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Chapter.20
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「ただいまー」
玄関で靴を脱ぎ、一緑がリビングへ移動する。
「おかえりー」
返答する声の中に不在者があり
「あれ?
一緑はリビングを見回した。いつもいるはずの人物がいない。
「サクラちゃんなら部屋行ったで?」
夕刊を読みながら、紫苑が天井を指した。
「あ、そーなんや。ありがとう」すぐに踵を返す一緑に
「あからさまで感じ悪いぞー」口の脇に手を添えて、橙山が声を張る。
「色ボケしとんねん。ほっといたれよ」
「ヒドイ言われようやわ」
フォローになっていない紫苑のセリフに笑って、一緑は二階にあがった。
緑色のドアをノックすると、『はーい』室内から返事が聞こえてドアが開いた。
「おかえりなさい」満面の笑みで出迎えた華鈴に
「ただいま」答えて、華鈴の頭を撫でる。
「お疲れさま」
ニコニコと笑う華鈴のおでこにキスを落として「なんかええことあった?」バッグを置いて、一緑が聞いた。
「うん」はにかんだ華鈴が後ろ手に隠していたスマホの画面を一緑に見せた。
「うん?」
画面に表示されているのはメールの受信画面。件名には【弊社面接結果のご案内】と書かれている。目の前に出された画面を見つめ、文字を目で追い、その内容を理解する。
「えっ? 第一志望のとこ?」
一緑の問いに、画面の向こうの華鈴が笑顔のままうなずいた。「うん」
「うわー! おめでとう!」
「ありがとう!」
自分のことのように喜んだ一緑が、華鈴を抱きすくめた。
「さすがやわ! 良かったなぁ!」
「うん!」
しばらく抱きしめあい、華鈴は手の力を緩めた。それでも一緑は華鈴を抱きしめ、離さない。
「くるしいよ」
「うん」
くすくす笑いながら、しばらくの間抱き合う二人は、幸福感に包まれている。
「もしかして……」一緑が身体を離して華鈴の顔を見つめる。「リビングにおらんかったのって」
華鈴がうんとうなずいた。「一緑くんに最初に聞いてほしくて」
エヘヘと照れる華鈴がかわいらしくて。
一緑は胸からあふれ出てしまいそうな愛しい気持ちをおさえきれず、チュッと音を立て、衝動的にキスをしていた。
華鈴は驚いて。そしてまた照れて。
一緑はもう一度ぎゅっと抱きしめてから「今度、お祝いしよ」華鈴の頭を撫でた。
「ありがとう。嬉しい」
「なんか希望あったら教えてね? 予定あわせるから」
「あっ、じゃあ、あそこ行ってみたい」
「うん?」
華鈴の提案に、一緑が表情を緩めた。
* * *
就職内定の連絡があった翌週、一緑と華鈴は電車に揺られていた。
平日の早い時間だからか、乗客はまばらだ。
通勤、通学する人々は逆方向の電車に乗ることが多いようで、ホームの並走する電車内はそこそこの乗客率だった。
「良かったのに」
「ん?」
「土曜でも。有給休暇、使える日数決まってるんだよね?」
「ええのよ。こーゆーときでもないと、使いそびれちゃうからさ」一緑が微笑んで、隣に座る華鈴の手を握った。
「そっか……じゃあ、心置きなく」嬉しそうに笑って、一緑の手を握り返した。
行き先は華鈴の希望だが、日程は一緑の提案だった。
目的地は平日のほうが空いているだろうし、就職したらしばらくは平日に遊びに出ることも難しくなるから、と誘ったのだ。
空間に余裕のある車内、窓から差し込む陽射しはうららかで、日光浴をしているよう。s
「寝ちゃいそうだね……」
ぽんわりとした口調で言って、華鈴が一緑に寄りかかる。
「ええよ、寝てて。着いたら起こすし」
「んー」
「もしこのまま終点まで行っちゃったら、別んとこ行こ~」一緑は穏やかに言って笑う。「近くに“夢の国”あるやろ~」
「んー、そうだねぇ。それもいいかも」ふふっと華鈴が笑う。
しばらく電車に揺られていると、窓の外に白く大きな半球状の建物が見えた。有名な野球場の屋根だ。
「あ」「お」華鈴と一緑が同時に声をあげる。
数秒後、ビルの隙間に見えたのは観覧車。
「あれ?」
「そう」
一緑の問いに、華鈴が笑顔を見せる。
「電車の中から見えて、気になってたところがあるの」
