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こっちが1訊くと10答えてくれるんだよね
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「あ・・・相澤ァ・・・!覚えてろよ・・・」
公園のジョギングコースを5周させられて、相澤快彦に怒りを覚えながら帰宅した私は、冷蔵庫のエクレアに手を伸ばす。
「食べ物を無駄にしたくないし、今夜はこれで我慢するから・・・」
否。クレープも食べてしまった。
「起きてると食ってばっかりだから、さっさと寝てしまおう」
シャワーを浴びて、布団に滑り込む。
寝ようと思っていたが、相澤快彦のことが頭に浮かんで眠れない。
ゲームでは、どういう立ち位置だっただろうか?
そういえば、ゲームでも卑眼蚊が教育係をしていた描写があった気がする。
「あの人は性格は最悪だけど仕事はできるんだ。側で見てた俺が言うんだから間違いない」
と、卑眼蚊にいじめられた主人公を慰めつつも警告する場面があったような・・・。
そういえば、主人公を好きになるきっかけも、主人公にキレられるからだったな。
比較的最初の分岐点で「ビンタする」「罵倒する」以外の選択肢を選んでしまうと、ほぼ友情エンドかバッドエンドだった。
うーん、相澤も根は悪い奴じゃないけれど、主人公とくっついてほしくはないなぁ。
だからといって、私もくっつきたくはないけど。
≪ピピピピピピ・・・≫
やっぱり目覚ましの音は無難な音に限る。
朝も早めに起きて公園でジョギングをするのだ。
しかしこの部屋、あまりモノがないな・・・。
体重計がないのは困る。
卑眼蚊としては、体重計なんて乗りたくなかったから持たなかったんだろうけど。
仕事の帰りにどこかで買って帰ろう。
そうだ、相澤におすすめの体重計でも聞いてみようかな?
せっかく協力してくれるんだから、あんな奴でも使わないと損だよね?
「・・・だっさ」
ドラえもんジャージも、家で着るならともかく、外へ出るのは相当恥ずかしい。
きちんとスポーツブランドのものを買うべきか?
いやいや、ある程度痩せてから買った方が良いかもしれない。
「とりあえず60キロ目指そう・・・」
よっこいしょ、とスニーカーを履いて立ち上がる。
「城之内さん、タンパク質はちゃんと摂ってますか?」
「えっ・・・?あぁ、卵なら毎日食べてるよ」
卑眼蚊が大量に買い込んでたからね、と心の中で付け足した。
「ダメですよ!豆腐とか、サラダチキンとかも食べなきゃ!!目玉焼きなんかしようものなら油の摂り過ぎになっちゃいますよ~!!」
「わかった、買うわ」
卑眼蚊が買い溜めしていた加工肉やスイーツが底を尽いたらね、とまた心の中で付け足す。
「あと甘いものもなるべく食べないように!自分は水やお茶を飲まずにジュースばっかり飲んでたからすぐに太ったんですよ!」
ギクッ。
冷蔵庫の中に眠っているスイーツや、昨晩食べたエクレアとクレープの姿も思い出してちょっと血の気が引いた。
コイツの勘が冴えているのか、私が後ろめたさを感じているのか・・・。
「相澤くん、おすすめの体重計とかある?」
「それならコレとか・・・スマホに情報を共有してくれるんで、簡単に毎日の記録を付けられるんですよ~!あ、でもそれを言うならコッチもその機能が付いてて・・・でも、初期不良が多いメーカーみたいで、レビューサイトではちょっと評価低いんですよね~・・・こっちは病院や施設で使われるようなやつで、しっかりしてるしスペック高いし保証期間長いけれど、お値段もすごくて・・・」
うわっ、語りだしたっ。
こういう男の子いるわぁ~。
自分の得意分野だと、こっちが1訊くと10答えてくれるんだよね。
ありがたいこともあるけれど、こっちが求めてない時は・・・ちょっとウザイ。
「じゃあ相澤くん。最初におすすめしてくれたやつ、どこで買える?」
「これはネット通販限定なので、このサイトかこのサイトで・・・」
「わかった、ありがとう」
これはさっさと会話を切り上げないと、私が疲れちゃうわ。
本当に悪い子じゃないんだけどねー!!
