殺しながら、それでも何とか窮状を訴えることばを見つけたとしても。
予想外のことだから。
抱え切れないことだから。
「あ、ああ、あああ」
女は意味を為さない声を上げながら身もがきする。
ゆっくりレアナから視線を外す。
「下がって下さい、レアナ姫」
他に何が言えただろう。
(ユーノ)
胸に蘇る名前に強く唇を噛んで顔を上げる。
「この扉は通さないぞ、『運命(リマイン)』」
「『運命(リマイン)』?」「こんなところまで?」「あの人が?」
女の異変に身を竦めて遠巻きにした人々が顔を強張らせて囁き合う。
「アシャめ……アシャ・ラズーンめ……ええ」
呪詛を絞り出しながら、その身体中から白とも青とも言えない煙を吐き出し始めた女が膝を突いた。
「うわ」「ひいっ」
足先が溶け始めている。黒々と色が変わった部分からどんどん異臭を放ち溶け崩れていく。悲鳴を上げた人々が一気に体を退く。
「何」「どうして」「何が」
「きさまも……魔物のくせに………」
混乱と不安に怯える人々の声を嗤うように、女は吐いた。
「人の…形をした……悪夢のくせに………我らを……狩るのか……きさまの……魔と同じ……我ら……『運命(リマイン)』を…」
「え、なに…」「どういう…」
「…黙れ」
アシャが低く唸った矢先、
「ひあ!」
「きゃあっっ」「うああっ」
女が悲鳴を上げて黒い塊となって崩れた。
人々が凍りつき、女の残骸とアシャを等分に見比べている。
動かない。いや、誰も動けない。
「ふ…ぅ」
アシャは息を吐いた。目を上げる。周囲を見回す。
恐怖と不安と混乱の視線。
息を吸って低く命じた。
「…進んで下さい」
びくりと人々が震える。
「…『運命(リマイン)』に同化した者は入れない、今ご覧になったように」
誰も頷かない、笑わない。
(ユーノ)
胸に抱いた名前を繰り返しながら、続ける。
「この中は安全です。どうぞ、私の前を通って、中へ」
「…行こう」
男が一人ごくりと唾を呑み込んで動いた。家族を促す。
「俺達には関係ない」「でも」「大丈夫なの」「いいから行こう!」
震える子どもを抱き上げ、妻の手を引く。
アシャの前を通り過ぎていく、沈黙の歩みにアシャは俯く。レアナは隣に戻って来ない。後ろに下がったまま、動く気配もない。
(お前はこれを感じていたのか)
ユーノの笑顔を思い出し、眉を寄せる。
ただ一人。
この状況に立ち向かえるのは、ただ一人。
(抗えと言った)
ラズーンの正当後継者ならば、責を果たせ、抗えと。
人ならばできない『選別』をアシャならばできる。アシャならば『選別』の果ての傷みも憎しみも怒りも受け止められる。
(ユーノが居る)
最後にはユーノがアシャを始末してくれる。世界を滅ぼす前に消してくれる。
(俺の命は、お前の掌の中)
『泉の狩人』(オーミノ)がユーノを選んだ理由がわかって小さく微笑む。
顔を上げた。周囲を冷ややかに見つめる。ぞっとした顔で急ぎ足になる人々に、なお傲慢に顎を上げる。
傍若無人にもたった一人で命の価値を決める男にふさわしく、無表情に避難を見守る。
黄金の光が濃く舞い降りる中、人々は粛々と歩き続ける。
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