華鈴がスマホで検索をして、とある遊園地の公式サイトを一緑に見せた。同じ敷地内に屋根付きの球場がある、屋内外型アトラクション施設だ。
「へぇ、こんなんあるんや。近いの?」
「うん。電車でねぇ……」華鈴が乗換案内アプリで経路を調べる。「三十分くらいかな?」
「あぁ、近いやん。いいね、行こ行こ」華鈴のスマホを覗き込みながら、一緑が相好を崩した。
車内アナウンスが目的の駅名を告げる。二人は手を繋いだまま立ち上がり、ホームへ降り立った。
駅から少し歩くと、遊園地がある敷地内へ入る。
野球場、遊園地のほかに、ショッピングモールやホテルも併設された大型施設だ。
少し奥まった位置にある園内へ入る。開園からあまり時間が経っておらず、平日ということもあり客足はまばらだ。
園内でのルートは華鈴が決めていて、一緑は細かいプランを聞いていない。
「えっとねー……」
園内の案内図を見ながら、華鈴が一緑の手を引きまずは屋内のアトラクションへ向かう。
最初に乗るのはシアター型のシューティングゲームだ。
席に座り、設置された3Dメガネを装着。別途設置された銃型のコントローラーで、目の前に現れたターゲットを撃っていく。
映像とはいえ立体感があり、本当に目の前に迫ってくるようだし、座席が映像と連動して動くシステムで、想像以上に迫力と躍動感がある。
ターゲットを撃ちぬく爽快感もあり、大人でも充分に楽しむことができた。
室外へ出て、一緑と華鈴は口々に感想を言い合う。
「すごかったねー! 映像もキレイだったし」
「なー。めっちゃ声出てもうたぁ」
「私も」
笑いながら次のアトラクションへ向かう。
目当ての乗り物に近付くにつれ、風に乗って断続的に悲鳴が聞こえてくる。
「わっ、あれか」
遠目からでもわかる大型ライド系アトラクションを見上げ、一緑の足取りが遅くなる。
大きな船が船首と船尾の方向へ交互に大きく揺れる、いわゆる“バイキング”という乗り物だ。
「苦手?」
「いや? 大丈夫よ?」
「そう?」
一緑の言葉に引っ掛かりを感じつつも、二人で一緒に乗船の順番を待つ。その間も、風を切る音と乗客の悲鳴が聞こえ続けている。
「デートでこういうとこ来るん初めてやわ」
ぽつりと言って、過去のことを匂わせたような発言をしたとすぐに気付き華鈴を見るが、さして気にしていないようだった。
「いつもドライブとかだもんね」
「うん。っていうか、大人んなってから来るん初めてかも」
「確かに。なかなか来なくなっちゃうよね」
「な。新鮮やわー」
話しているうちに船がゆっくりと動きを止め、乗船していた客が口々に感想を言いあい、笑顔で降りてきた。
『お待たせいたしました~、乗船のご案内をいたします~』
出入り口でマイクを通して誘導するスタッフに促され、二人も乗船した。並んでいた客が全員乗り込み待機列がなくなる。
安全バーが下りて開始のベルが鳴り、船が前後にゆっくりと動き始めた。
瞳をキラキラと輝かせる華鈴に反して、一緑の足には“これでもか”というくらい力が入っていた――。
地面に降り立っても、まだ揺れているような気がする。もちろん一緑の気のせいなのだが、ふわふわと地に足がついていない感覚がなかなかぬぐえない。
一方、華鈴は爽快感を満喫した満面の笑みで一緑を見上げた。
「楽しかったね」
「そうやね」一緑は顔が引きつらないようにだけ気を付けて、笑みを返した。「疾走感がすごかったなぁ」
「ね! 風が気持ちよかった!」
「涼しかったなぁ」笑いながら言うが、華鈴が言う意味合いと一緑が言う意味合いは、物理的と精神的なもので少し違っている。「次は?」
「うんと……」華鈴はバッグからスマホを取り出して「これ、なんだけど……」少し遠慮がちに見せる。
そこに表示されていたのはジェットコースターで。
(うっ……)内心で小さくうめき声をあげつつ、「うん。どこやろ」園内を見渡すように視線を巡らせた。
遠くを見る一緑の袖を軽くつまんで引いて「別のでもいいよ? 私が乗りたいのばっかりだし……」華鈴が首をかしげる。
「ん? いいよ? 華鈴のお祝いなんやし、好きにしてよ」
「そう……?」
華鈴にいらぬ気遣いをさせたくなくて、一緑は「うん」とうなずいた。
玄関で靴を脱ぎ、一緑がリビングへ移動する。
「おかえりー」
返答する声の中に不在者があり
「あれ?
