ヤンデレBL作品集

みるきぃ

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◆誰かのものが好き

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主人公受け
加賀美修斗

攻め
広瀬麗央
桜庭瑠依




◇◇◇




俺は小さい頃から、誰かのものが好きだった。例えば、他人のお気に入りのおもちゃとか思い出のあるものとか。そんなひねくれた性格が成長しても、続いていた。


「しゅうくん、早くご飯食べよう。そして僕の話聞いてよ~」


俺、加賀美修斗は現在大学2年生で、俺をしゅうくんと呼ぶこいつは大学に入って知り合った友人の桜庭瑠依。瑠依は可愛い系の男で見た目チワワだ。ちなみに同性の彼氏持ち。


「で、話って?」

大学内のカフェに立ち寄り、話を聞いた。


「それがね、麗央の奴、絶対浮気してるんだよね!!」


「…え?」


怒り気味に瑠依から出た麗央って奴は、瑠依の恋人だ。

広瀬麗央。ちなみにこの大学の学生であり、しかもイケメンだ。



「もう浮気しているのバレバレ。むかついちゃうよね!僕がいるのに」

むぅと可愛く口を膨らます瑠依。





…笑っちゃう。内心悪態つく俺。

でもここは友人の立場であるため、おさえる。



「こんな可愛い瑠依がいながら浮気するなんて最低だな」


「…っ!そうだよね!ひどいよね。しゅうくんならわかってくれると思った!もう別れちゃおうかな…」


俺は、浮気相談をされているが実際、心の中では腹がよじれるくらい笑っていた。


なぜなら…そう。


「ぁっ…、ん麗央、」

「修斗可愛い…好きだよ」


その浮気相手が俺だから。

ふふ、本当笑っちゃう。一人暮らしである麗央の家で俺たちは身体を合わせていた。



「麗央、俺も好きだよ…ぁッ、デカくすんなよ」


「修斗が可愛いこと言うから悪いよ…っ、ごめん、余裕ない」


「んっ、ぁ…んン」


最高。やっぱり誰かのものってだけで好きになっちゃうな。でも、瑠依が麗央と別れたら誰のものでもなくなるからつまんないな…。その時は切って終わりにすればいいか。それから、秘密でこの関係が続いていた。








「…え、まじ?」


数日経ったある日、俺の耳に衝撃な話が舞い込んできた。


「本当だよぉ…、麗央が事故にあったみたいで…」

目に涙をためながら顔を真っ青にして話す瑠依。

嘘だろ。昨日まで俺のケツに自分のチンコ入れて気持ち良さそうにしていたアイツが?


瑠依の話によると、朝学校に向かっている際に急に飛び出してきた車にはねられたとかなんとか。そして瑠依と一緒に、麗央のお見舞いに行くことになった。



「麗央!!!」

病室に入るなり、麗央を呼ぶ瑠依。ベッドで横になって寝ている麗央の姿。頭には包帯が巻かれていた。


隣で瑠依は泣いていたがこの日は、麗央は目を覚まさなかった。


俺は別の日に、一人で麗央のお見舞いに来ていた。瑠依とは来ていない。俺が今回一人で来た理由は、麗央の家の鍵のため。

まぁ実際は麗央の家に置いていた自分の私物をとりたくて、病室に置いてある麗央の鞄から鍵をとることが目的だった。

本来なら麗央の心配でもするはずだが自分でも性格悪いこと知っている。相手より自分が大切。自分が満足できればそれでいい。病室に入り、寝ている麗央を確認し、近くに置いてある鞄に手を伸ばし、鍵を探した。



「誰だ…?」


すると、最悪なことに麗央が目を覚ましてしまった。おいおいタイミング悪いぞ…。


「麗央ごめん。目覚ましたんだ。大丈夫?」


ちょっと軽い言葉になってしまったが怪しまれてないよな?



「…あんた誰?」

「え?」

ん?待て待て。これあれか?

記憶喪失ってやつ。どこのドラマかよ。




うわ、面倒くさいな…。




でも、んー、…ふふ、いいこと思いついた。




「嘘だろ…、俺のこと忘れちゃったの?」


目に涙をため、俺は演技した。



「悪いが…思い出せない」


「酷いよぉ…、恋人のこと忘れるなんて」


自分が恋人だと嘘をついた。

本当は浮気相手ですけど(笑)




「本当なのか…?すまない悪いことをした」


チョロいな、こいつ。ちょっとは疑えよ。顔はイケメンだけどつまんない男だな。(偏見)



「ちなみに俺たち内緒で付き合っているんだ。誰にも言わないでね」


それだけを約束した。

信じちゃって可哀想に。




「しゅうくん聞いてよ~、酷いよね!僕のことを忘れた挙句、恋人は他にいるって~うわぁぁん」


瑠依が俺にしがみつき泣いている。



「よしよし、お前は何も悪くないぞ」


「しゅうくん好き~っ!!!」


「もう泣くなって。ほら鼻かめ」


「ありがとぉ…、ひっぐすん」


…ふふ、面白いな。

それから泣く瑠依を慰めては、裏で麗央と愛し合う日々が続いた。



そして、しばらく経って、麗央の記憶が戻ったらしい。

まじかー。楽しかったのに、終わりかーと思いながら、麗央に呼ばれて家にきた。

正直、会いたくないな。面倒くさそうだし。俺、騙していたから殴られちゃうのかな。うわ、それはごめんだ。




「麗央いるー?」

とりあえず、中に入ることにした。



「修斗待っていたよ」


ん?俺の想像とは反対に何か嬉しそうな顔していた。何か企んでいるのか?


