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第二章  魔法使いイチロー

21.偶然でなく

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21.偶然でなく

リバイアさんは、リバイアサンっていうらしい。

ただの外人さんの名前じゃなかった。

いや、分かってたよ?
なんか聞いたことあったし。
おもにゲームとかで。

ただ、それとは違うと思いたかった、っていうか。
ありえないと思って、理解するのを拒否りたかったっていうか。

女神曰く『原初の海底でまどろみながら一万年ごとに死んで、また新しく生まれ変わる水棲の幻獣』というのがリバイアサンということは分かった。

それよりもキリスト教の聖書に書かれた幻獣が、本当に実在していたとは驚きだ。
そんで、俺と融合したってのはもっと驚きだ。

で、俺の前にも融合していた存在がいたというのも驚きだ。

まあいいや。ちょっとそれは置いといて、あとで考えよう。

三つ目のほうを聞こう。

まあ、そうか。漠然と友人、って言ってもわからないよな。

「すみません。友人は横浜市港北区にいて、名前は甲斐瀬竜か い せ  りゅうです。」

『まあ。』

・・・・・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・。


何?どうしたんだ?なんか黙っていられても・・・。

『その、友人、が、甲斐瀬龍とは・・・。あなたと浅からぬ関係だったのですね。驚きました。高次元の存在である至高の神がそうしたのでしょうか。私ごときにはわかりかねる事でしたか。あらゆる事柄はすべて必然。偶然などないのですが、・・・。』

なんだ?龍をしってるの、か?

あらゆる事柄は偶然でなく必然?

高次元の存在とか、なんのこっちゃ。

わけわからん。

「それって。どういうことでしょうか?」

『このことは、前任の光の神からの知識の移譲で知ったことです。あなたの友人の甲斐瀬龍は、極地転移した時にこちらの地球の太古の海にはじき出されました。そして原初の海底でまどろみながら一万年ごとに死んで、また新しく生まれ変わるリバイアサンと融合したのです。体は滅したものの魂は滅せず、人間の意識を保ったままねじれた空間の中で、憑依して結局はゆっくりと融合していったのです。そして・・・。』
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