一緑はリビングを見回した。いつもいるはずの人物がいない。
「サクラちゃんなら部屋行ったで?」
夕刊を読みながら、紫苑が天井を指した。
「あ、そーなんや。ありがとう」すぐに踵を返す一緑に
「あからさまで感じ悪いぞー」口の脇に手を添えて、橙山が声を張る。
「色ボケしとんねん。ほっといたれよ」
「ヒドイ言われようやわ」
フォローになっていない紫苑のセリフに笑って、一緑は二階にあがった。
緑色のドアをノックすると、『はーい』室内から返事が聞こえてドアが開いた。
「おかえりなさい」満面の笑みで出迎えた華鈴に
「ただいま」答えて、華鈴の頭を撫でる。
「お疲れさま」
ニコニコと笑う華鈴のおでこにキスを落として「なんかええことあった?」バッグを置いて、一緑が聞いた。
「うん」はにかんだ華鈴が後ろ手に隠していたスマホの画面を一緑に見せた。
「うん?」
画面に表示されているのはメールの受信画面。件名には【弊社面接結果のご案内】と書かれている。目の前に出された画面を見つめ、文字を目で追い、その内容を理解する。
「えっ? 第一志望のとこ?」
一緑の問いに、画面の向こうの華鈴が笑顔のままうなずいた。「うん」
「うわー! おめでとう!」
「ありがとう!」
自分のことのように喜んだ一緑が、華鈴を抱きすくめた。
「さすがやわ! 良かったなぁ!」
「うん!」
しばらく抱きしめあい、華鈴は手の力を緩めた。それでも一緑は華鈴を抱きしめ、離さない。
「くるしいよ」
「うん」
くすくす笑いながら、しばらくの間抱き合う二人は、幸福感に包まれている。
「もしかして……」一緑が身体を離して華鈴の顔を見つめる。「リビングにおらんかったのって」
華鈴がうんとうなずいた。「一緑くんに最初に聞いてほしくて」
エヘヘと照れる華鈴がかわいらしくて。
一緑は胸からあふれ出てしまいそうな愛しい気持ちをおさえきれず、チュッと音を立て、衝動的にキスをしていた。
華鈴は驚いて。そしてまた照れて。
一緑はもう一度ぎゅっと抱きしめてから「今度、お祝いしよ」華鈴の頭を撫でた。
「ありがとう。嬉しい」
「なんか希望あったら教えてね? 予定あわせるから」
「あっ、じゃあ、あそこ行ってみたい」
「うん?」
華鈴の提案に、一緑が表情を緩めた。
* * *
就職内定の連絡があった翌週、一緑と華鈴は電車に揺られていた。
平日の早い時間だからか、乗客はまばらだ。
通勤、通学する人々は逆方向の電車に乗ることが多いようで、ホームの並走する電車内はそこそこの乗客率だった。
「良かったのに」
「ん?」
「土曜でも。有給休暇、使える日数決まってるんだよね?」
「ええのよ。こーゆーときでもないと、使いそびれちゃうからさ」一緑が微笑んで、隣に座る華鈴の手を握った。
「そっか……じゃあ、心置きなく」嬉しそうに笑って、一緑の手を握り返した。
行き先は華鈴の希望だが、日程は一緑の提案だった。
目的地は平日のほうが空いているだろうし、就職したらしばらくは平日に遊びに出ることも難しくなるから、と誘ったのだ。
空間に余裕のある車内、窓から差し込む陽射しはうららかで、日光浴をしているよう。s
「寝ちゃいそうだね……」
ぽんわりとした口調で言って、華鈴が一緑に寄りかかる。
「ええよ、寝てて。着いたら起こすし」
「んー」
「もしこのまま終点まで行っちゃったら、別んとこ行こ~」一緑は穏やかに言って笑う。「近くに“夢の国”あるやろ~」
「んー、そうだねぇ。それもいいかも」ふふっと華鈴が笑う。
しばらく電車に揺られていると、窓の外に白く大きな半球状の建物が見えた。有名な野球場の屋根だ。
「あ」「お」華鈴と一緑が同時に声をあげる。
数秒後、ビルの隙間に見えたのは観覧車。
「あれ?」
「そう」
一緑の問いに、華鈴が笑顔を見せる。
「電車の中から見えて、気になってたところがあるの」
華鈴がスマホで検索をして、とある遊園地の公式サイトを一緑に見せた。同じ敷地内に屋根付きの球場がある、屋内外型アトラクション施設だ。
「へぇ、こんなんあるんや。近いの?」
