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4 二人の出会い
しおりを挟むマゴニアの母とテンペスタの父が話している間、女の子二人は雲の上でお喋り。
「このまえ、地上を覗いたの。下にはたくさん色がある。行ってみたいけど、降りてはいけないんだって。」
「私のねえさま達は時々降りているわ。私ももっと大きくなったら水浴びをしに降りるのよ。」
「えっ!良いなあ?私も連れて行ってもらえないのかな?」
「降りるのは簡単だけど、羽衣のないあなたが昇れるかどうかがわからないね。」
「私を抱えて飛んでみてよ。」
「いいわ。できたら一緒に降りよう。」
今日はできなかった。
自分だけなら飛べるのに、ひとり抱えると重くて飛べない。
「難しいなあ。あなた、痩せてよ。」
「失礼ね。私、太ってないわ。」
「羽衣が長くなればできると思うんだけど。」
「いつ長くなるの。」
「父は、100年くらいで、降りて昇ってこれるって言ったから、200年くらいかな。」
「そんなに待てないよ。」
「じゃあ、練習するよ。」
「抱えて飛べるようになったら、一緒に降りよう。」
会うたびに、抱えて飛ぶ練習をした。
何度も。
何度も。
何度も。
気づけば50年が経っていた。
二人はすっかり年頃の綺麗な女の子になっていた。羽衣は少し長くなって、女の子の背と同じくらい。
「今日こそは!」
「頑張って!」
ひとりを抱えて羽衣をフワフワさせると、ふわりと体が持ち上がった。そのまま、ふわりふわりと、空を舞う。
「やったぁ!」
「これで、行けるね!」
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