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番外編

sideギルバート2 希望

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「ア アイル?」

「お久しぶりです。ギルバート様。」

「元気か?」

「はい。ギルバート様も元気そうで何よりです。」

「…そうでもないんだ。」

「えっ、お加減が優れないのですか?」

「少しな。」

「では、早くお戻りになった方が良いですね。」

「い、いや、その少し座れば良くなる。ベンチまで一緒に行ってくれないか。」

「はい。わかりました。」

 やっぱりアイルは、優しい。このくりくりした茶色の瞳が可愛い。

「どうかしましたか?」

「いや、アイルは可愛いなと思って。」

「えっ、ありがとうございます。でも、僕なんかにそんなこと言う必要ないですよ。もう婚約者ではないので気づかい不要です。」

「本気で思っている。」

「でも、今は、ギルバート様にはユンリソン様がいらっしゃいますよ。」

「そうなんだが…」

「あっ、気にしているんですか?婚約破棄したこと。大丈夫ですよ。やっぱり僕の体は珍しいみたいです。だから変でも仕方ないんです。」

「そんなことはないんだ。俺が悪かった。アイルは、何も変ではない。」

「うふふ、そんなに焦らなくても。」

「そうじゃないんだ」

 くそ、何で別れてしまったんだ。やっぱりアイルは可愛い、優しい気づかいやふわんとした笑顔。もう一度やり直したい。アイルが俺にすがってくれれば。

「僕、考えを変えました。今は、実行中です。」

「えっ?」

「色んな方と接してみようと思っています。そして、セックスもしてみようと頑張っています。」

「そんな。」

 俺のせいでアイルが変わってしまったのか?あの清楚でうぶなアイルが。他の奴とするのか。想像しただけでも腹が立つ。

「ギルバート様、僕は平気ですよ。ほら、ベンチ座りましょ。」

「ああ。」

 どうしたらよりを戻せるのか。あー後悔しかない。

「大丈夫ですか?何か困り事でも?眉間にシワがよっていますよ。」

「そうか、アイルがキスしてくれたら眉間のシワがなくなる。」

「ギルバート様?どうしたんですか?」

「アイルがやっぱり好きなんだ。」

「でも…」

「忘れられない。俺がどうかしてたんだ。」

 アイルは、優しいから同情してくれるはず。何でもいいからやり直したい。

「ユンリソン様は?」

「別れる」

「そんなのダメです。振られるのって辛いんですよ。」

 アイルの涙目。かわいいなぁ。俺の時も悲しんでくれたんだな。悲しんでくれていたならまた好きなはず。あと一押しだ。

「アイル愛してる。俺がバカだったんだ。許してくれ。」

「ギルバート様。………でも、ダメです。」

「でもの前に何を思ったんだ。」

「えっ」

 揺るているぞ。いける。いけるぞ。

「もう一度チャンスをくれ。俺の愛をその体で試してくれ。」

「それはどういうことですか?」

「アイルは、体が変だと言っているがそれは、俺の気のせいだった。だから、もう一度全力で愛するから受け止めてくれ。」

「う うん わかりました。」

「では、もう一度だけお願いします。やっぱり僕の体が変でしたら、もう今度こそちゃんと別れましょう。」
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