「うん。電車でねぇ……」華鈴が乗換案内アプリで経路を調べる。「三十分くらいかな?」
「あぁ、近いやん。いいね、行こ行こ」華鈴のスマホを覗き込みながら、一緑が相好を崩した。
車内アナウンスが目的の駅名を告げる。二人は手を繋いだまま立ち上がり、ホームへ降り立った。
駅から少し歩くと、遊園地がある敷地内へ入る。
野球場、遊園地のほかに、ショッピングモールやホテルも併設された大型施設だ。
少し奥まった位置にある園内へ入る。開園からあまり時間が経っておらず、平日ということもあり客足はまばらだ。
園内でのルートは華鈴が決めていて、一緑は細かいプランを聞いていない。
「えっとねー……」
園内の案内図を見ながら、華鈴が一緑の手を引きまずは屋内のアトラクションへ向かう。
最初に乗るのはシアター型のシューティングゲームだ。
席に座り、設置された3Dメガネを装着。別途設置された銃型のコントローラーで、目の前に現れたターゲットを撃っていく。
映像とはいえ立体感があり、本当に目の前に迫ってくるようだし、座席が映像と連動して動くシステムで、想像以上に迫力と躍動感がある。
ターゲットを撃ちぬく爽快感もあり、大人でも充分に楽しむことができた。
室外へ出て、一緑と華鈴は口々に感想を言い合う。
「すごかったねー! 映像もキレイだったし」
「なー。めっちゃ声出てもうたぁ」
「私も」
笑いながら次のアトラクションへ向かう。
目当ての乗り物に近付くにつれ、風に乗って断続的に悲鳴が聞こえてくる。
「わっ、あれか」
遠目からでもわかる大型ライド系アトラクションを見上げ、一緑の足取りが遅くなる。
大きな船が船首と船尾の方向へ交互に大きく揺れる、いわゆる“バイキング”という乗り物だ。
「苦手?」
「いや? 大丈夫よ?」
「そう?」
一緑の言葉に引っ掛かりを感じつつも、二人で一緒に乗船の順番を待つ。その間も、風を切る音と乗客の悲鳴が聞こえ続けている。
「デートでこういうとこ来るん初めてやわ」
ぽつりと言って、過去のことを匂わせたような発言をしたとすぐに気付き華鈴を見るが、さして気にしていないようだった。
「いつもドライブとかだもんね」
「うん。っていうか、大人んなってから来るん初めてかも」
「確かに。なかなか来なくなっちゃうよね」
「な。新鮮やわー」
話しているうちに船がゆっくりと動きを止め、乗船していた客が口々に感想を言いあい、笑顔で降りてきた。
『お待たせいたしました~、乗船のご案内をいたします~』
出入り口でマイクを通して誘導するスタッフに促され、二人も乗船した。並んでいた客が全員乗り込み待機列がなくなる。
安全バーが下りて開始のベルが鳴り、船が前後にゆっくりと動き始めた。
瞳をキラキラと輝かせる華鈴に反して、一緑の足には“これでもか”というくらい力が入っていた――。
地面に降り立っても、まだ揺れているような気がする。もちろん一緑の気のせいなのだが、ふわふわと地に足がついていない感覚がなかなかぬぐえない。
一方、華鈴は爽快感を満喫した満面の笑みで一緑を見上げた。
「楽しかったね」
「そうやね」一緑は顔が引きつらないようにだけ気を付けて、笑みを返した。「疾走感がすごかったなぁ」
「ね! 風が気持ちよかった!」
「涼しかったなぁ」笑いながら言うが、華鈴が言う意味合いと一緑が言う意味合いは、物理的と精神的なもので少し違っている。「次は?」
「うんと……」華鈴はバッグからスマホを取り出して「これ、なんだけど……」少し遠慮がちに見せる。
そこに表示されていたのはジェットコースターで。
(うっ……)内心で小さくうめき声をあげつつ、「うん。どこやろ」園内を見渡すように視線を巡らせた。
遠くを見る一緑の袖を軽くつまんで引いて「別のでもいいよ? 私が乗りたいのばっかりだし……」華鈴が首をかしげる。
「ん? いいよ? 華鈴のお祝いなんやし、好きにしてよ」
「そう……?」
華鈴にいらぬ気遣いをさせたくなくて、一緑は「うん」とうなずいた。
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