皇女は隣国へ出張中

国政のあれこれ（2）

崩れるアクエストを周辺国と取り合うことになれば、戦争も視野に入れなければならない。それが黙って懐に入ってくれるなら非常に宜しい。

但し、どちらにしろ属するのであれば、時を待つ必要もない。直ちに政のテコ入れをすること。その人員はクレイドから派遣する。

なお、属国となるからには、皇国の皇女を王妃にする。

これに公爵令嬢は交渉を重ねてきた。
全ては水面下で行いたいため、目立つのは困る。必要ならば自分が言う通りに改革するので静かに遂行してほしい。

さらに、子ができなければそれで良し。
もしもできれば、その子は公爵家に預けて欲しい。その代わり、子ができなくとも、公爵家は新しい王に忠誠を誓うと。



皇帝は公爵令嬢を高く評価し、


これを飲んだ。


そうして、皇帝は、娘エリザベスを送りこんだ。



リズとディックには濁しているが、リズとディックが婚姻することは決まっている。

何故、公爵令嬢を王妃にする可能性があることにしてあるのか。それは、単に対外的なポーズである。

その方が、アクエストの貴族達も黙るだろうという皇帝とロザリアの意見の一致だ。