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3 森を彷徨う
しおりを挟む森の中を彷徨い歩く。
森には木々と草ばかり。
小沢で水を貰う。
森の恵みを頂く。
何日経ったかわからない。
時折男が姿を見せる。
「そろそろ忘れたか。」
「いいえ。私が私である限り」
「そろそろ諦めたか。」
「いいえ。見つけるまでは。」
「森を出たのかもしれぬ。」
「私の為に出稼ぎに行ったのです。」
「お前は捨てられたのだ。」
「必ず戻ると言ったのです。」
「村へ帰れ。」
「いいえ。私は夫の元へ。」
男は少し考えて、私の首に印をつけた。
「森の端を見つけてみせよ。」
出稼ぎに行った夫の元へ。
今に私が参ります。
魂になって戻ると言ったあなた。
私も必ずあなたの元へ。
森には木々と草ばかり。
時折魔物に見られている。
小沢で水を貰い。
森の恵みを頂きながら。
歩けども歩けども
森の端は未だ見えず。
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