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【後日談】
後日談①出発前夜(後編)
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「そろそろ準備して行かないと」
何度かキスを交わした後、視線を合わせながら慧にそんな言葉をかける。
「うん。行くけど、最後にもう一回だけしていい?」
「いいよ」
慧に瞳を覗き込まれ、もちろん断る気なんて最初からなかった私はすぐに頷く。私が頷くのとほぼ同時に慧が上に覆い被さってきて、唇を重ねた後で身体の位置を変えた。
「ん……っ」
下着さえも身につけていない胸元に口付けられ、思わず声が漏れる。尖ってきた先端に慧は何度もキスを繰り返した。
そこにキスをしながら、慧は私の足の間に手を伸ばす。股をなぞるように指を動かしていたかと思うと、中にゆっくりと指を差し入れた。
「あっ、……やっ」
さっきまでの行為でまだ濡れていたソコは、簡単に慧の指を受け入れる。奥まで入り込んできた指は、私の感じる場所をひっかく。
「あぁんっ!」
与えられた刺激に身体を大きく飛び跳ねさせた身体は慧に抱えられて、仰向けにされる。その体勢のままでしばらくぐちゃぐちゃとかき混ぜられていたけど、何の前触れもなく慧が入ってきた。
「あぁっ、んっ! ふ、ぅ……」
今日だけで何度も受け入れてすっかり慧の形に馴染んだソコは、たやすく慧を奥まで呑み込んでしまう。
「好きです、花音先輩。俺を忘れないで」
後ろから抱きしめられ、私も慧を抱きしめ返したかったけど、体勢のせいで慧の腕に手を重ねることしか出来なかった。
「私も好き。大好き。絶対に忘れたりしないから」
たった1ヶ月離れるぐらいで何言ってるんだろうね。自分でもそう思うのに、でもそのたった1ヶ月がすごくすごく長く感じて、遠く感じる。
だって慧と離れてたこの1ヶ月、すごく辛くて長くて苦しかった。私の場合は自業自得だし、私以上に慧を苦しめてしまったと思うけど。1ヶ月離れることがどれだけ長いかを知ってるだけに、寂しくて辛い。
初めはゆっくりだった慧の腰の動きが激しくなるにつれ、息が上がっていく。私も、慧も。
「ん、んんっ、あ、……やぁっ」
強すぎる快感に腰が引けたけど、上から押さえつけられ、逃げ場もなくなってシーツを掴む。
「あ、けいっ。ちょっと、ま、って……っ? そんなにされたら、おかしくなっちゃうっ」
「なってよ。俺はもうとっくにおかしくなってます」
耳元で甘く囁かれ、そのまま耳を噛まれる。それだけでゾクゾクして、軽くイッちゃった。
このまま2人でおかしくなって、ずっとこの部屋にいられたらいいのに。でもきっとそんな風には出来ないからこそ、余計にこの時間が大切に感じる。
慧の熱も形も温もりも、全部忘れたくない。
後ろから慧に愛されて、しばらくして上に乗せられ、私も慧を愛して。慧が出発する前の最後の一回は、すごく長かったようでいてあっという間で、大切で忘れたくない時間だった。
慧が出て行ってしまった後の部屋で、慧の匂いが残る布団にくるまり、そっと目を瞑る。
さっきいっぱい泣いたから、もう泣かない。
だって、これで最後じゃないから。
慧はちゃんと戻ってきてくれるもん。
たった数時間で、慧は私にたくさんのものを残していってくれたね。それだけで、慧と会えない1ヶ月も頑張れる気がした。
何度かキスを交わした後、視線を合わせながら慧にそんな言葉をかける。
「うん。行くけど、最後にもう一回だけしていい?」
「いいよ」
慧に瞳を覗き込まれ、もちろん断る気なんて最初からなかった私はすぐに頷く。私が頷くのとほぼ同時に慧が上に覆い被さってきて、唇を重ねた後で身体の位置を変えた。
「ん……っ」
下着さえも身につけていない胸元に口付けられ、思わず声が漏れる。尖ってきた先端に慧は何度もキスを繰り返した。
そこにキスをしながら、慧は私の足の間に手を伸ばす。股をなぞるように指を動かしていたかと思うと、中にゆっくりと指を差し入れた。
「あっ、……やっ」
さっきまでの行為でまだ濡れていたソコは、簡単に慧の指を受け入れる。奥まで入り込んできた指は、私の感じる場所をひっかく。
「あぁんっ!」
与えられた刺激に身体を大きく飛び跳ねさせた身体は慧に抱えられて、仰向けにされる。その体勢のままでしばらくぐちゃぐちゃとかき混ぜられていたけど、何の前触れもなく慧が入ってきた。
「あぁっ、んっ! ふ、ぅ……」
今日だけで何度も受け入れてすっかり慧の形に馴染んだソコは、たやすく慧を奥まで呑み込んでしまう。
「好きです、花音先輩。俺を忘れないで」
後ろから抱きしめられ、私も慧を抱きしめ返したかったけど、体勢のせいで慧の腕に手を重ねることしか出来なかった。
「私も好き。大好き。絶対に忘れたりしないから」
たった1ヶ月離れるぐらいで何言ってるんだろうね。自分でもそう思うのに、でもそのたった1ヶ月がすごくすごく長く感じて、遠く感じる。
だって慧と離れてたこの1ヶ月、すごく辛くて長くて苦しかった。私の場合は自業自得だし、私以上に慧を苦しめてしまったと思うけど。1ヶ月離れることがどれだけ長いかを知ってるだけに、寂しくて辛い。
初めはゆっくりだった慧の腰の動きが激しくなるにつれ、息が上がっていく。私も、慧も。
「ん、んんっ、あ、……やぁっ」
強すぎる快感に腰が引けたけど、上から押さえつけられ、逃げ場もなくなってシーツを掴む。
「あ、けいっ。ちょっと、ま、って……っ? そんなにされたら、おかしくなっちゃうっ」
「なってよ。俺はもうとっくにおかしくなってます」
耳元で甘く囁かれ、そのまま耳を噛まれる。それだけでゾクゾクして、軽くイッちゃった。
このまま2人でおかしくなって、ずっとこの部屋にいられたらいいのに。でもきっとそんな風には出来ないからこそ、余計にこの時間が大切に感じる。
慧の熱も形も温もりも、全部忘れたくない。
後ろから慧に愛されて、しばらくして上に乗せられ、私も慧を愛して。慧が出発する前の最後の一回は、すごく長かったようでいてあっという間で、大切で忘れたくない時間だった。
慧が出て行ってしまった後の部屋で、慧の匂いが残る布団にくるまり、そっと目を瞑る。
さっきいっぱい泣いたから、もう泣かない。
だって、これで最後じゃないから。
慧はちゃんと戻ってきてくれるもん。
たった数時間で、慧は私にたくさんのものを残していってくれたね。それだけで、慧と会えない1ヶ月も頑張れる気がした。
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