「麗央、記憶戻ったんだ」


「そうだよ。…まさか、修斗から俺の恋人だなんて言い出すなんてさ。記憶が戻って興奮しちゃった」


「なにそれ。まぁ、嘘ついたことは謝る。ごめん」


殴られたくないし、一応謝って、刑を軽くしてもらおう。



「修斗は本当に可愛いな…。あとさ、俺、瑠依とは別れたよ」


「…は?」


「まぁ、元々、瑠依には興味なかったし。本命は修斗だけ。前も今も」


「なにそれ」

何を言い出すかと思いきや…

じゃあ、こいつは誰のものでもないの?

一気に、幻滅した。




「修斗、おいで」

俺の手を引く麗央。誰かのものではないとわかると、鳥肌が出て、拒絶反応を起こす。


「麗央、悪いけど、俺たちもう会わないでおこう」


「何言っているの?あんなに愛し合った仲じゃん。もしかして瑠依に悪いと思っているの?なら大丈夫だよ。あいつも好きな人いるらしいから。しかも俺と付き合う前から」 


は…?なにそれ。

全然面白くない。


それじゃあ、意味がない。

全然満足できない。





「俺、帰る」


「何言ってんの?帰すわけないだろ」


麗央に力でおさえられ、逃げられないように見たことない道具で俺を縛った。







「っ、ぁ…やめ…っん」


「修斗は一生俺が愛してあげる」


麗央は腰を振るのをやめずに俺を犯し続けた。







【麗央side】



初めて修斗を見た時は、こんなに綺麗な人間いるんだと思い、目を奪われた。

それから修斗を観察していくうちに心まで奪われた。俺の隣で甘やかしたい。


俺は容姿にはとても恵まれていた。俺が声をかければ誰だって落ちた。

でも修斗と俺じゃ不釣り合いだと思った。


もっと、修斗のことを知ってからじゃないと、近づけない。修斗のことを調べていくうちにあることを知った。


修斗は誰かのものが好きだってこと。



だから、修斗の友人の瑠依に近づき付き合った。


そして、裏で修斗に俺から声をかけると、『いいよ』と返事をくれた。それからめちゃくちゃ修斗を愛した。


そんな幸せな日々を送っていたのに、俺は誰かに背中をおされ、運悪く車ではねられた。



目が覚めた時には、記憶を失っていて、綺麗な子が俺の病室にいた。

話によると俺はこの子と付き合っているらしい。名前は加賀美修斗。

こんな子が俺の恋人だなんて信じられない。でもそうだと思った。俺の携帯のアルバムにはこの子の写真でいっぱいだった。




ある日誰かが俺の病室を訪ねてきた。


「麗央生きてたんだぁ~大丈夫?」

誰だこいつ?名前は桜庭瑠依というらしい。




「お前誰だ?」

「一応、恋人だよ」


「は?嘘つくな。気持ち悪い。俺には恋人がいるんだ」


「うわ、ひどいよぉ~」


泣きまねする。

俺が付き合っているのは、修斗だけだ。



早く、修斗に会いたい。




そんなこんなで俺はしばらくして記憶が戻った。


修斗とは浮気相手だった。

だけど、修斗は俺のこと恋人だといってくれた。もう嬉しくて興奮しまくりだった。


大切にしまっておかないとどこかに離れてしまっては困る。



「ずっと、俺と一緒だよ」

そして、俺は修斗を閉じ込めた。







【瑠依side】



しゅうくんとは大学から知り合ったわけじゃない。

小学校のころから、実は一緒。

そろそろ僕の存在に気付いてほしくて、大学に入り声をかけた。


しゅうくんは誰かのものが好きだった。


だから話しかけてきた麗央と付き合った僕。


しゅうくんは僕じゃなくて麗央の方にいった。

むかつく。

普通、あんな奴じゃなくて僕のことを奪うでしょ。



面白くなくなったので、麗央の背中を押して麗央は車にはねられた。そしたら記憶喪失だって。なんで、生きてんのって話。



本当、僕の邪魔をしてくる。


ある日、しゅうくんが学校に来ない日が続いた。



麗央に監禁されているしゅうくん。

早く助けに行かなくちゃ。



麗央が学校に行っている間、麗央の家のドアを盗んだ鍵で開けた。捨てなくてよかった。



そして奥の部屋でエロい格好で縛られているしゅうくんがいた。



ごくりと息をのむ。




…やばい、勃った。

お尻にこんなおもちゃまで入れられて可哀想に。



「…、っ、瑠依、たす…助けて…っ」

泣きながら僕に助けを求めるしゅうくん。

たまらなく愛おしい。




これからは僕が愛してあげるよ。






【完】




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