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呪いと真実

その1

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ライトの消された部屋の中。

私はベッドに転がって自作の魔法具--『イヤホーン』を耳に、映像魔法具である鏡を枕に立てかけて眺めている。

頭はまだふわふわだ。
そして眠い。 
おかげでいつもなら『カメラワーク』を調整するようにして『てれび』のアップにするところが、意図せず名も知らぬ黒髪の兄ちゃんの生着替えを覗くはめになっている。

ごめん、兄ちゃん。
わざとぢゃないんだよ?

こうして覗き見でもしてないと意識が保たないのだよ、眠くて。
いつもお世話になっているというのに申し訳ない。
『ミッシー』のパンツはすぐに忘れるよ、たぶん。

兄ちゃんは『てれび』の好みが私と共通しているのだ。なので毎晩のように覗かせてもらっている。
覗き趣味ではないので、いつも『てれび』のアップだが。
昼はまた別にお世話になっているおばちゃんがいる。
そちらは毎日『はいきんぐ』なのだ。

酒場から二階の部屋へ引きずられベッドへ放り投げられた私。

何故かクルドと同じくぐるんぐるん回る天井やベッドを眺めながら、しばらくは小さな声で歌を歌ってた。
歌いたくなったから。 

知っている歌がキモハゲを讃える歌だったのでいまいち気分は乗らなかったけど。

それから解毒のポーションを飲んで、ゴロゴロしているうちに部屋のライトが消された。


暗い部屋の中で、私は衝立の奥の気配を伺う。
クルドはもう寝ただろうか?
私が思いついた『いいこと』を実行するにはクルドには熟睡しておいてもらわなくては。

ふあ、と欠伸をしながら『イヤホーン』から聞こえてくる音を頼りに意識を眠りから阻む。 

……眠い。
めっちゃ眠い。

けど衝立の奥の気配もしんとして動く気配がない。
たぶん寝ている。

クルドだってずっと外で寝袋生活だったのだ。
きっと疲れもたまっているし、久しぶりのベッドとなると身体は休息を求めてやまないはず。


よし。

私はそうっと耳から『イヤホーン』を外すと『空間収納魔法』から小さな魔鉱石を一つ取り出した。
小さくて軽いものならなんでも良かったのだけど。

一つ、息を吐いて気持ちを落ち着かせる。

魔鉱石を手に握って--振りかぶる。

投げた石が衝立に当たって軽い音を立てる。
私は耳を済ませる。

うん、気配は変わらない。 
これは、寝てるね!

ぐふふ。
 
『寝起きどっきり』敢行じゃい!!

朝目が覚めると同じベッドに美少女が!
私の稚児発言で真っ赤になってたお子ちゃまクルドはどんな反応を見せてくれるのかな?

え?美少女?
もちろん私に決まっている。
ってか他に誰がいる。

いざゆかん!
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