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しおりを挟む【ルアンside】
ふむふむ。なるほど。つまり想像を膨らませることが大事、ということか。今日もひたすら集中して本をペラペラめくっていた。
魔法には、火、水、風、雷、土、光、闇の自然7属性とそれに該当しない無属性という8つの属性に分けられることが書いてある。イメージすることで、その属性の特有の魔法は使える。人それぞれ使える魔法にも相性がある。1、2個属性持ってたら優秀の方。しかし魔力量に応じたレベルの魔法しか使えないのは当然のことである。
イメージしやすいように詠唱という方法もあるらしいが前世では無詠唱がカッコいいと植え付けられたため、無詠唱の方を頑張りたい。
ちなみに主人公英雄のエイデンは、全属性保持し無詠唱で、体術も人間性も含め全ておいてパーフェクトである。チート級と呼ばれるのも無理はない。
あと嬉しい報告だが日々の訓練、学習のおかげであれから俺にも魔力の適正つまり属性の相性が二つあることがわかった。ルアンという人間に合った魔法属性。魔法はその人の象徴とも言えるだろう。天使みたいな容姿に、悪魔みたいな性格。不釣り合いな二つ。その属性は闇と光である。どちらも稀少性が高い上、使いこなすには時間がかかるし、もしかしたら一生使いこなすことができず終わってしまうこともある。
まあ、強くなるにしてもその人次第だ。強力な魔法であっても使う人次第で変わってくる。
「闇魔法に…光魔法…」
何それかっこいい。
嬉しくて最近独り言が増えた。そのせいで両親にはめちゃくちゃ心配されてしまい医者に診てもらおうとされたが大丈夫だとすぐに断った。大事にされてるのはとてもありがたいことだが子供の成長をそっと見守ってあげてと言いたい。
「ん…?また見えた」
自室のベッドに腰を下ろしながら本を読んでいたら、窓の外から何か光のようなものが通り過ぎて行ったのが見えた。あれは何だろう。蛍ではなそうだった。すぐに本を閉じ外を見るが何もなかった。
今回が初めてではない。たまにこうやって光のようなものが飛んでいるのを目にする。でも正体が何なのかわからなかった。異世界では不思議なことが起きるのは当たり前だがどうやらこの現象が見えているのは俺だけらしい。モブ達と一緒にいた時に一度現れたことがあって「?」みたいな顔をされた。
怖っ。霊的な何かですか。とその時は鳥肌出たのを覚えている。それはちょっと無理なんですが。
まあ気にしない方が勝ちだ、うんうん。きっといずれ正体がわかる日が来るだろう。すぐに消えず追いかけることができればいいんだけど今の俺にはどうすることもできない。
「よーし。そんなことよりも明日に備えて寝るか」
いよいよ明日は魔力測定が行われる日なのだから。睡眠は大事である。
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