公園のジョギングコースを5周させられて、相澤快彦に怒りを覚えながら帰宅した私は、冷蔵庫のエクレアに手を伸ばす。
「食べ物を無駄にしたくないし、今夜はこれで我慢するから・・・」
否。クレープも食べてしまった。
「起きてると食ってばっかりだから、さっさと寝てしまおう」
シャワーを浴びて、布団に滑り込む。
寝ようと思っていたが、相澤快彦のことが頭に浮かんで眠れない。
ゲームでは、どういう立ち位置だっただろうか?
そういえば、ゲームでも卑眼蚊が教育係をしていた描写があった気がする。
「あの人は性格は最悪だけど仕事はできるんだ。側で見てた俺が言うんだから間違いない」
と、卑眼蚊にいじめられた主人公を慰めつつも警告する場面があったような・・・。
そういえば、主人公を好きになるきっかけも、主人公にキレられるからだったな。
比較的最初の分岐点で「ビンタする」「罵倒する」以外の選択肢を選んでしまうと、ほぼ友情エンドかバッドエンドだった。
うーん、相澤も根は悪い奴じゃないけれど、主人公とくっついてほしくはないなぁ。
だからといって、私もくっつきたくはないけど。
≪ピピピピピピ・・・≫
やっぱり目覚ましの音は無難な音に限る。
朝も早めに起きて公園でジョギングをするのだ。
しかしこの部屋、あまりモノがないな・・・。
体重計がないのは困る。
卑眼蚊としては、体重計なんて乗りたくなかったから持たなかったんだろうけど。
仕事の帰りにどこかで買って帰ろう。
そうだ、相澤におすすめの体重計でも聞いてみようかな?
せっかく協力してくれるんだから、あんな奴でも使わないと損だよね?
「・・・だっさ」
ドラえもんジャージも、家で着るならともかく、外へ出るのは相当恥ずかしい。
きちんとスポーツブランドのものを買うべきか?
いやいや、ある程度痩せてから買った方が良いかもしれない。
「とりあえず60キロ目指そう・・・」
よっこいしょ、とスニーカーを履いて立ち上がる。
「城之内さん、タンパク質はちゃんと摂ってますか?」
「えっ・・・?あぁ、卵なら毎日食べてるよ」
卑眼蚊が大量に買い込んでたからね、と心の中で付け足した。
「ダメですよ!豆腐とか、サラダチキンとかも食べなきゃ!!目玉焼きなんかしようものなら油の摂り過ぎになっちゃいますよ~!!」
「わかった、買うわ」
卑眼蚊が買い溜めしていた加工肉やスイーツが底を尽いたらね、とまた心の中で付け足す。
「あと甘いものもなるべく食べないように!自分は水やお茶を飲まずにジュースばっかり飲んでたからすぐに太ったんですよ!」
ギクッ。
冷蔵庫の中に眠っているスイーツや、昨晩食べたエクレアとクレープの姿も思い出してちょっと血の気が引いた。
コイツの勘が冴えているのか、私が後ろめたさを感じているのか・・・。
「相澤くん、おすすめの体重計とかある?」
「それならコレとか・・・スマホに情報を共有してくれるんで、簡単に毎日の記録を付けられるんですよ~!あ、でもそれを言うならコッチもその機能が付いてて・・・でも、初期不良が多いメーカーみたいで、レビューサイトではちょっと評価低いんですよね~・・・こっちは病院や施設で使われるようなやつで、しっかりしてるしスペック高いし保証期間長いけれど、お値段もすごくて・・・」
うわっ、語りだしたっ。
こういう男の子いるわぁ~。
自分の得意分野だと、こっちが1訊くと10答えてくれるんだよね。
ありがたいこともあるけれど、こっちが求めてない時は・・・ちょっとウザイ。
「じゃあ相澤くん。最初におすすめしてくれたやつ、どこで買える?」
「これはネット通販限定なので、このサイトかこのサイトで・・・」
「わかった、ありがとう」
これはさっさと会話を切り上げないと、私が疲れちゃうわ。
本当に悪い子じゃないんだけどねー!!
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